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【ローカル企業とSDGs】企業として存続することが最大の社会的な使命と捉え、魅力ある商品を世に送り出す。
『株式会社 千鳥饅頭総本舗』

規格外食材から生まれた
ご当地チロリアンを開発

可愛らしい千鳥の焼印が印象的な『千鳥饅頭』をはじめ、ロールクッキーの中にクリームを詰めた『チロリアン』、南蛮菓子の原点『丸ボーロ』など、九州・福岡の方であればきっと誰もが一度は口にしたことがあるだろう、親しみ深いお菓子の数々。これらを世に送り出しているのが、“千鳥屋”の屋号で知られる『千鳥饅頭総本舗』。

チロリアンは1962年に販売開始し、60年超にわたって親しまれる千鳥屋の代表作。博多なまりの「ちろり(千鳥)」と饅頭の「餡」が合わさり、このネーミングになったそう

2011年に原田浩司氏が代表取締役に就任し、新商品のカスタード饅頭『ポルトス』や、有名アーティストやキャラクターとのコラボチロリアンといったヒット商品を誕生させた。その中でも、SDGsが叫ばれる前から原田代表が取り組んできたのが、規格外の果物を活用した商品の開発だ。

【株式会社 千鳥饅頭総本舗 代表取締役社長・原田浩司】
大学卒業後、日本菓子専門学校に入学。その後、オーストリア、ドイツで菓子修行を経て1998年に入社。2011年に代表へ就任してからは新商品やコラボ商品を次々と開発し、売り場面積もコロナ禍以前の3年前に比べて3倍に拡大させた。福岡や九州のみならず、関東や関西での販売イベントにも力を入れる

「“九州パラダイス”と銘打ったご当地チロリアンでは、博多のあまおうチロリアン、宮崎のマンゴーチロリアンなど、九州産の食材を用いたその土地ならではのチロリアンをお楽しみいただけます。実はこれらの商品に使っているのは、栽培や収穫の過程でキズがついたり、傷んだりして商品にならなかった農作物なんです。見た目が悪いだけで味や衛生面ではまったく問題がない食材を活用できないかとJAを通じて相談いただき、フリーズドライに加工して新しいチロリアンとして商品化しました」。

これからもご当地チロリアンを続々と開発したいと意気込む原田代表。自らも農作物の生産地に足を運んで生産者の話に耳を傾け、食材を吟味しているという。

子どもたちの成長や
地域のつながりを支援

18歳から75歳までを雇用する同社。最年長である75歳のベテラン社員・生島司朗さんは今なお現役でチロリアンの製造に関わる

真心を形に、お客様と社会の笑顔のために縁起を担ぐ鳥“千鳥”にあやかって縁起の良いお菓子を届けてくれる千鳥屋。それを実現するために掲げているのが、「売り手良し・買い手様良し・世間様良し」の三方良しの基本理念。

同社が支援する糸島市の『SOS子どもの村福岡』。自然豊かな敷地には5軒の家が建ち、18歳までの子どもたちがのびのびと暮らす

ここで言うところの「世間様良し」とは、社会貢献そのもの。特に社会的な活動に積極的だったのが、原田代表の父であり先代の故・原田光博会長。糸島市にある『SOS子どもの村福岡』の設立に尽力した。

『SOS子どもの村福岡』は日本初の子どもの村。里親養育を実践し、育親(いくおや)が各家庭で愛情たっぷりに子育てする

ここは親と離れた子どもたちが、一般の家庭と同じような環境で成長することができる家。光博氏が菓子職人の修行のためにオーストリアへ渡った際にチロル州にある「SOS子どもの村」を訪れ、子どもたちがのびのびと過ごす姿に感銘を受け、福岡に誘致するという大きな夢を持ったという。

活躍する社員の7割は女性。役員に占める女性の比率も52.2%と高い割合を誇る(2021年度)のもSDGsの取り組みの特徴

その他にも地域への感謝の気持ちを込めて、毎年、工場を構える新宮町のセントラル店にて『緑ヶ浜まつり』を開催。お菓子作り体験や餅つきといった楽しい催しが行なわれているという。

「お菓子に活用できる面白い素材がないか、常にアンテナを張っています」と笑顔で語る原田浩司代表。商品開発に対して常に貪欲な姿勢を見せる

「SDGsにつながるさまざまな取り組みを始めていますが、最も大切なことはわが社が企業として存続することです。今後も素材にこだわった美味しいお菓子、思わず手に取りたくなるユニークな商品を作り続け、福岡や九州だけでなく“日本の定番お菓子”と認知されるように努力したいと思います」。

株式会社 千鳥饅頭総本舗

福岡市博多区上川端町9-157
TEL 0120-192-193

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