【美味本2025】新しいステージでも手腕を発揮! 少量多皿のファインダイニング|
Noce(ノーチェ) 中央区平尾

少量多皿のファインダイニング

驚きの皿が次々と初体験に心躍る時間
鹿児島の名店が福岡に完全移転! と食通の間で話題になった平尾の『Noce』。シェフ・山口将大氏はミシュラン2つ星の名店『プリズマ』(東京)の前身である『ペルゴラ』で修行、鹿児島市の繁華街・天文館で14年愛されてきたと聞けば、期待は高まるばかり。ホールサービスはマダム・里美さんが担当、厨房は娘のくるみさんがサポートする家族経営だ。福岡や九州の食材を駆使したおまかせコースで、ため息が出るほど美しい皿の上の芸術が次々と運ばれてくる。味にも食べ方にも鮮烈な驚きがあり、その技術とセンスの凄さにテーブル上の会話も華やぐ。
前菜2皿、カルパッチョも2種類、パスタも2皿(人気のトリュフパスタの時は増量して1皿)など、旬の素材を一番美味しく食べてほしい気持ちが、皿数に現れている。また、『真鯛のカルパッチョ』に使用するコブミカン(タイ料理によく使われるバイマックル)やハーブを自分たちで育てるなど、手間暇を惜しまない。一皿のための膨大な時間に思いを馳せると、なんだか一口で食べるのが申し訳ない気持ちだが、『イカのカルパッチョ』は、手で口に運び、スダチを絞る「口中調味」。一口で食べてこその美味しさがある。その時々でイカの種類を変え、スダチのしぼりたての鮮烈な果汁がイカの甘みと好相性の逸品だ。前菜やシーザーサラダを「手づかみでどうぞ」というオリジナリティにリストランテのマナーやルールは忘れ、食を純粋に楽しむ空気感に包まれる。「指まで美味しくなって、『チーズがついてるよ』という会話で和んでほしいです」と里美さん。遊び心に緊張もほどけて雰囲気が和らいでいくのがわかる。そんな初体験の楽しさがリピーターを惹きつけてきたのだろう。ジャンルにこだわることはやめようと、以前の店名についていたリストランテは取ったそう。ちなみに店名はイタリア語で娘さんの名前の「くるみ」だ。

「新たなステージを求めて福岡へ移転を決めた時はお客さまから怒られました」と里美さん。それでも鹿児島時代の顧客が入れ替わり訪れている。20皿近くの「少量多皿」コースを家族総出で全力でもてなしてくれる温かな空気感と、新しい味が、福岡人の心もつかんでいる。「福岡の人は皆さん優しいですね。同業の方も食べに来てくれますし、『あの人に教えてあげよう』と、お知り合いにお勧めしてくれるんです。ありがたいです」。
なりました。回転寿司しか知らないお子さんが目をキラキラさせて見てくれます」。

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