【B&H 2025】他人事ではない生活習慣病!

「健診の結果は良くなかったけど、元気だから大丈夫」とやり過ごす人は病気の思うツボ!生活習慣病が招くリスクや対処法について、吉兼内科クリニック院長の吉兼先生に話を伺った。
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吉兼内科クリニック 吉兼誠先生 Makoto Yoshikane 福岡大学医学部出身。日本肝臓学会専門医、日本内科学会認定医。福岡大学病院消化器内科、同救命センター、福岡赤十字病院肝臓内科などを経て2014年に吉兼内科クリニックを開院。2011年には東日本大震災の救援活動にも従事した。 |
日本人の三大疾患を含む身近な疾患•生活習慣病とは
生活習慣病とはその名の通り、普段の食事や運動、喫煙、飲酒、休養などの生活習慣が原因で発症や進行する疾患のこと。高血圧症や糖尿病、脂肪肝、脂質異常症の他に、メジャーものではがん、心疾患・脳血管疾患という日本人の三大死因も含まれる。「もう少し具体的に説明すると、血圧とコレステロール値が高い人は心筋梗塞や脳卒中になるリスクが高く、脂肪肝の人は肝硬変や肝がんのリスクが高まってしまいます。男性の方は、生活習慣病の一種である痛風にも注意が必要です。これも肥満やプリン体を多く含む高カロリー食の食べ過ぎ、アルコールの飲み過ぎなどが原因とされています。”メタボ“と呼ばれるメタボリックシンドロームにも注意が必要です。これは生活習慣病の一歩手前の状態で、高血圧症や糖尿病、脂質異常症などのリスクを複数あわせ持つ状態になっていると考えられます」と吉兼先生は語る。生活習慣病の患者数は日本の総人口の約15%にあたるというデータも報告されているが、「生活習慣病は一つの疾患だけではなく重複して患う方も多いため、実際はそれ以上の数になることは想像に難くありません」と吉兼先生。年齢的には身体機能や内臓機能が落ち始め、ホルモンバランスの崩れも始まると40代頃が生活習慣病のリスクが高まり始めるタイミングとされる。
病気は人間を騙すプロ!?無症状で安心するのは危険
「生活習慣病の怖いところは、発症していてもかなり進行するまではほとんど自覚症状がないこと。私は患者さんにわかりやすく説明する時によく病気を擬人化させるのですが、生活習慣病の疾患は言うならば”人を謳すプロフェッショナル“です。体にこっそり隠れて手遅れになるまで進行しようと企んでいるので、本人を心配させるような症状を簡単には出してくれません。なので健康診断で異常がみつかっても無症状のことがほとんどなのです」。そして残念ながら、せっかくこっそり隠れていた病気に気づいたのに「ちょっと数値が悪かったけれど、別に体はどこも悪くないから大丈夫だろう」と、まんまと病気に騙されて二次健診を何年も受けなかったり、指導された生活習慣の改善を怠ったり、服薬などの治療を受けようとしない方が後を絶たないと言う。そうして病気の思うツボにはまっていると、例えば血圧の高い方は知らぬ間に動脈硬化を進行させて、ある日突然心臓や脳に重大なダメージを与えてしまうことになる。

クチコミの過信には注意!自身にあった治療法を
高血圧症や糖尿病などの生活習慣病で来院される方の中には、薬を飲み続けることに強い抵抗を感じる方がとても多く、それが原因で異常を放置するケースも少なくないと言う。「ある程度を超えるともちろん薬が必要になるケースもありますが、生活習慣を見直すことで改善が期待できることもあります。ここでポイントになるのが、一人ひとりで症状と治療法が異なること。先ほども申し上げたように生活習慣病は一つではなく重複して患っている方も多いため、糖尿病の上にコレステロール値も高い人、血液の数値は正常だが脂肪肝になっている人など、個々に合った治療をしていかなくてはなりません。中には生活習慣病と思っていたものが実は遺伝であったり、体質的なもので発症したりすることもあり、見極めが難しいケースもあります。我々のような地域のクリニックの役割は、そのような患者さん一人ひとりに合った治療を細やかに提案していくことです。本人の希望も聞きながら、薬を選んだり食事や運動内容を指導したりして、その方にとって最善の治療法を提案していきます。ただ、患者さんの中にはメディアやSNSで見聞きした”この症状にはこの食べ物がいい“”あの薬は飲んではいけない“などの情報を鵜呑みにする人もいらっしゃいます。もちろん中には正しい情報もありますが、それらは不特定多数に向けて発信したもので、あなたに向けたものとは限りません。健康診断で生活習慣病のリスクを指摘されたら「手遅れになる前に見つかってラッキ—」と思って、地域のクリニックを受診して欲しいと思います」。現代人はどうしても日々の仕事やプライベートに忙しく、自身の体のことは後回しになりがちだが、早めの一歩を踏み出して自分にあった治療法や改善法を見出して欲しいと吉兼先生は語る。「生活習慣病を予防するためには、普段から毎日30分はウォーキング程度の軽い運動を行なう、塩分の高いものを食べ過ぎない、食べ過ぎた時にはその後にリカバリーをするなどを心がけると良いと思います。そして年に一度は健康診断を受けて、自身の体の状態を定期的にチェックしておきましょう」。

