むにゃむ物語 第五章 ~大切な・・・じ・か・ん~
アプライドが50回のお誕生日を迎えた事・・・コレが50周年って言う事。
そしてハウズには、アプライドグループという仲間がいる事を知ったむにゃむ・・・
全部が楽しくって、嬉しい事なんだ・・・ふ~ん・・・むにゃ・・・。
すごーーーく気になって、気になって・・・むにゃむは、アプライドのお店を訪ねてみることにしました。
「アプライドって、どんなところなんだろう?むにゃ・むにゃ・・・」
お店に着くとハウズとは違う・・・そりゃー、もうピカピカ!キラキラ!とーーーっても不思議な空間。
アプライドってパソコンやスマホ、いろんなデジタル機器を扱っている、大きな、ひろーーいお店です。
「わぁ・・・!キラキラ光ってる、くるくる動いてる・・・むにゃーーー!」
見るもの、見るもの知らないものばかりで、むにゃむの目はまーーーん丸!
棚の上には見たこともないキラキラ機械がずらり。
その中で、いろんな絵や文字がドンドン動いています。
きょろきょろしていると、小さな声が・・・
『こんにちは。君、はじめて見る子だね。』
なんとそこにいたのは四角い画面に、ニッコリ笑顔のちいさな可愛いロボット君。
『ぼく、AI(えーあい)君!このお店の強ーーーい味方、みーんなのお手伝いをしてるんだ、ピコン!』
「僕は・・・僕は・・・むにゃむ!」
『うん!そういえば・・・ハウズの、むにゃむ君だよね。』
むにゃむとAI君は、あっという間に仲良しになりました。
AI君はなんでも知っていて、お店中を案内してくれます。
むにゃむが知らないことを沢山教えてくれます。
むにゃむが「これなあに?」って聞くと、『ウィーーーン!それはね・・・』と、なんでも優しく答えてくれます。
「AI君って、すごーーーく物知りなんだ。びっくりしちゃう・・・むにゃむにゃ!」
『ぼく、たくさんのことを覚えてるから、教える事って得意なんだよ。ピコン!』
そうなんだ・・・AI君は何でも知っている・・・。
物知りのAI君に、むにゃむは、聞いてみたい事が・・・胸の中にモクモクと湧いてきた・・・それは・・・?
「えーっと・・・えーっと・・・」むにゃむの胸はドキドキ!
「ねぇーAI君・・・僕が・・・僕が・・・むにゃむが生まれた日のこと知ってる?」
『・・・それは、ちょっと・・・。』AI君の元気な声が、少しだけ小さくなりました。
『ウィーーーン!ウィーーーン・・・』
AI君がちょっと震えているようです。
『ウィーーーン!むにゃむには・・・まだ早いかな・・・。』
AI君は、むにゃむのことが大好きで、大切に思っています。
「どうして教えてくれないの?」
むにゃむはどうしても、どうしても知りたくてたまりません。
「教えて、教えてAI君!むにゃむは、いつ生まれたの?どうして生まれたの?むにゃむ・・・も知りたいの・・・むにゃ、むにゃ・・・。」
「言ってくれないなら・・・僕たち、もうお友達じゃなくなっちゃうよ・・・」その言葉に、AI君はドキッ!
『じゃ・・・お話するね・・・。』
『むにゃむって・・・むにゃむって・・・本当はパソコンから、生まれたんだよ。』
「えっ・・・!」むにゃむは、ビックリ!頭の中が真っ白になって、何と言ったらいいのか・・・。
AI君の話は続きます。
『安心院の雪の中から生まれたことも・・・おかあさんや子どもたちとの毎日も、ぜーーーんぶ本当だよ。でも・・・でも・・・ネ!むにゃむを最初にこの世界に産み出したのは、一台のパソコンだったんだよ。』
「そんな・・・そんな・・・むにゃ・・・むにゃ・・・むーーー!」むにゃむは、その場にぺたん!お目目には一粒の涙。大好きだった思い出が、急に遠く・・・むにゃむの心は、なんだかグシャグシャ。
でも泣いてばかりはいられません。むにゃむは、おかあさんとおとうさん、そして子どもたちを探す事にしました。
「AI君、助けてよ。なんでも知っているんだろう?・・・むにゃむの家族を一緒に探して・・・。」『もちろん!ウィーン・・・ウィーン・・・。』
AI君は、自分にできることを、一生懸命、ほんとうに一生懸命やってくれます。
安心院町の記録を調べたり、ハウズの古い写真を探したり、アプライドの仲間たちにも尋ねてくれました。
むにゃむの願いを知った、周りのみんなも一生懸命・・・けれど、どんなに探しても、むにゃむの家族には、たどり着けません。
『ごめんね、本当にごめんね。大好きなむにゃむの力になれなくて・・・。』
「ううん、AI君・・・ぼくの為に・・・むにゃむのために、こんなに一生懸命になってくれて・・・嬉しかった!ありがとう!ありがとう!・・・むにゃ・・・むにゃ・・・」
二人は一緒に長ーーーい時間、一生懸命考え続けました・・・。
探し疲れたある日、ハウズのベンチでぼーーんやりしていたむにゃむに、AI君が、小さな声で言いました。
『ねえ、ねえ!むにゃむ・・・安心院町で過ごした日々のこと、ぼくに教えてくれる?』
「うん・・・」むにゃむは、ぽつり、ぽつりと話し始めました。
雪の中で見つけてもらった日のこと・・・
おかあさんに名前をつけてもらった日のこと・・・
子どもたちと転げまわって遊んだこと・・・
あじむめしの、あたたかい匂い・・・
ハウズで出会った、たくさんの仲間やお客様のこと・・・
話しているうちに、むにゃむの目にまた、涙がにじんできました。でも、でも、それは悲しいだけの涙ではありません。
「あれあれ・・・? むにゃ・・・むー?」
『どうしたの?・・・むにゃむ・・・?』
「今、話しているとねー!? おかあさんもおとうさんも・・・それにネ・・・おじいちゃんやおばあちゃんまで・・・みーんな、むにゃむのそばにいてくれる・・・そんなフォンワカ!暖かーーーい気分になったの!」
それは、きっと本当だよ!むにゃむ。楽しかった時間は、消えたりしない。何度でも、そこに帰っていけるんだ。ピコン!』
AI君がにっこりと笑いました。
「むにゃ・・・むにゃ・むにゃ・・・むー!」
その時から、むにゃむは、少しずつ、少しずつ、もとの笑顔を取り戻していきました。
「誰かと過ごした大切な時間って、大切なんだ!
こんな時間を・・・みんなが大事にできたら・・・暖かーーーい気持ちになれる。
そうしたら住んでいる世界は、もっと優しくなって、幸せになっていくのかもしれない・・・むにゃむにゃ。」
むにゃむとAI君は、同時にそう考えました。
「むにゃ・むにゃ・・・これからも色んな事を教えてね!AI君・・・」
『ピコン!ピコン!もちろんだよ・・・、むにゃむ。ぼくたち、ずっと友達でいよう!』
安心院のそよ風も、ハウズの楽しい笑い声も、アプライドのやさしい光も。
むにゃむの心の中で今日も、ちゃんとつながっています。
むにゃむの物語は、まだまだ続きます。
番外編