【食材の宝庫・糸島】天然真鯛とカキが自慢!糸島・船越漁港へ
糸島半島周辺の海域は、1年を通して多彩な魚介が水揚げされる日本有数の好漁場。中でも、漁獲量8年連続日本一を誇る「天然真鯛」と、豊かな海で育まれた「糸島カキ」は今や糸島ブランドの代名詞だ。
糸島市内には10の漁港があり、今回は年間を通し3つの特徴的な漁を行なっている「船越漁港」を訪ねた。笑顔で迎えてくれたのは、この道38年の漁師、千龍丸の船長である藤野一豊さん。9月から3、4月ごろまでは糸島カキの養殖やカキ小屋営業を行ない、2月から4月中旬ごろには「イカ籠」と呼ばれる伝統漁法でコウイカを。5月から11月には真鯛を獲る「吾智網漁」を行なっているそうだ。これは「吾の智恵が必要」という仏教用語に由来する伝統漁法。袋状の網を海に沈め、その両端に結びつけたひき網で包囲形をつくり真鯛を追い込む。「魚群探知機とか機械に頼るんじゃダメ。潮目や魚の動きを読む、経験と勘が頼りやね」。藤野さんがそう語るように、ベテランの技が何より物を言う。
「船越漁港」は二隻の船で網を張る「二双吾智」が多いが、藤野さんは一隻の船で漁を行なう「一双吾智」の名手。弟と若手漁師を乗せ、3人で漁に出ているそう
「一双吾智網漁」ではウロコやヒレを傷つけずに捕獲できるため、見た目にも美しい。神経締めなど丁寧に処理した真鯛は高値で取引される
「天然真鯛」は、水揚げ後に地下水を利用した水槽で生かし、市場に出荷する直前の深夜12時に神経締めして血抜き。「糸島カキ」は収穫後に一つずつ磨き、24時間かけて紫外線殺菌。福岡県が定める検査基準よりも厳しい基準を設け、さらに複数の機関で貝毒検査を行うことによってより安全に食すことができる。
カキの稚貝を付けたホタテの貝殻をロープに吊るし、ミネラルたっぷりの海中でカキを養殖。収穫は10月ごろからはじまり、カキ小屋シーズンを迎える
豊かな自然だけでなく、魚介の質や安全性を守る漁師の努力によって「糸島の美味しい魚介」は届けられているのだ。
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