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Fuku Spo – アビスパ福岡/圍 謙太朗

圍 謙太朗(Kakoi Kentaro)ゴールキーパー・背番号21

攻守両面で相手を圧倒するチームに

今季のアビスパには堅守のチームというイメージを持っていました。でも、点を取って勝つことが多かったですね。そこに堅守が加わればもっと強くなると感じています。僕が試合に出始めてからの第16節・水戸戦から3試合連続無失点で、チームとしてしっかり守ることができるようになりました。J2ではトップのチーム力があると思いますが、第21節を終えて5位というのは、J2で優勝してJ1昇格を狙っているチームとしては良くないですね。試合ごとにチームのスタイルが変わるのではなく、攻撃と守備の両面で相手を圧倒できるチームにならないといけないと思っています。

そのなかで僕はGKなので、相手を無失点に抑えることを軸として考えています。守るだけでなく、キックも僕の武器なので攻撃の起点にもなりたいと思っています。特にセットプレーの守備やクロス対応時には、間接視野で味方FWの位置を見るようにして攻撃の起点になることを意識しているので、サポーターの方にはそこも見てもらえるとうれしいですね。GKってサッカーでは特殊なポジションなので、少しでもGKの戦術をわかってもらえれば、観戦が楽しくなると思います。

 

アビスパに来て 多くの責任を感じてプレー

ターニングポイントは人との出会いです。これまで出会ってきた恩師の助けなどがあり、僕はプロになれたと思います。1人目は、小学6年生で九州トレーニングセンターに参加した時に出会った澤村公康(現ロアッソ熊本GKコーチ)さんです。本当は長崎県で3番手GKでしたが上の2人がたまたまケガをして、僕が参加でき、そこで澤村さんに認めてもらい、ナショナルトレーニングセンターに参加することができましたし、高校進学も決めました。2人目は大津高校で出会った佐藤達朗GKコーチです。高校では2番手でしたし、練習がきつくて何度もサッカーを辞めようと思いました。でも、佐藤コーチから「おまえは絶対にプロになれるからサッカーを続けろ」と言われ続けたことで耐えられました。佐藤コーチに出会っていなかったら、サッカーを辞めていたと思います。大学で僕はGKとして花が開いたと思いますが、高校の頃、大学時代の恩師と出会いました。澤村コーチが開かれていたGKスクールの手伝いに行った時、指導者として参加されていた桃山学院大学の田中慎太郎GKコーチと出会い、大学進学が決まりました。大学では3番手でしたが先輩がケガをしたことで、1年の第3節から試合に出続けることができました。こうした出会いと運があったからプロの僕がいます。アビスパに移籍しても、プロで最初のGKコーチだった山岸範之コーチと再び出会うことができましたし、井原正巳監督に見出してもらい、試合に使われることもターニングポイントだったと思います。

アビスパに来て僕は一番変わることができています。チームの中心として毎日練習するのは、控えGKの時とはまったく違います。これまでも責任感を持って練習していましたが、それにプラスしていろんな責任を今は感じています。チームには4人のGKがいますが、その代表として試合に出ますし、チームの最後の砦なので試合を左右する責任を強く感じます。それに絶対に昇格しなければならないチームのGKとして、サポーターやスポンサーへの責任もありますから、練習でも1プレー1プレーの重みを感じて取り組めています。それが自分の成長につながっています。

第9節・山口戦でそれまで開幕からベンチ入りしていたのに今季初めてメンバー入りできませんでした。その時は1番手を取れていない自分が悪いと思いましたし、そこでの立ち居振る舞いが大事だと思って練習から明るく取り組み、練習試合でも良いプレーができたので、必ず出番は来ると思っていました。そうしたら、次の第10節・千葉戦で初先発できました。僕が思っていたタイミングとは違いましたが、綿密に準備できなかったことが逆に良かったのかもしれません(笑)。一度ベンチから外れて客観的に試合を見ることができたのも良かったと思います。 いつも最初は1番手ではありませんが、「今は負けているかもしれないけど、最後には絶対に勝つ」「絶対にポジションを奪う時が来る」と思って努力していました。

 

サポーターの応援を背に受け、一緒にゴールを守っています。

いつも熱い応援、ありがとうございます。スタジアムではカッコいいFWを見ることが多いと思いますが、セットプレーの時などはGKに注目してもらえたらいいですね。レベルファイブスタジアムに足を運んでもらい、GKを見てどんなことを考えてプレーしているのかを想像してもらえたらうれしいです。僕らGKはサポーターの一番近くにいるので、みなさんの声を背中で感じながら、一緒に守り、戦っている感覚があります。キックで拍手が起きた時は見てもらっているんだ、とわかりうれしいですね。今までどおり、レベスタに足を運んで応援してください。そして、一緒にJ2で優勝してJ1に昇格しましょう!

 

編集部からのおまけ質問「行きつけの店、教えてください!」

まだ福岡で生活し始めて半年ほどなので行きつけというか、一番多く通っているのが「梅山鉄平食堂」と「慶州」ですね。梅山鉄平食堂は、夕飯に定食を食べたいと思った時に探しました。その時はお客さんが少なくて、「穴場を見つけた!」と思っていたら、それはたまたまで超有名店でした(笑)。試合の2日前に2部練習じゃなかったら、ここで定食を食べるのがルーティンになっています。この前食べた赤ムツが本当においしかったです! 慶州は試合後に行くことが多いです。体の回復のために赤身肉を食べています。先日はもつ鍋の「田しゅう」に行きました。まだまだ福岡を知らないので、サポーターのみなさんもおすすめがあれば教えてください

※シティ情報Fukuoka 2018年8月号本誌掲載

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