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これからの博多の文化を世界に広げる博多の“匠対談” 博多ラーメン職人 × 博多駅駅長

〔第六回〕博多ラーメン職人×博多駅駅長

博多一幸舎 店主
吉村 幸助さん

福岡市生まれの43歳。2004年に、博多一幸舎を創業。趣味は「味の研究」という根っからの職人気質。昔懐かしいラーメンをコンセプトにしたプロデュース店「幸ちゃんラーメン」が3月にオープンしたばかり。

九州旅客鉄道株式会社 博多駅長
中野 幹子さん

北九州市生まれの52歳。九州旅客鉄道株式会社所属。2016年から3年間、JR九州ホテルズ株式会社の代表取締役社長を務め、2019年4月より現職。ダブルのスーツにゴールドのライン、帽子の赤ラインは駅長のトレードマーク。

愛され続けるために 進化し続ける

吉村
中野さんはJR九州の博多駅の駅長として、初の女性駅長だそうですね。すごい快挙ですね!

中野
ありがとうございます。昨年4月に着任し、現在2年目です。昨年は、JR西日本の博多駅の駅長も女性という貴重な期間が2カ月間だけあったんですよ。最近は、女性の駅長も増えていますね。

吉村
中野さんにとって、博多駅とはどんな場所ですか。

中野
福岡の玄関口であると同時に、九州、アジアの玄関口としての役割も担っていると思います。実際に、ラグビーW杯の開催期間中(2019年9月~11月)は、大変多くの方が世界中からお見えになり、各地の試合会場へと出かけられました。玄関口ということは、その土地の第一印象が決まる場所です。「おもてなし」はもちろん、博多は山笠やどんたくなどの伝統文化を受け継ぎつつ、新しいものを吸収していく柔軟性がある都市ですので、そういう博多ならではのカラーを駅でもきちんと出したいと思って働いています。

吉村
私は駅構内に出店していますが、実は対外的なことをあまり意識せずに店づくりをしているんです。博多駅周辺に住んでいる方、働いている方に、どうすれば喜んでいただけるかを、一番に考えています。一幸舎は海外にも出店していますが、それぞれの場所で、地元の方に愛されることを追究してきました。そのポリシーは創業当時から変わらないですね。ところで、中野さんはラーメンがお好きですか。

中野
大好きですね。(北九州市の)黒崎出身なので、「唐そば」によく行っていました。

吉村
あそこは名店ですよ。

中野
唐そばのラーメンには、きくらげが入っていたので、私にとってラーメンにきくらげは定番の具材なんです。一幸舎さんもきくらげが入っていますよね。

吉村
食べていただいたんですね。嬉しいです!

笑顔が絶えないパワフルな中野駅長(左)に、初対面となった吉村さん(右)は「楽しそうに働かれているのが伝わります。素敵ですね」とすっかり魅了された。

中野
幼少期から、父とよくラーメン屋さんに行っていました。幼児期はピンクのプラスチックの茶碗に取り分けてもらっていましたが、いつの日か自分だけの一杯を注文してもらったときに、大人になったなと思いましたね。

吉村
その瞬間の気持ちは私もわかります。私は小学高学年でした。

中野
吉村さんは、独自に工夫を凝らして、オリジナルの味をつくられてきたとお聞きしました。やはり時代ごとに味のトレンド、というのがあるんですか。

吉村
ありますね。中野さんが幼稚園の時に食べていた味を今再現しても、美味しいとは思わないと思います。時代によって味覚も変わりますから、実は旬の味というのがあるんです。我々の仕事は、“美味しいもの”をつくるんじゃなくて、“美味しいと言われ続けるもの”をつくることなので、日々研究ですし、創業から16年ずっとマイナーチェンジを加えているんですよ。

中野
そうなんですか!奥深いですね。

吉村
中野さんも、実は同じことをされているんじゃないでしょうか。いいサービスをするんじゃなくて、いいサービスだねと言われ続けるものを提供するために、日々努力されているとお察しします。

中野
確かにそうですね。私たちも130年の歴史がある中で、成長と進化を続けてきました。ご利用いただくスピードも利便性も変わっていますし、以前は「観光列車」と言っていたものが、今は、「D&S列車」という呼称に変わっています。車窓の眺めだけでなく、地域ごとの風土・物語まで楽しんでいただく特別な「デザイン(Design)」と「ストーリー(Story)」を追求した列車という意味です。

吉村
今は、ただの移動手段ではなく、乗っている過程も楽しめる時代になりましたよね。トンネル内でもネットが繋がったり、予約システムも便利になったり、企業努力と進化を感じます。

中野
鉄道は日常で使われる方もいれば、旅行でテンションが上がっている時、心配事などで心が沈んでいる時に使われる方もいらっしゃいます。それぞれの人生の大切な一コマ一コマに、どうワクワクする気分やホッとする時間を提供できるかを考え、駅長になって【世界一 優しくて 元気な駅】をスローガンに掲げました。それぞれの社員が優しさとは何かを考えて、行動に移せたらもっと素敵な駅になると思っています。