【福岡ラーメン物語 のぼせもん|91杯目 博多太陽一杯!! 】
「美味しくて楽しい豚骨ラーメンの新しいスタイルを確立させたいです」
ラーメン屋の息子に生まれて30年。ラーメンは生活の一部だった。色々な仕事を経験する中で、戻るべき場所はやはりラーメンだった。博多ラーメンの新たな潮流を作りたい。親父に負けない一杯を目指したい。

『博多クリーミー豚骨』 (800円) / 滑らかで深みのあるクリーミーな豚骨スープにはホタテの隠し味が。 細ストレート麺のザクっとした食感が心地良い。博多 ラーメンの新たなスタイルにチャレンジした意欲作

「豚骨スープをアイスクリームに出来ないかと試行錯誤して、ついに「豚骨アイス」と「豚骨ソルベ」が出来ました。 メニューに置いたところお客様にも好評なので、ラーメンの締めにぜひ一度味わってみてください」
博多太陽一杯!!
店主 土井元気 /Doi Genki
1994年福岡県福岡市生まれ。ラーメン店の息子として生まれ、高校卒業後は音楽の世界に浸り、様々な仕事に就いた後に実家のラーメン店へ入りラーメンの世界へ。 その後、知人のラーメン店で経験を重ねて、2024年に『博多太陽一杯!!』を創業する
言うまでもなく、博多ラーメンは全国にその名が知られるご当地ラーメンの一つ。地元の人たちはもちろん県外や海外から来た人たちも、博多に来たらラーメンを食べる。白濁した豚骨スープに細い麺。誰もがそのイメージを求めて博多でラーメンを食べるのだ。 「博多ラーメンはもちろん大好きなのですが、せっかく僕がやるのならこれまでの博多ラーメンのイメージを変えたい。新しい豚骨ラーメンの楽しみ方を提案したいと思って、この店を作りました」。

博多駅から歩いて8分。博多駅前の路地裏に出来た真新しい一軒のラーメン店。店名よりも大きく看板に掲げられた「博多クリーミー系『豚骨ラーメン』の文字。

博多太陽一杯!! 【所】福岡市博多区博多駅前4-7-6 【☎】080-3984-1255 【営】11:00~15:00/18:00~翌2:00 【休】日曜夜、不定 【席】22席 【P】 なし カード可/QRコード決済可
店主の土井元気さんは人気ラーメン店の息子として生まれ、ラーメンと共に育った。 「5歳の時から店の手伝いをしていました。手伝いと言っても替え玉やお冷を運ぶ程度ですが、常連さんに可愛がってもらっていましたね」。 高校卒業後は音楽に傾倒し、音楽漬けの日々を過ごした。その後、 営業職など様々な仕事も経験した。 「子供の頃からラーメンが生活の一部でしたから、やはり無視できないと言いますか、常にラーメンという存在は自分の中にありました。だからいつかはラーメン屋をやるのだろうなとは感じていましたね」。 その後、実家の店を手伝う形でラーメンの世界へ入った土井さん。しかしながらあくまでもそのラーメンは父の作り上げたラーメンであり、自分のラーメンではない。ラーメンで自分自身を表現したいのであれば、父の力を借りずに一人で勝負するしかない。土井さんは店を離れて知人のラーメン店を手伝う形で修業と経験を重ね、博多駅前に自分の城を構えた。

「博多ラーメンにも色々な表現があると思うのですが、 その中で 『博多クリーミー系』というジャンルを確立させたいんですよ。濃厚でありながらもしつこさのない豚骨ラーメンをこれからも磨いて極めていきたいですね」
店名には大切な一人息子の名前をつけた。 「自分の店は明るく活気のある店にしたいと思っていたので、息子の名前である『太陽』を店名にして、そこからイタリアをイメージしてカルボナーラやトマト味など、これまでの博多ラーメンにはなかった、新しいアプローチを考えました」。

ザクっとした食感がクセになる麺は人気ラーメン店 『博多新風』によるもの。 人気の「もちもち肉汁餃子」(300円~)は明太マヨチーズなどのバリエーションも驚くほど滑らかに仕上げられたクリーミーなスープはポタージュのよう
濃厚でありながらしつこさのない豚骨ラーメン。 クリーミーでポタージュのような口あたりのスープに、 パスタを想起させる食感のストレート麺。自分好みに味を変えられる楽しさ。豚骨ラーメンが好きな人も、 そうでない人も満足の出来る味わい。


『博多クリーミーカルボ』 (1000円) / 自慢のクリーミー豚骨スープにパルメザンチーズと卵を加え、仕上げに胡椒を効かせたカルボナーラ風豚骨ラーメン。 『味変替玉』 (各300円)/トマト、ジェノバ、カレーの3種類。 半替玉やソースだけも楽しめる
土井さんは『博多クリーミー系 豚骨ラーメン」を確立させて、これまでにない新たな博多ラーメンの表現の一つにしたいと考えている。 これまで多くの先達が創意工夫を重ね続けて、 博多ラーメンという食文化は受け継がれてきた。 土井さんは博多ラーメン と父の作るラーメンを土台としながらも自分のアイディアを加えて、今までにない博多ラーメンの文化を作っていきたいと考えている。 「今後は博多の中心地や東京、大阪などにも出したいですし、いつかは海外にも出店してみたいです。しかしまずはこのお店をしっかりと育てていって、地元博多の人たちに僕のラーメンを食べて頂きたいですね」。
——-
■取材を終えて
これからが楽しみな博多の若手ラーメン職人
元気君と初めて会ったのは博多ではなくて東京のテレビ局。 私が出ている番組の 生放送に博多から一人乗り込んで来て、熱くラーメンについて語っていた姿が強く印象に残っています。その時からいつかは自分で店をやりたいと話していましたが、ようやく夢が実現した形になります。 しかしながら、店を開くというのは夢のスタートに立っただけであり、自分のラーメンを多くの人に食べてもらうという夢が叶うのはこれから先のこと。お父様のお店は誰もが知る人気店ですが、創業してから四半世紀と いう長い歴史を重ねた結果、今があるのです。まずは日々一杯一杯のラーメンに向き合って、お父様のお店と同じく長くお客様に愛されるお店を作って欲しいですね。

ラーメン評論家
山路力也 / Rikiya Yamaji
テレビ・雑誌・ウェブなど様々な 媒体で情報発信するかたわら、 ラーメン店のプロデュースなど、 その活動は多岐にわたる。「福岡ラーメン通信」でも情報発信中
掲載の内容は取材時のものです。取材日と記事公開日は異なる場合があり、メニューや価格、営業時間、定休日など取材時と異なる場合がありますので、事前に公式HPやお問い合わせにてご確認をお願いします。
