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【インタビュー】Fuku Spo – アビスパ福岡 /田代雅也

DF 田代雅也(Tashiro Masaya・背番号37)

ベテランと言われる歳ですが、
引退するまで成長したい。

2023年夏、 長年のライバル・鳥栖から加入した田代雅也。

加入当初こそ出番は少なかったが、徐々に存在感を発揮し、

シーズン終盤では先発のポジションをつかんだ。

彼にとって初めてだったシーズン途中での移籍、そして初タイトルなどについて聞いた。

 


難しさを感じた
初めての夏の移籍

 

2023年7月に発表された田代雅他のアビスパ加入。

前所属が熱い九州ダービーを繰り広げてきた鳥栖だけに、禁断の移籍として話題となった。

そんな激動のシーズンを彼はこう振り返る。

「毎年、シーズン終わり頃に思うのが、『今年1年もすごく勉強させてもらったな』ということです。

その中でも今年は初めて夏に移籍を経験して、残りのハーフシーズンを違うチームで過ごすことの難しさだったり、自分のスタイルを擦り合わせることだったりの難しさを学ばせてもらいました」。

戦術が浸透し、成熟度を増しながら完成形へと近づいていくチームに、途中から加わった選手がすぐにフィットするのは難しい。

田代はどんなことを意識してアビスパのサッカーを吸収していったのか。

「練習で特徴が出ると思うので、積極的に自分からアクションを起こして新しいチームメイトと擦り合わせていったり、わからないことはチームメイトに聞いたりしました。

監督を含めコーチングスタッフが、僕が早くチームに馴染めるように色々と声をかけてもらい、そこはすごく助かりました。

自分ではもっと早くチームのやり方に合わせられると思っていましたが、想像以上に前のチームでのプレーが身に染みていて、アビスパでのプレーをすぐにやるのは簡単なことじゃなかったですし、自分が器用な選手じゃないことを気付かされました(笑)」。

 

新たなプレーにも挑戦し、
決勝ゴールをお膳立て

 

アビスパではこれまで経験のなかった3バックのサイドでもプレーする。

30歳でのチャレンジはこう話す。

「3バックのサイドを経験し、僕もすごく刺激的な毎日を過ごしましたし、もっともっと良いトライを続けたいと思っています。

求められるプレーについてネガティブな感情は一切なく、すごく前向きに取り組めています。

今のポジションでは中央にいるCBのカバーを見越して前に出るプレーをやります。

後ろからのコーチングがない時にどう振る舞うか、最初は戸惑いがありました。

そこは自分のプレーを改めて見つめ直したり、周りのチームメイトとどう関わるかを意識したりしました」。

新しいポジションにチャレンジすることでプレーの幅も広がっている。

第33節・G大阪戦では決勝点につながるクロスを上げた。

「僕のクロスはボテボテでしたが、ルキアンの気持ちに引力があったんだと思います。

あのクロスは自分でも笑っちゃいました。

でも、あの位置にいることで攻撃の厚みを出せるので、前向きに続けていきたいです。

30歳はベテランと言われる歳ですが、もっと成長したいですし、引退するまで成長だと思います」。

ルヴァン杯優勝の瞬間をピッチで体験し、ポジションもつかんだ彼にとって、禁断の移籍を約半年経った今、どう感じているのだろうか。

また、自身のサッカー人生において初となったタイトル獲得は彼にどんな影響を与えるのだろうか。

「結果だけを見れば、『夏の移籍は良い決断だった』と言えるかもしれません。

でも、この半年だけでは判断できません。引退する時に、この移籍がどうだったか気づけると思います。

大きな大会で優勝したのはあれが初めてです。

良い意味で他人事感があり、決勝の最後に少し出させてもらいましたが、僕が何かアビスパに大きなものをもたらしたわけではなく、あの舞台に連れて行ってもらって、最後にオマケみたいな感じで良い経験をさせてもらいました。

チームメイトやスタッフに感謝しかありません。

あの雰囲気を感じられたのは何も変えられない経験ですし、次にあのピッチに立つ機会があれば、今回の経験値がプラスになると思います。

決勝のメンバーに入った時、『長年アビスパで働いてきたスタッフや城後(寿)さんの気持ちを考えたら、生半可な気持ちではあの舞台に立てない。試合に出る出ないに関係なく、チームのプラスになることをやらなきゃいけない』と普段以上に強く思った日でした」。

 

毎日の中で上積みし、
チームの勝利と自分の成長を

 

最後にアビスパに来てから新たに発見したことや来季への抱負を聞いた。

「アビスパで以前所属していたチームとは違うサッカーに触れ、「これもサッカーだ』と改めて感じました。この半年間はすごく勉強になりましたし、僕自身が成長していると感じています。

来季はチームがどんな目標を掲げるかわかりませんが、個人的にはどんな時でもチームの力になることです。

それは毎年変わりませんし、それ以外のことを考えている余裕もないので。

これを意識しながら毎日過ごす中で、勝ったり負けたり、試合に出たりでなかったりの繰り返しです。

この繰り返しの中で上積みできるようにしたいと思っています。

どんな時でもチームの勝利と自分の成長を目指し、チームに良い影響を与えることを意識して毎日がんばりたいです」。

 

田代選手のプライベートに迫るQ&A

Q.行きつけのスポットは?

A.太宰府が近いので、近くの神社によく参拝しています。

連休の時は朝から走って行き、手を合わせて帰ります。 ゲンを担いでいるワケじゃないですけど、お参りしたからいいことないかなと(笑)。

Q.福岡でビックリしたこと、ハマっていることは?

A.初めて「牧のうどん」を食べた時は、柔らかいし、甘くて驚きました。

福岡は水炊きや鳥刺し、 セセリが美味しい!

セセリは僕の地元のスーパーでは売っていないので、めちゃめちゃ食べています。

それと今年はスパイスカレーにハマって、よく作りました。

たまにレシピを無視してスパイスを入れ過ぎて、汗をかきながら食べることもあります(笑)。

〈PROFILE〉

田代雅也

ディフェンダー 背番号37
生年月日 1993年5月1日
身長 185cm 体重 80kg
出身地 埼玉県

小学1年生の時にサッカーを始める。高校、大学では主将を務めチームを牽引した。 大学卒業後、岐阜に加入しJリーグデビューを飾る。 その後、栃木、鳥栖でプレーし、2023年7月にアビスパへ。 加入直後のアウェイ・鳥栖戦に途中出場。かつてのホームスタジアムがアウェイになり、「ウォーミングアップ中から違和感を覚え、すごく不思議な時間でした」と振り返る。

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