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これからの博多の文化を世界に広げる博多の“匠対談” 博多ラーメン職人 × 焼鳥職人

〔第二回〕博多ラーメン職人×焼鳥職人

博多一幸舎 店主
吉村 幸助さん

福岡市生まれの42歳。2004年に、博多一幸舎を創業。小料理屋を営む母親の料理を食べて育ってきたせいか、子どもの頃から料理が好きでよくつくっていた。趣味は「味の研究」と根っからの職人気質。

天下の焼鳥 信秀本店代表
安岡 英雄さん

朝倉郡生まれの80歳。脱サラ後、25歳で屋台の権利を取得。独学で焼きを極め、35歳で実店舗となる信秀本店をオープン。明るいキャラクターと屈託のない笑顔に、著名人のファンも多数。

博多のソウルフードを通じて街を元気に、人を笑顔に

創業から55年。どんなに忙しくても、串は毎日、手仕込みにこだわる。串の種類はざっと70種類以上。トマトを豚バラで巻いた巻串なども、信秀本店が発祥と言われている

吉村
先日は博多デイトス店まで食べに来てくださったそうですね。わざわざありがとうございます。

安岡
一幸舎さんのお土産用ラーメンがすごく美味しくて、お店でも食べてみたくなって伺いました。たくさん、人が並ばれていましたね。スタッフの方がいきいきして、活気があっていいなと思いましたよ。

吉村
ありがとうございます。お客さまに元気を与えたいという思いが、一番根底にありますね。大将はいかがですか。

安岡
うちも元気があって良いね、とよく褒めていただきます。私は初めての方にはマジックをして差し上げるんです。お子さんや女性の方が特に喜んでくださって、その笑顔が私の癒やしになっています。

吉村
私も以前、団体で伺ったときに手品を見せていただきました。「タネを明かしてください」と言ったら「ダメ。タネを明かしたら手品じゃなかろうもん」と返されたのを思い出します。

安岡
最近は「5、6回来て、常連になったらいいよ」と言うようにしているんです。

吉村
お店は連日大賑わい。やはり常連さんが多いんですか。

安岡
40年来の常連さんもいれば、香港や台湾から「友人の紹介できたよ」という方までさまざまです。私ももう80歳ですから、5年前から厨房は息子に任せて、今は接待に徹しています。

吉村
えっ、80歳でいらっしゃるんですか。お若く見えますね。

年の差38歳だが、熱い想いは一緒だ

安岡
ははは、嬉しいですね。お店も創業から55周年を迎えます。

吉村
ということは、25歳でお店を始められたんですね。

安岡
そうです。それまではサラリーマンをしていました。24歳で結婚して、「人生一回しかないので、何かしたい」と思って。屋台のおばちゃんに『屋台って、儲かるね』と聞いたら、『儲かるよ。あんたみたいな若い子がしたら、もっと儲かるんじゃなかかね』と言われて、よし、やってみようと。運良く屋台の権利を譲ってくれる人まで見つかり、屋台で焼鳥を始めたんです。

吉村
私も、男として生まれてきたからには一旗揚げたいという気持ちがあったので、大将の決断には共感できますね。私が起業したのは27歳。30年間は頑張ろうという気持ちでしたが、55年間守り抜いてこられたというお話を伺うと、ちょっと甘かったなと反省します。

安岡
この間には15人ほどが独立して、自分の店を出していますから、それも嬉しいことの一つですね。韓国・釜山の人からも技術を教えてほしいと頼まれ、指導したことがありますよ。

吉村
うちも弟子がインドネシアやマレーシア、中国など日本を除く9カ国で一幸舎の味を守ってくれています。博多の味、食文化が弟子たちの手によって、世界へ届いていると思うと感慨深いです。

吉村
博多焼鳥には、酢ダレをかけたキャベツが欠かせませんが、これは信秀本店さんが発祥なんですよね。

安岡
そうです。屋台をしている頃、焼鳥の付け合わせになるものを探していました。大阪で訪れた鉄板焼き屋で、お客さんがキャベツにソースを付けて食べているのを見て、早速真似しました。しかし、ソースはどぎつくて、焼鳥が進まない。これは、あっさりした味付けにしないといけないと考えて、キャベツダレに行き着いたんです。

吉村
大将の発案が、博多の食文化の一つになっている。すごいことですね。

安岡
豚バラも屋台で生まれたんですよ。豚骨ラーメンのスープを取るために仕入れていて、焼いたら美味しかろうなと思って出し始めたのが始まりです。

吉村
そうなんですか!それは知りませんでした。大将もラーメンを作られていたんですね。

安岡
だけど、当時ラーメンは1杯70円。焼鳥 だったら、平均で500円ぐらいは使ってくださるから、ラーメンは辞めたんです。

吉村
あら、私は選択を間違えましたか(笑)。今からは焼鳥の時代ですかね。

安岡
いやいや、あんなに美味しいラーメンを出されているんですから、頑張ってください。

吉村
自分が作ったものが、お客さまに喜ばれる。何よりの喜びですよね。焼鳥とラーメン、ジャンルは違いますが、博多のソウルフードを通じて、博多の街を盛り上げていきましょう。

サラリーマン時代は、残業後に自転車で売りに来るラーメンをよく食べたという安岡さん。
「チャルメラ~のラッパがなつかしいですね」