【麺本2024】Ramen Talk ファン垂涎のスペシャル座談会


上村「進行役を務める、ラーメンライターの上村です。今日は『長浜ナンバーワン』店主・種村さんの熱望で、今をときめく福岡ラーメン界インフルエンサーの3人を交えての座談会。まずは種村さん、なぜにお三方へラブコールを?」
種村「ラーメン業界は昔より風通しがだいぶよくなってきたよね。コロナ禍は特にそうだったけど、それぞれがライバル関係でもある店主たちからも“皆で結束してこの苦境を乗り越えようぜ!”という気概を強く感じた。そして、食べる側もSNSで気軽に発信できる時代になって、いろいろな個性が出てきた。ラーメン業界の集まりに顔を出すと、作り手、食べ手とも、熱があって本当におもしろいやつばかりで、僕自身も刺激をビシバシ受けるんよ。だから、『長浜ナンバーワン』のことを改めて一人語りするより、“福岡ラーメンの今”をユーチューバーやインスタグラマーの目線から話してもらう方がおもしろいと思って。だって『ナンバーワン』のことは皆すでによく知ってるでしょ。今日は忖度なしにラーメン愛を大いに語って欲しいね(笑)」
上村「福岡ラーメン業界の飲みの席では、だいたい種村さんが締めの挨拶と博多手一本をまかされていますよね。『自分たちだけの事を考えていてもつまらん。博多のラーメン文化を底上げして皆で弾けよう』的な大演説には、いつも感動します。それはそうと、確かに福岡ラーメンの近況とこれからを話す上では今日はベストメンバーかも。カツムラさんは30代、僕は40代、ガーソーさんは50代、そしてラーメン女ちゃんは若い女子代表。いろんな意見があるかと思います。そういえば、ラーメン女ちゃんはぶっちゃけいくつなんだっけ?」
ラーメン女「それは秘密。ご想像におまかせしまーす♡」
一同「か、かわいい(笑)」
上村「せっかくの機会なので、まず聞きたいのは『作り手と食べ手のいい関係とは』、SNSやユーチューブで店の良さを伝える時にどのようなことに気をつけているかということ。例えば、客として写真、動画撮ったりする時ってスタッフにお声がけとかしています? これから麺活していきたい人も参考になると思うんです」
ガーソー「僕はあくまで主役のラーメンにフォーカス。厨房やスタッフ、特にお客さんは映らないようにしています。卓上に運ばれてきたラーメンを撮影する時にお声がけするかは店のコンセプトや状況によりますが、店主と関係性ができて、許可をいただけたらバックヤードまで撮らせていただいていますね」
カツムラ「普段、出てきたラーメンの写真を撮る時は、声をかけると作業を一瞬止めてしまうことになり申し訳ないという思いがあるので、あえて何も言わずさっと撮影して食べますね。もちろん店の応援になることだけをアップしようと思ってるので、どのようなラーメンで具体的にどんな味するのか、自分が感じた“感動”をどのように表現しようかといつも考えています」
上村「皆さん愛のあるポストをしていますもんね。ラーメン女ちゃんは?」
ラーメン女「私はとにかく“おいしそうに食べる”を心がけています。卓上にカメラを立てて1人で撮影していると、最近ではありがたいことに店主さんの方から声をかけてもらったりして、こっちも撮っていいよ、と案内していただけるんです。そして、隣り合うお客様とも話が盛り上がったり。こういう現場でのコミュニケーション、アップしたSNS上でのやり取りもそうですが、ラーメンって皆と仲良くなれる、笑顔にする最強ツールだと改めて実感しますね」
種村「ラーメン女ちゃんは本当においしそうに食べるんよ。以前、ウチの投稿もしてくれたんだけど一気にファンになったね」
ラーメン女「それと麺、スープ、具材と、ラーメンのスペックが分かりやすいよう、丼の中がよく見えるカメラ角度に気をつけていますね」
カツムラ「僕もそうです。ラーメンの“顔”を重要視して、自分の影が映り込まないようさまざまなアングルで撮影していますね」
上村「入店するとまず、どこに注目しています? ラーメン好きとしての“萌え”ポイントは?」
カツムラ「僕は職人の流れるような所作、使い込まれた道具を観察するのが好きですね。特に平網を扱う職人を見ると“おっ!”となります」
ラーメン女「清潔感ってもちろん大事。イニシエ系の店って、建物は古くても、隅々まで掃除が行き届いていて、厨房もしっかりと整頓されていることが多いんです。だからこそ長く愛される。ラーメン作りの丁寧さって、そういうところに出ますもんね」
上村「確かに。僕はチャーシューを注文後に都度スライスしているところをみるとこだわりを感じます。ガーソーさんは最近どんな麺活を?」
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ガーソー「僕がやっているのは、いわゆる“おっさんの一人啜り”。ラーメン女ちゃんみたいな美女が食べる様子は絵になるけど、僕のようなおっさんが食べているところを誰が見たいねん!? と、自分でも思っていたんですが、好きだからやり続けていたら意外に需要あるんです。なんとなく見てしまう的な(笑)」
