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【パンと家具】『とあるパリの街角パン屋 パリ・モンスリー』(大川市)

「おいしいよ!ぜひ、食べてみて!」
そう言って、週に1・2度来るというの常連お客様が、
パン・ド・ミー3本(山食パン)、別に袋一杯のパンをおうちへお持ち帰りしていく。

お店の中に入って店員さんの後ろ棚に並んだパン・ド・ミーは、
食パンとは違い砂糖や油脂をあまり使わないのが特徴。
小麦の香りを楽しめるあっさり系のパンだ。

この後ろ棚に並んでいるパンたちは、
予約受付のみの販売で、水・土曜日はパン・ド・ミー、
木曜日はパン・ド・ミーにレーズンを加えたパン・ド・ミーレザン、
金曜日は筑後平野産全粒粉を使ったパン・ド・ミー、
日曜日はフランスパンで、
曜日によって食事パンメニューが変わるのだ。
(フランスパンは木曜日以外、毎日焼いているそう)

 

食事パンは1度に焼いている本数も限られているので、
狙いを定めて、前日までに電話することが必須!

美味しいパンを食べるための重要情報を紹介したこちらのお店は、
大川市にある『パリ・モンスリー』さん。
店主の古賀泰さんは、フランスで修業を積み、
その経験を活かしたパンづくりをされている。

 

 

古賀さんにパン作りのこだわりを伺うと、
「自分の好きな粉しか使いません」と、
北海道産・福岡産の国産小麦を使っていることを教えてくれた。
自分の好きなものを詰め込んだパンは、
バゲット、クロワッサン、ブールなど、シンプルなものが中心に店頭に並んでいる。
(店頭に並んでいるパンは予約不要です)

 

『よくばりフランス』(280円)を中心に、フランスパンは豊富なラインナップ
焼きたてパンには、目印のPOPがつけられている

 

今回いただいたのは、こちらのパンたち。

 

(写真左手前から反時計回りに)『アップルパイ』(345円)、『ルパンショコラ』(205円)、『デニッシュ・オ・マロン』(季節限定、248円)、『クロワッサン』(171円)、『パン・オ・ショコラ』(226円)

 

「結構人気なんですよ」と古賀さんが教えてくれたのは、
『アップルパイ』(345円、写真左前)!
パイはサクサク。りんごは甘すぎず、食後でもパクパク食べられる。

『パリ・モンスリー』の菓子パンといえば、デニッシュ。
「フランスの菓子パンと言えばデニッシュだから」と、
古賀さんの経験がここにも活きている。

 

ショーケースの上に並んでいるのは『バゲット』(291円)

 

そして、忘れてはいけないのが、『バゲット』。

「ここ(福岡県大川市)は、福岡市内と違って田舎だし、自分の同級生も年齢を重ねて、
フランスパンももう硬すぎてたべられないよ、という声もあります。
でも、
フランスで経験を積んだ自分が焼くことの意味がなくなってしまう気がするから、
焼き続けているんだよね」と、
古賀さんの熱い思いがぐっ、と詰まっている。

オープン当初はなかなか売れなかったフランスパンも、
今では遠方や県外からも足を運んでくれる方が増えてきているそうだ。

 

 

古賀さんのパンへのこだわりは、お店作りにも活かされている。
なんと、このお店、
『第29回福岡県美しいまちづくり建築賞』(平成29年開催)を
受賞したこともあるのだそう。

宿場町で栄えたこの町に建つこのお店は元々、町屋。
約10年前、お店の移転先を探していたところ、
取り壊されそうになっているこの長屋に出会った古賀さんが、
“待った”をかけた。

 

 

「『パリ・モンスリー』という名前は、
帰国後にもフランス語を忘れないようにと
通ったクラスの先生につけていただきました。
“モンスリー”とは、
フランスの民衆詩人であるジャック・プレヴェールが詩う、
パリ下町にある公園のこと。

パリジャンたちや、観光客が
肩の力を抜いて来てくれるようなお店にしたい
という想いを込めていただきました」。

古賀さんには、この『パリ・モンスリー』というお店のコンセプトと、
日本の古きよき町屋の掛け合せが、ピッタリだと感じたそう。

 

 

「お客さんが来てくれるお店は元々土間です。
ここは昔の工法を使って、みんなで作り上げていきました。
伝統的な壁は日本の気候にも合っているそうです」
説明してくれたお店の壁は伝統の技法を採用している。

お店に入って左側は土壁、
そのほかの面は、貝灰を使用。土や漆喰を塗り、
壁を造るときには、ワークショップを開催した。
ここは、地域の方と交流を深めながら、
建築家や左官、大工の職人技が詰まったお店なのだ。

 

 

「自分が伝統の工法を使うことで、
周りも使ってくれるきっかけになってほしい。
一人でしていてもなかなか広がらないし、
どんどん地域で広まってくれれば」、
常に地域のことを考えている古賀さんの理想が、
お店にあるポストカードに詰め込まれている。

店先でパンを食べながら、語りあうお客さん。
お店の中でじっくりとパンを選ぶ姿。おいしいパンとフランス、
地域のつながりを感じられる『パリ・モンスリー』は、
大川の日常になくてはならないパン屋さんだ。

 

パンと家具

 

大川市といえば大川家具!という印象をだれもが持っているかもしれないが、
その中でも個性あふれる家具を探しに行くならば、
大川市役所そばにある『KAGUHAUS』へ。

地元大川の『SAKAI MOKKO』『吉野民芸』だけでなく、
『マスターウォール』『アデベシュ』『ソース』など、
日本全国の8つの人気家具ブランドを中心に、
個性あふれるハイセンスな家具が並んでいるのが特徴だ。

 

 

家具だけではなく、レトロな雰囲気漂う店内には、
インテリアや観葉植物を組み合わせたレイアウトがなされており、
住空間をイメージしながら家具選びをすることが出来る。
また、実際に家具に触ったり、座ったり、存分に使い心地を試してOKなので、
自分にピッタリ合ったものを探してみよう!

サイズや色などセレクトできるものも多いので、
自分の好みに合ったものや、家にピッタリなものはどれか、
店内に常駐するスタッフさんに、気軽に相談できるのも嬉しいポイント。

 

『とあるパリの街角パン屋 パリ・モンスリー』

[所] 大川市小保121-1
[営] 8:30-19:00
[休] 月・火曜
[☎] 0944-87-6919
[P] あり
[Instagram] @parimon_chocolat

『KAGUHAUS』

[所] 大川市酒見201
[営] 9:00 – 18:00
[休] 火・水曜
[☎] 0944-32-9850
[P] あり
[Instagram] @kaguhaus

【大川市ってどんなところ??】

福岡県の南西部、筑後川が有明海へと流れ込む場所に位置する町。

その立地から海運の要所として船大工や職人達が暮らす町として栄え、いまでは家具の大生産地として、たくさんの家具を日本全国に送り出している。また、広大な筑紫平野で育まれる米やイチゴなどの農作物、筑後川や有明海で採れる良質な海苔など、農水産業も盛ん。

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