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【悠久の時を見つめるオーナーが厳選】日本の、世界の本物が集る場所

参道から一本入った白いビルの外壁にすっきりと際立つ『ALBICOCCA』の文字。ここは、座親淑美さんのお父さまが整骨院・鍼灸医院・漢方薬局を営んでいた建物をリノベーションしたギャラリー&ショップだ。

「父の仕事は継がなかったのですが、屋号だった『杏華園』の『杏』をイタリア語にして残しました。昔をよく知っている方たちが今でもたくさんいらっしゃるんですよ」と、オーナーの座親淑美さん。

ファッション業界のバイヤー・ディレクターとして、半年先を考えながら世界中を飛び回る多忙な生活をしていたのだそう。地に足を着けたいと独立した後は、福岡市内でサロンを開業。ずっと天神付近の便利な場所で暮らしていたので、自然と触れ合う機会はあまりなかったことから、地元・太宰府に居を移した。

 

「この建物は’79年に建てられたのですが、昭和の建物は細部に凝っていて面白いです。このエリアは地中に埋蔵文化財が埋まっている可能性があるので、建て替える場合は、調査が必須なんです。聞くと4〜5年はかかるそうなので、うなぎの寝床のように奥に長い建物を活かして、4つのショップと作家さんが滞在できるゲストルームにしました」。

 

味のあるデザインは残しつつ、ステキに生まれ変わらせたセンスはさすが。そして並ぶ商品も、新旧取り混ぜながら感度を刺激してくれるものばかりで、そのパワーで人を引き寄せる。この土地の力と似たものが感じられる。

「太宰府という土地そのものに、守られているようなパワーを感じます。1500年以上も大きな地震もなく、平成17(’05)年の西方沖地震の際も、警固断層の上にあった職場では商品が全部落ちて被害が大きかったのに、太宰府の両親は『地震?』とケロッとしていました(笑)。古い神社があるところは自然災害が起こらないと言われている通りなのかもしれませんね。十代の頃には気づかなかった太宰府の良さを、ようやくわかるようになりました。今、街づくりに尽力されている方たちは、文化や背景を共有していらっしゃって頼りになります。新参者ですが、今後の展開が楽しみです」。

 

代々受け継いできた店に、三代目、四代目の人たちが新風を取り込んでいる姿をよくみかける。「”百年先を考えた街づくり“と言いますが、太宰府天満宮の目線は千年先を見ているのかもしれません。戦前から代々国立博物館の誘致をされてこられたと聞きますし、”歴史の一端を担っている“という意識のもとで今の時代を紡いでいらっしゃるように感じます。スケールが違いますよね」。

 

太宰府という土地と先人たちに敬意を表しながら、街と歩んでいこうとする座親さんの姿は美しい。

ALBICOCCA アルビコッカ

太宰府市宰府2-7-6
[☎]092-710-1255
[営]11:00〜18:00

[休]火〜木曜(予約営業あり)

[P]なし
カード/可

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