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【福岡麺本2022 – vol.11】お客様、作り手にとっても 「総本店」は特別な存在『博多一幸舎 総本店』

『博多駅前3丁目 博多一幸舎総本店』

 

 

ラーメン史で燦然と輝く“泡”
原点の「総本店」で味わいたい

 

 

2004(平成16)年に「博多一幸舎」が産声を上げた時、まだ20代であった大将の吉村幸助さんはこう言った。「作っているのは博多、長浜、久留米ラーメンいずれでもない。どこにも属さない“俺流の豚骨ラーメン”で世界を獲る」と。それから18年が経った現在、国内19、海外49店舗を展開するまでに。名実ともに世界の一幸舎へと成長を遂げている。福岡から全国、世界へ。多国籍の人を虜にする「一幸舎」のラーメンの魅力。それは豚骨らしい“骨味”と“泡味”が際立っているからに他ならない。

 

 

ラーメン 780円 キメの細かい泡の上に、チャーシューなど具がふわりと浮かぶ、端正なビジュアル。店主の吉村さんは、豚骨スープだけでなく、“泡”の口当たり、旨味も長く追求してきた。濃厚ながら臭みはなく、飲み口はすっきり。細平打ち麺とスープの絡みもすばらしい

 

 

熟練の職人が大量の豚骨を強火でとことん炊き込み、空気を程よく含ませながら撹拌。熟成させる工程で浮き出る天然の脂泡(しほう)をふわりと立て、「泡=濃厚豚骨の証」という域まで昇華した。これは、1937(昭和12)年から続く豚骨ラーメン史全体で見ても、大きな革命であったことは間違いない。

 

福岡を代表する人気店だけに、この“元祖泡系ラーメン”を体感された方も多いだろうが、声を大にして伝えておこう。「総本店は特別である」。

他系列店とは、麺、チャーシュー、ラーメンダレ、そして盛り付ける器も違う。「一幸舎」の原点であり、味、雰囲気ともに、そのスピリッツがビシバシと伝わってくるラーメンファン垂涎の聖地なのだ。本店限定丼ぶりに張られた泡々スープ。美しい脂泡の上に、低温調理のチャーシュー、ネギなどの具が浮かぶ。見た目も惚れ惚れとする一杯。スープを飲むと、心地よいフレーバーと共に広がる、しっかりとした“豚感”そして“骨味”。キメの細かい泡自体にも旨味があるだけでなく、プチプチと口元で優しく弾け、飲み口、啜り心地をよりライトにしてくれていることも実感できるだろう。これぞ総本店プライド。圧巻のクオリティである。

 

重厚な鉄の羽釜で熟成させ、旨味を重ねていく。骨が焦げ付かないよう、またより細やかな泡を立てるため、鉄の棒で頻繁に混ぜ込んでいく

 

ホスピタリティあふれる接客で迎えてくれた吉村さんは、どんなに店舗展開しようと自ら厨房に立ち、客との対話を大事にする生粋の職人。「状況をみながらまた海外も訪れ、豚骨ラーメンの魅力を広めたい」。吉村さんは今日も系列店舗の麺場に立ち、渾身の“俺流豚骨”を作っている。

 

 

総本店だけの特別な麺  創業時に近付けた、幅広の細平打ちストレート麺を使用。「製麺屋慶史」とのタッグを組み、パツンとした歯切れ、啜り心地の良さを追求して生まれた。しなやかなコシの麺が、細かな泡をまといスルスルッと口に飛び込んでくる

 

 

店のしつらえも特別感のある「総本店」。

 

 

 博多一幸舎 総本店

[所]福岡市博多区博多駅前3-23-12 光和ビル1階
[☎]092-432-1190
[営]月~土11:00〜24:00(OS23:30)
日曜11:00~21:00(OS20:30)
※売り切れ次第終了
[休]なし
[HP]https://www.ikkousha.com/
[Instagram]@ikkousha_hakata

※掲載の内容は取材時のものです。取材日と記事公開日は異なる場合があり、メニューや価格、営業時間、定休日など取材時と異なる場合がありますので、事前に公式HPやお問い合わせにてご確認をお願いします。
※お出かけの際は、新型コロナウィルス感染拡大防止に十分ご留意ください。
※この記事は「福岡麺本2022Vol.11」より抜粋して記載しております。

 

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