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LIFE STYLE in FUKUOKA・「柏木工」前田絵美さんの暮らし

たくさんの本と音楽と愛猫たち。
愛すべきものたちに囲まれた穏やかな住まい方。

飯塚市在住・『柏木工』ショールームスタッフ・前田絵美さんの住まい

「自分たちにとってずっと大事にしたいもの、こと」を見つめ、
7年前に郊外に越し、家を建てた前田さんご夫妻。
自然とともにあるシンプルな住まい、暮らしについて伺いました。


▲壁一面、造り付けの本棚が主役のリビング。書店勤めだった頃、出会ったご主人とともに所有する本やCDのコレクションがずらり。天井の杉板と床板のアフリカ原産・ムアガ材のコントラストが美しく、希望した通り“木に包まれた”住空間がかたちに

巡る季節を感じる
センス・オブ・ワンダー

風が運ぶ金木犀の香り、アナグマの穴掘り、森から聞こえるキツツキが木をつつく音…繰り広げられる自然界の小さな出来事を発見する喜びに、今日も五感を澄ませて

「秋になると、ドングリが屋根の上に落下する音が聞こえるんですよ。コトン、コトンって」。
飯塚市の住宅団地の一角。さわさわと風がそよぎ、呼吸しているかのような葉擦れの音が耳に心地よく響く。背後にこんもりと茂った鎮守の森に包まれて、前田さん夫妻の住まいは静かに佇んでいた。
ご主人と4匹の愛猫と暮らす前田さんが、ご実家の近くに、家づくりを思い立ったのが2011年のこと。「ふたりとも本が好きで、大きな本棚があって猫と暮らせる住まいをと思っていたんです」と当時を振り返る。
住宅地の一角に忘れられたように残っていた草の生い茂る土地を見つけ、「ここがいい」と直感で決めたというご夫婦。住まいは、FORZAのサポートを受けて、建築家による家づくりを選んだ。「オプションがついて費用がかさんでいく住宅メーカーの家より、注文住宅にして自分たちが必要なスペースだけをつくれればよかったんです」と、ご主人が家の中を案内しながら話してくれた。
ふたりのオーダーは、愛するものたちと暮らせるくつろぎの木の家。森側が南向きだったことから、日照や雨水経路の問題、庭に生える植物の植生を考えたプランを提案したMO・Architect設計事務所にお願いすることにしたという。
「庭に向かって開いたL字型のかたちで、通りからは見えないようプライバシーも配慮してくれていましたし、しっくりきました」


▲庭木や山野草を愛でながら、枕木が導いてくれる玄関アプローチ。クリーム色の塗り壁が明るく柔らかな印象を醸す。「猫たちに害のない安全な枕木を探しました」とご主人


▲パーテーションで緩やかにキッチンを目隠し。勾配天井の傾斜がデザイン的にも映えるLDK。「ベンチのようなソファがほしかった」と、木を好む前田さんが見つけたのは飛騨高山のもの

前田さんの愛用品

ダイニングセット


空間にアクセントを生むダイニングテーブルセットは、トライアングルテーブル、クラウンチェアともに、前田さんが勤める『柏木工』のアイテム。曲木など高い技術力で知られる飛騨高山の工場でつくられている

愛読書


本に囲まれた暮らしを送るご夫婦の推薦書を紹介。ご主人は「文化芸術に対する愛を教えてくれた」ピーター・バラカン著『魂のゆくえ』、前田さんは住まいの参考にもしたという若手建築家『堀部安嗣の建築 – Form and imagination』

土鍋


炊飯に愛用している伊賀焼の土鍋「かまどさん」。「炊飯、蒸らしまで入れて30分ほどで美味しく炊けるので、手放せません」。普段の食事は和食中心、肉ジャガなどご主人が作ることも。土井善晴さんの「一汁一菜」も愛読書