上村「拝見していてそれすごく分かります。孤独のグルメみたいなシュールな感じというか。ガーソーさんって普段からめちゃくちゃ食べますよね。前にお互い客としてあるラーメン店で偶然お会いしたんですけど、先に食べていたガーソーさんがお会計する時に『えっ!?』ってなる金額を払ってた。店にあるほとんどのメニューを奥さまと2人で完食していたんです。まさに爆食夫婦(笑)。それと、ガーソーさんのラーメンの解説は的確かつ軽快で、いつも舌を巻きますね」
ガーソー「ありがとうございます」上村「皆それぞれ矜持みたいなものがあるんですね。僕が駆け出しの時代は、ラーメンの写真を撮っていると店主から『何に使うん?』とか言われたりすることもあったので、今でも特にカウンターに座るとできるだけお声がけします。種村さんみたいな頑固そうな職人にはびびりあがっていたなー(笑)」
種村「時代だよね。ウチも黙って撮影しているお客さんも多いけど、全く気にならなくなったね。皆がハッピーになる投稿をしてくれればそれで良いかな」
上村「福岡ラーメンの昨今のトレンドは皆さんどう感じています?」カツムラ「コロナが明けてさらに、オープンラッシュに沸いていますよね。ジャンルもより多彩になり選べる幅もグンと広がってきました。つけ麺や油そば人気が再燃しているのにも注目。僕自身は先日開催した『高砂家』×『でんじゃま』など、名店同士のコラボ企画、限定麺のプロデュースに力を入れてるんですが垣根を超えたイベントも活性化していくといいなと思っていますね」
ラーメン女「非豚骨って女子にはもちろん嬉しいですが、私のまわりの女の子たちは断然、ガツンとした豚骨派が多い印象ですね」
上村「確かに。これだけ非豚骨が台頭してきて“豚骨大丈夫か?”みたいな風潮もあったけど、全然問題なしですよね。むしろ希少価値が上がってきて『なんだかんだいって豚骨っしょ!』となると思っています」
ガーソー「僕も歳を重ねてきて『ナンバーワン』のラーメンがより好きになってきました。忖度ではなく、改めて食べて本当にうまい、体に合うと思ったんです。何周かまわって戻ってきたという感じかな。かつてナンバーワンで、あまりのうまさに替え玉8玉したこともありますよ」
種村「替え玉たくさんするやつは、5玉あたりからさりげなくスープも入れてあげると(笑)」
カツムラ「優しさっすね。僕にとって『ナンバーワン』は“じんわりと3、4口目からうまみが押し寄せる”イメージ。大好きですね」
上村「かつての屋台のあの雰囲気、行列を体感していると、この一杯がどれだけ特別か分かりますよね」
ラーメン女「私も家族と共に訪れた長浜屋台の思い出があります」種村「ウチには年間300日以上、また3世代に渡る常連さんもいらっしゃる。たまに、屋台の時と味が変わったとか声もいただくんだけど、食の多様化が進み、皆の舌も肥えてきた中で、よりおいしく変えるのは当たり前なんよ。僕自身は“正統進化”と表現しとる」ガーソー「正統進化っていい言葉ですね。長浜だけど濃厚。まじで今の僕にベストマッチしています」
上村「ラーメン1000円の壁問題について皆のご意見は?」
ガーソー「大好きな店が続いて欲しいから、豚骨も1000円を超えるのが適性価格だと思いますよ」
ラーメン女「私も賛成派。皆さんの苦労を間近に見ていますから」
上村「豚骨ラーメンは文化的存在で、『安いにこしたことない』も根強く、他ラーメンより上げにくいのは事実。種村さんどう思います?」
種村「食材や光熱費の高騰、時代の流れと共に値段が上がっていくのはしょうがないよね。ウチは特に“安い”イメージの強い長浜ラーメンだから、商売としての見極めをしながら、できるだけこのコスパを守っていきたいけどね」
上村「豚骨は芳醇なフレーバー面で出店できない場所もより増えてきたし、いろんな意味で引き合いに出されますよね。難しい問題です」
カツムラ「コストだけでなく、職人の熱意が溶け込んだ豚骨スープは丁寧にいただきたくなります」
上村「最後に皆さんのこれからの動向について教えてください」
カツムラ「これまで通りユーチューバーとしてラーメンファンに刺さる発信をしていくこと。そして『この2人のラーメン職人の化学反応が見たい』というコラボ麺企画をどんどん提案したいですね」
ガーソー「僕は“おっさんの一人啜り”に磨きをかけます(笑)」
ラーメン女「種村さんから聞いたんですが、かつてのナンバーワンの屋台って意欲のある若手に貸出しも行なっているそうなんです。私もラーメン出してみようかな」
上村「それはいいね。文化遺産級の屋台でラーメン女ちゃんが麺上げしている様子とか、絶対バズるよ」
種村「協力は惜しまんばい。今日はみんなありがとね!」


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