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【福岡麺本2021】丼一杯の世界に広がる無限大の熱意とラーメン愛『天龍ラーメン』

ドラゴンロードに佇む老舗

 

時代に合わせて進化する
伝統と革新の味わい

口当たりはなめらかでクリーミー。スープをすすれば、力強くコク深い豚骨スープが喉を通る。濃厚だが臭みはなく、余韻として残るのは純粋な豚骨の旨味だけ。1972年に創業した『天龍ラーメン』は、昭和の時代から地域で親しまれているラーメン店。2014年に先代の孫である森崎龍之介さんへと代替わりし、平成・令和と進化している。

 

 

煮卵入りラーメン 650円

 

ゲンコツや頭骨など5種類の骨でとるスープは、臭みを除くために丁寧な下処理とアク取りを行う。仕込みには熱効率が良い羽釜を使い、いわゆる“呼び戻し”製法で骨を継ぎ足して濃度を凝縮。さらにゼラチンが豊富な豚骨も加え、スープの乳化を進めるとともにとろみをプラス。一般的な豚骨ラーメンの濃度が10%前後なのに対し、同店は豚骨を炊いた釜の時点で10%以上。元ダレと合わせた濃度は、なんと約15%もある。それでもラードや背油を使用していないので、後味はすっきり。

 

 

いかにも濃厚そうなとろみのあるすスープが特徴。丼の底に骨粉が残るのは、大量の豚骨を使って旨味を余すことなく抽出した証

 

 

一方、麺は2015年に製麺室を設け、存在感のある自家製麺に切り替えた2019年秋からは製粉会社や同業者たちと共同開発した食物繊維・鉄分・ビタミンが豊富な小麦粉「吟麦」、全粒粉、石臼挽きの小麦粉など5種類をブレンド。以前より小麦本来の甘味や香りを感じられるようになったので加水率を約32%に上げ、圧延回数も増やし、一晩寝かせてコシを強化。それによって極細麺でもプリッと弾むモチモチ食感を生み出し、パンチのあるスープに負けぬ印象深さとなっている。

 

 

切刃28番(1.07mm)の極細麺

 

「龍」と付くラーメン店が一帯に多いことから県道68号は「ドラゴンロード」と呼ばれており、同店はその一翼を担ってきた老舗。先代が築いた味をベースにしつつ、時代に合わせて巧みに味わいを変えていく。コロナ禍においては、ラーメンのテイクアウトにも柔軟に対応。「ラーメンで誰かを笑顔にしたい」と語る森崎さんは、笑顔の懸け橋となるべく次の時代に挑み続けている。

 

 

テイクアウトにもしっかりと対応!

 

 

 

 


天龍ラーメン

[所]糟屋郡志免町南里1-3-31
[☎]092-935-1588
[営]11:30~21:00
※なくなり次第終了
[休]木曜

 

掲載の内容は取材時のものです。取材日と記事公開日は異なる場合があり、メニューや価格、営業時間、定休日など取材時と異なる場合がありますので、事前に公式HPやお問い合わせにてご確認をお願いします。

※お出かけの際は、新型コロナウィルス感染拡大防止に十分ご留意ください。

 

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