弦楽器


ギターやバンジョーなど、音楽好きなご主人が趣味で弾く弦楽器。納戸にもウクレレなどコレクションが多数。「食後にお酒を楽しみながら、気分が乗ってくると弾いています」とご主人。真空管アンプやスピーカーにもこだわりが覗く


シンプルでありながら、くつろぎや趣味が活かせる場をとり入れた前田邸。「大工さん泣かせ」とご主人が説明する緻密な杉板張りの勾配天井が、絶妙なバランスで家に個性とゆとりを生んでいる。
玄関を入ると、右手にリビングの顔である造り付けの本棚とともに、これからの季節、平屋全体を暖めてくれる薪ストーブが存在感を放つ。LDKのスペースに大きく採ったガラス窓からは庭や森の景色が楽しめ、採光も充分だ。
玄関から左手にはバスルームやウォークインクローゼットを置き、主寝室と納戸へと続く廊下には「一畳間」のユニークな空間が登場。「これは建築家の中村好文さんが紹介していた一畳の読書室をとり入れたもの。猫たちとゴロンとしています」と、ふたりの笑顔から日常的な小確幸が浮かんでくる。
暮らし始めて7年が経った現在。住み心地も申し分ないそう。
「共働きなので、主人が遅く帰ってきて朝方寝ている間、台所や身支度の音を気にしなくていい間取りにしてよかったです」という前田さんの言葉に続いて、ご主人は「過不足なく、思っていたような暮らしに満足しています」と話す。
自然を身近に感じながら、愛するものに囲まれ、好きなことに没頭できたり自分たちらしくいられる居場所。ご夫婦にとって大事にしたいものは何か、本質的な問いの答えが穏やかで満ち足りた住まい方から滲み出ていた。

匠の技と進化するデザイン
魅了される飛騨高山の家具

現在、飛騨高山の木工家具を紹介する『柏木工 福岡ショップ&ショールーム』に勤める前田さん。職場でも無垢の木の魅力を伝え、好きな仕事に励んでいます。

優れた木工技術を伝承する岐阜県・飛騨高山に本社と工場を置く『柏木工』。その「福岡ショップ&ショールーム」のスタッフとして、木工家具の良さを届けている前田さん。
「私自身も小さい頃から木が好きで、木製アイテムのなめらかな木肌に触れるとほっとして温かな気持ちになれるんです。柏木工に入社する前は家づくりに携わる仕事をしていましたから、木の家や生活空間と家具とのバランスなどさまざまなパターンを見てきました。その経験を生かし、新築や引っ越しのタイミングで家具や建具を探しに来られるお客様に対して、コーディネートやサイズ感のアドバイスなどお役に立てるように心がけています」
飛騨高山の伝統技術の歴史は古く、京都や奈良の都の造営に関わってきた時代から。『柏木工』は曲木や座グリ加工といった職人による高度な技術を活かし、昭和25年から椅子づくりをはじめとするプロダクトを紹介。ものづくりの地で生まれた技と、現代の生活空間に調和するモダンな「飛騨デザイン」を融合し進化させてきた。
福岡ショールームでは「家具・室内ドアなど住空間のトータルコーディネート」をコンセプトに、3つのフロアでオリジナルプロダクトを展開。オークやウォールナットなど良質な無垢材を使ったテーブル、椅子、TVボードや収納家具、壁面パネル装飾など、木の魅力が伝わるアイテムのコーディネートから、メンテナンスについても安心して相談できる。
「家具は、ご注文いただいてから製造しており、ご自宅にお持ちする際はスタッフが同行してお手入れの仕方をご説明しています。10年保証や修理など永く愛用いただけるようサポートしていますので、ぜひ一度座り心地を確かめに、足を運んでいただけたら嬉しいです」

2018年にオープンして1周年を迎えた福岡店。照明やカーテン、時計といったインテリア小物の販売も行なっている

柏木工 福岡ショップ&ショールーム


福岡市中央区白金 2-5-17
092-406-9750
10:00~18:00
休:水曜
P:3台
カ:可
https://www.kashiwa.gr.jp/