トップに
戻る

【ライブレポート】HKT48・宮脇咲良、ラストダンス。「たくさんの感動を、愛をありがとう」

6月19日、’11年にHKT48の1期生としてデビューし、長らくグループを牽引し続けた宮脇咲良の卒業コンサート『宮脇咲良 HKT48 卒業コンサート ~Bouquet~』がマリンメッセ福岡で開催された。’18年以降はIZ*ONEのメンバーとしてグローバルな人気を誇った彼女のアイドル人生のグランド・フィナーレは、コンサートのタイトルの「Bouquet」=「花束」が表す通り、メンバーの、ファンの、そして宮脇自身の心の花束が随所で感じられるものだった。

指原莉乃&兒玉遥も駆け付けた!
10年間を凝縮した全30曲。そして、次のステージへ

 その日駆け付けたファンの表情や場内の雰囲気は、「声を出せない」という特異な状況を抜きにしても、期待と興奮と寂しさが複雑に入り混じっていたように感じられた。もはや宮脇咲良はHKT48の中心メンバーであると同時に、世界的アイドルでもあるのだ。しかし、桜色の照明に照らされて「最高の一日にするぞ!」という彼女の掛け声と共にスタートした1曲目『桜、みんなで食べた』で見せたのは、グループの一員としてメンバーを堂々と引っ張る姿。それは「今、目の前にいるのは“HKT48の宮脇咲良”なんだ」と多くの観客に思わせるものだった。2曲目『君のことが好きやけん』では“なこみく”コンビの矢吹奈子と田中美久が別れを惜しむように宮脇をステージ上で挟み、『希望的リフレイン』では、今後グループの支柱としての活躍に期待がかかる運上弘菜の隣でパフォーマンス。そして最初のMCでは、いまだに会場入りする際に警備員に止められるという同期の村重杏奈が「宮脇咲良の親友ですよ!?」とアピールするというエピソードで笑いを誘うなど、熱を帯びたオープニングとなった。

 その後は一転、シリアスでクールな『マンモス』、ハツラツとした『僕の想いがいつか虹になるまで』などを披露。そして韓国で活動を共にした矢吹とのデュエット曲『夢を見ている間』では、「本当に大切な妹の一人」と伝える宮脇に対し、矢吹が「本当の姉妹のようになれて嬉しい」と涙する場面も。

後輩メンバーたちとの『制服のバンビ』や挑発的なダンスナンバー『胡桃とダイアローグ』を経て、松岡菜摘&本村碧唯との1期生トリオで魅せた『ジワるDAYS』では、2人からの惜別のメッセージが大型ビジョンに映し出され、3人の強い絆を感じさせた。

そして前半のハイライトとなったのは、卒業式ソングの定番にもなりつつある乃木坂46の『サヨナラの意味』カバーだ。1・2期生たちが次々と「HKT48にたくさんのことを残してくれてありがとう」と涙のメッセージを宮脇に贈っていき、アイコンタクトが各メンバーと交わされた。村重の「どうしよう、寂しい…。おばあちゃんになっても仲良しでいよう」という言葉の後に美しい抱擁でフィニッシュした『思い出のほとんど』、1期生7人が円になり、手を重ね合った『夕陽を見ているか?』と続き、宮脇のソロではミニ丈のドレスで正統派アイドルソングの『彼女』と『夢でKiss me!』を堂々と歌い上げた。ユニットパートが終わるといよいよ終盤に突入。デビューシングル『スキ!スキ!スキップ』や『メロンジュース』などエネルギッシュな楽曲が続き、『大人列車』ではざわめきと共に宮脇の盟友・兒玉遥が、『12秒』では「みんなでさくちゃんをお祝いしましょう!」と指原莉乃がサプライズ登場。グループの歴史を築いた卒業生の登場に会場はこの日一番の盛り上がりを見せ、宮脇は兒玉に「同じ一期生として特別な存在」、指原には「さっしーの卒コンに私と奈子、はるっぴ(兒玉)は立てなかったから今日は本当に嬉しい」と感動の表情を見せた。そして最後の曲は『最高かよ』。兒玉と指原を加えた全員で熱唱し、客席が最高潮に達したところで本編を終えたのだった。

 大きな拍手を受けて、アンコールではドレス姿の宮脇がひとりで登場。声を詰まらせながら『あなたがいてくれたから』を歌い上げ、ソロでMCへ。印象的だったのは、メンバーやファンへはもちろん、マネージャー、運営スタッフ、コンサートスタッフ、衣装、メイクといった裏方の人々にも丁寧に時間をかけて「私をアイドルにしてくれてありがとう」と感謝を述べていたことだ。彼女の人柄が伝わるひと幕を経て、「新しいHKT48を作れると信じています。卒業するけど、仲間であることは変わりません。誰かの小さな元気の源であれば嬉しいです」と、これからグループを支えていく後輩たちへエールを贈った。秋元康書き下ろしの卒業ソング『思い出にするにはまだ早すぎる』や、宮脇がAKB48で初めて単独センターを飾った『君はメロディー』では、ローテーションで次々とメンバーと顔を合わせながら笑顔を交わしていく。

クライマックスには兒玉と指原が再登場し、指原は「ずっとずっと一生応援してます。いつか咲良のほうが稼いでお寿司おごるって信じてるから(笑)」と言葉を贈った。最後はオープニングナンバーの『桜、みんなで食べた』を再び披露。桜の花びらの紙吹雪が大量に舞い、宮脇が「10年間、たくさんの感動をありがとうございました!」と笑顔で伝え、2時間50分に渡る最後のステージは幕を閉じた。

 

【セットリスト】

  1. 桜、みんなで食べた
  2. 君のことが好きやけん
  3. 初恋バタフライ
  4. 早送りカレンダー
  5. 希望的リフレイン
  6. マンモス
  7. 夏の前
  8. 空耳ロック
  9. 僕の想いがいつか虹になるまで
  10. 夢を見ている間
  11. 制服のバンビ
  12. 胡桃とダイアローグ
  13. LOVE TRIP
  14. ジワるDAYS
  15. サヨナラの意味
  16. 思い出のほとんど
  17. 夕陽を見ているか?
  18. 彼女
  19. 夢でKiss me!
  20. スキ!スキ!スキップ!
  21. しぇからしか!
  22. ウインクは3回
  23. メロンジュース
  24. 大人列車
  25. 12秒
  26. 最高かよ

<アンコール>

  1. あなたがいてくれたから
  2. 思い出にするにはまだ早すぎる
  3. 君はメロディー
  4. 桜、みんなで食べた

※こちらの記事はシティ情報Fukuoka8月号(7/28号)にも掲載しています

法人様・自治体様向け情報サイトはこちら