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【インタビュー】Fuku Spo – アビスパ福岡/奈良竜樹

DF 奈良竜樹(背番号3)

サッカーとストイックに
向き合い続ける。

21試合を終え、勝ち点29 (8勝5分8敗)の
10位で中断期間を迎えたアビスパ福岡。
今季からキャプテンを務める奈良竜樹は、
この成績をどう受け止め、残り試合でどうチームを
けん引していくのか。じっくりと話してくれた。

 


アビスパのスタイルを目の前の
試合に100%コミットする

 

開幕戦こそアウェイで神戸に敗れたものの、その後ホーム・ベスト電器スタジアムで2連勝を含む6戦無敗と好調なスタートを切った今季のアビスパ福岡。

確実にチームを高めているが、4連敗を喫するなどまだ安定して力を発揮できていない。

この状態を奈良はこう語る。

「いろんな新しいトライをしたり、チームのメンバーが入れ替わったりした中で、うまくいく時もあるし、うまくいかない時もある。

うまくいかない時間をできるだけ短く、落ちる度合いをできるだけ少なくしようと意識してきました。

途中、リーグ戦4連敗などなかなか勝てない時期もありました。

開幕して劇的な試合も今季は多く、結果だけを見るとうまくいっていましたが、実際はそうではない時もありました。

ただ、アビスパのスタイルを目の前の試合に100%全員でコミットするというか、それに向けてプレーすることはやってこられたと思います。

うまくいかない時期も、試合で結果が出ないからといって日頃のトレーニングの質が下がらないように、取り組む姿勢が変わらないように意識してきました。

悪い流れを良くするのは自分たちしかいないので、それをみんなが継続してやってきた結果だと思います。

ケガ人が多く出た時期もありましたが、試合に出ている選手もそうでない選手もしっかりと日頃のトレーニングから意識して取り組んできたから、良い流れを自分たちで取り戻し、中断前の3連勝があったと思います」。

 

プロセスに納得できないと自分の中で誇れない

 

奈良のサッカー人生はケガとの戦いでもある。

コンサドーレ札幌アカデミー時代から2種登録選手としてリーグ戦に出場。

その後、トップチームに昇格してレギュラーの座をつかんだ。しかし、2016年に左けい骨を骨折。

一度は復帰するも同じ箇所を再び骨折してしまう。

2021年、アビスパ福岡に加入後もケガに見舞われ、同年そして翌年も開幕戦には間に合わなかった。

だが、今季は開幕戦から2試合連続でフルタイム出場を続けた。何か変化があったのか?

「慢性的な要因でヒザの手術が必要になりましたし、アクシデント的なケガはいつ起こってもおかしくないものです。

今年はそれがここまでなかったのは運的なものがあると思います。

ヒザに関しては、手術をした際にドクターとどういう動きや練習をするのか、どんなケアをするのかをしっかりと話しました。

そうした取り組みが今のところは問題が出ていない要因だと思います。

どんなにケアをして気をつけても、ケガをしないとは限りませんから。

ただ、より負荷をしっかりとかけるように今年はしています。

それがここまでケガなく出続けていることに結びついているかどうかはまだわからないですね。

結果論なので、どの方法が正解かはわかりませんし、不摂生してお酒をたくさん飲んでもケガしない選手はしないし、日頃から気をつけてケアをしていてもケガをする人はしますから。

僕はプロセスを大事にするのでそれに納得できないと、どんなに良い結果が出ても満足できないし自分の中で誇れるものじゃないと思うタイプなんです。

常に自分で考えられる改革を、今年は特に意識してやってみて、それでケガをしてしまったら仕方ない。

後悔しないため取り組んでいます」。

 

若手が中心となるためのサポートをしていきたい

 

今季は、昨季まで3年連続でキャプテンを務めた前寛之から、その大役を受け継いだ。

中学以来の役割に何を思うのか。

「中学の部活でキャプテンをしたことがありますが、同級生は3人くらいで全体でも12~13人くらいしか部員がいませんでした。

それでキャプテンをやったと言えるのか疑問ですし、自分でも特別だと思っていません。

プロの集団の中でのキャプテンとアマチュアでは違うと思いますし、今は手探りでやっています。

このチームがもっと強くなって行くために若手の突き上げが必要だと思っています。

生え抜きの選手や下部組織から昇格した選手が中心になっていかなきゃいけない。

そういう選手がどんな意識でトレーニングに向き合えるのか。

若い選手は自分のスタイルがまだできていないと思うので、プロとしてどうサッカーに向き合うのか、時間やお金をどう自分に使うかが大事です。

今、若い選手と言いましたが、それも甘やかしているのかもしれません。

世界を見れば、10代の選手がプロで活躍していますし、高い意識でプレーしている選手は多くいます。

若手と呼ばれていますが、もっともっと試合に出て、中心としてプレーする年齢だと思うので、それに気づけるようにサポートしたいと思っています」。

 

8位以上に向け、目の前の試合にぶつかる。
個人でも残り全試合出場

 

「リーグ戦に関していうと、8位以上という明確な目標があります。

8位以上というのは、1~8位まであります。

1位が現実的かと問われるとまだ早いかもしれませんが、1試合1試合目の前の試合に取り組み、ぶつかっていくことを考え、順位を先に考えるのではなく、大事なのは目の前の試合というスタンスを崩さず、その結果として順位がついてくると思います。

常に上位を狙えるチームになりたいですね。

目標を達成するためには、今の8位以上のチームよりも僕らが上にいくということですから、簡単な目標じゃないと思います。

でも、だからこそ、チームは前向きに取り組めると思います。

そういう考え方を全員で持ち続けて、最後まで自分たちらしく戦いたいと思います。

僕も残り全試合に出場して良いパフォーマンスを出したいと思います」。

常に真摯にサッカーに向き合う姿は求道者のよう。

そんな彼が残り試合もチームを引っ張り、目標である8位以上を達成するに違いない。

 

【プライベートQ&A】

Q.オフの過ごし方は?

A.シーズン中はあまり気が休まらないので、オフの日でもオフにならないんですよ。

オフには子どもと近所のパン屋に行ったり、犬の散歩に出かけたりしています。

中断期間のオフは連休だったので、家族で旅行に行きました。

家族サービスというか、僕が良い充電をさせてもらいました。

妻がチームメイトの奥さんから良いホテルの情報を教えてもらい、 淡路島で過ごしました。

プールで遊んだり、おいしいご飯を食べたりしてリラックスできました。

Q.行きつけのパン屋さんがあるんですか?

A.「フルフル」さんです。

暑さがおさまり、子どもがうまく自転車に乗れるようになったら、 自転車で一緒に行きたいですね。

外にイートインスペースがあり、そこで子どもたちが好きなパンを食べています。

僕はツナサンドを食べながらその光景を見ています。

〈PROFILE〉

奈良竜樹

ディフェンダー 背番号3

生年月日 1993年9月19日

身長 180cm 体重74kg

出身地 北海道

2011年、 コンサドーレ札幌U-18 所属ながらJ2リーグ戦に出場し、J1昇格に貢献。 翌年トップチームに昇格を果たし、中心選手として活躍。 2016年、 試合中に骨折。その後、 鹿島アントラーズを経て、2021年に期限付き移籍でアビスパ福岡に加入し翌年から完全移籍。 自分を厳しく律するが、 他人には優しい

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