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Fuku Spo – アビスパ福岡 /亀川 諒史

亀川 諒史(Kamekawa Masashi)
ディフェンダー・背番号 18

試合で一番走って、観ている人を熱くさせる

今今季も新加入選手が入ってきましたが、その中にはJ1でさまざまな経験をしてきた選手が多いので、確実にチーム力はアップしていると思います。井原正巳監督になって今季で3年目ですが、これまでで一番ボールを持てる(パスをつないで攻撃をできる)チームになっていると率直に感じます。

僕は今季から副キャプテンになりましたが、それはあまり意識しすぎずにプレーしています。サポーターのみなさんに観ていただくのは公式戦の90分間なので、その中で戦っている姿や走り続けるところを見ていただきたいですね。試合のピッチに立っている選手の中で一番走ることが自分の良さだと思いますし、そこで目立たないと僕が試合に出る意味がないと思っています。僕は高い技術は見せられないですけど、最後まで諦めずに走って戦うことで、観ている人たちを熱くさせることはできると信じています。そうしたプレーを絶対に観せたいし、観てほしいと思います。

 

井原監督に自身の経験から いろんなことを教えてもらった

僕にとって転機になったのは、高校3年時に経験した湘南ベルマーレへの練習参加ですね。僕は高校3年時に大学に進学したらサッカーを辞めるつもりだったんです。そんな時、チームメートが湘南に練習参加することになったのですが、高校の監督が僕も一緒に参加できるようにしてくれました。僕はプロになれるなんて少しも思っていなかったので、「いい経験ができるな」「プロを相手にどれくらいできるか試したい」くらいの気持ちで参加していました。だから、オファーをいただいた時は本当に驚きましたね。実は2回目の練習参加時に浦和レッズとの練習試合に先発したんです。でも、前半40分くらいに熱中症で倒れてしまったので、オファーが来るなんて1%も思っていませんでした。僕自身は、どこが良かったのかわからないんですけど、当時湘南の監督だった反町(康治)さんには評価してもらったみたいです。

僕はアビスパに来る前に湘南で3年間プレーしました。1年目はケガでサッカーをできず、2年目にJ1で20試合に出て、3年目は18試合にしか出られずにくすぶっていたところでアビスパに声をかけてもらいました。アビスパに来て1年目からシーズンを通して試合に出るようになり、チームに対する思いや責任が増しました。井原監督と出会い、試合に出続けたことが昨年、アビスパから初の五輪代表になれたと思います。湘南の頃は途中交代や途中出場が多く、若かったこともあって、ある程度のプレーをすればそれでOKみたいな感じでした。でも、アビスパではフル出場することが多く、若いことに甘えたり、言い訳にしたりしてはいけないと思いました。僕の年代は海外で見たら、試合にバリバリ出て代表にも絡んでいるので、もっとそれを自覚しないといけません。

そういう意味では、アビスパに移籍して福岡に来たことも転機だと言えます。井原監督や強化部長の(鈴木)健仁さんとの出会いで僕のサッカー人生は間違いなく変わりましたから。移籍する際、健仁さんには一番に声をかけていただきましたし。昨年までは五輪代表を掛け持ちしながらでしたが、常に井原監督から自身の国際経験などから注意することなどを教えてもらいましたし、五輪を見据えた話もよくしてもらいました。それに、僕を信頼して試合にずっと使ってもらったことも大きかったです。プロになるまで世代別代表に選ばれた経験のない僕が五輪代表になれたのは試合に出続けたお陰です。そういう意味でも、アビスパに来て、井原監督に出会えたのは僕にとって大きなことでした。プロになってJ1昇格とJ2降格を繰り返して来ましたが、その中でもアビスパの1年目で試合に多く出場してJ1に昇格できた喜びは、湘南で昇格した時の喜びより正直大きかったです。そうした中でアビスパでクラブ初の五輪代表選手になれたことも僕にとっては本当に嬉しいことでした。ただ、チームとして昨季はJ1残留という目標を達成できなかったことは、試合に出続けていた選手として申し訳ないと思いましたし責任を感じました。

 

僕らにパワーを送ってもらい 勝利で恩返しをしたい

昨年は戦いの舞台がJ1だったので、相手チームには有名選手もいて、一昨年のJ2の時よりお客さんが増えました。今季はJ2が舞台になりますが、僕たちはひとつでも多くの勝ち試合をサポーターのみなさんにお見せできるようにがんばります。J1昇格というチームとしての目標を達成するためには、多くの勝利をみなさんに見せることが必要です。そんな試合を一人でも多くのサポーターのみなさんに見ていただきたいですし、僕らにパワーを送ってもらいたいと思います。できれば、一人でも多くの人を誘ってレベルファイブスタジアムに足を運んでください。それが、僕たちアビスパのパワーになりますし、そのパワーを得て勝利することで、みなさんに恩返ししたいと思います。そして42試合が終わったときに、優勝でJ1昇格という喜びをサポーターのみなさんと分かち合いたいと思います。1年間、辛抱強く応援してください。よろしくお願いします。

※シティ情報Fukuoka 2017年4月号本誌掲載

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