【大分県 安心院応援プロジェクト】温泉と豊かな水が育むすっぽん養殖『安心院すっぽんセンター』
温泉と清らかな水が育む「安心院のすっぽん」
|
![]() |
今回は、大分県宇佐市安心院(あじむ)にある「安心院すっぽんセンター」様にお邪魔しました。
センターがあるのは、新貝川沿いの自然豊かな場所。川のせせらぎと緑に囲まれ、安心院らしい穏やかな空気が流れています。

川辺を歩いていると、こんな姿も見つけました。橋の上にかわいい「すっぽん」です。

安心院では、豊かな水と温泉熱を活かしたすっぽん養殖が行われています。
もともとこの地域は、清らかな水に恵まれ、天然のすっぽんも生息している土地です。さらに、一年を通して利用できる温泉があることも、養殖が発展する大きな強みになっています。
通常、すっぽんは出荷までに3〜4年ほどかかるといわれています。しかしここ安心院では、恵まれた温泉熱を活用することで、約1年ほどで出荷できるまでに成長させることができるのです。
「安心院の名産品をつくろう」から始まった挑戦

『安心院すっぽんセンター』を創業したのは昭和55年頃。
「安心院の名産品をつくろう」という地域の取り組みの中で、「すっぽん」に着目し、地域の未来につながる事業として始まったそうです。
安心院すっぽんセンターでは、卵のふ化から育成、出荷までを一貫して行っています。
試行錯誤を重ねながら規模を拡大し、現在では年間およそ15,000匹、多い年には20,000匹を出荷する大規模な養殖施設となりました。
それでは早速、見学スタート!
今回ご案内してくださったのは、安心院すっぽんセンター職員の松本さん。
とても気さくな方で、終始楽しく見学させていただきました。
まず見せていただいたのがこちら! 一体何かわかりますか?

実は、すっぽんの卵です。「こんなとこに置いてて大丈夫?」と思われる方もいるかもしれませんが、安心してください。無精卵です。
すっぽんは施設内の砂場で卵を産み、1匹あたり20〜30個ほど産卵します。
産卵期になると、職員さんたちは、2日に1回、砂を掘り起こし、卵を回収し、ひとつひとつ確認しながら、丁寧に仕分けを行っています。これらはすべて手作業で行っているそうです。
そんな大変な仕分け作業が終わった後、有精卵は、次の「ふ化施設」へ運ばれていきます。
※無精卵は廃棄するのではなく、すっぽんのエキスなどに活用されるそうです。
経験と感覚が求められる「ふ化工程」

「有精卵」はふ化までの約2か月間、30度前後に保たれた部屋で管理されます。
温度は、自動で設定できるのですが、難しいのが湿度管理です。
職員さんたちが頻繁に状況を確認し、ドアを開けて空気を入れ替えたり、水を撒いたりしながら細かく調整していくそうで、単純な数値管理だけでは難しく、長年の経験や感覚が欠かせないのだとか。
こうした管理技術は、先輩がたの指導を受けながら、身につけていくそうです。
温泉ですくすく育つ「すっぽん」たち
こうして無事にふ化した赤ちゃんすっぽんは、「温泉」を利用した養殖水槽へ移されます。養殖水槽は30度前後に保たれており、ひとつの水槽につき、およそ2,000匹のすっぽんがいるそうです。

一方で養殖室内は約40度近い高温環境!職員さんたちにとってもかなり過酷な暑さで、立っているだけでも汗がにじむほどでした。
「すっぽんは暑さに強い」というイメージがありますが、実際には水温が高すぎると弱ってしまう繊細な生き物なのだそうです。そのため、温泉水を利用しながら、水温を細かく調整しているとのことでした。

↑ 中には、気持ちよさそうに日向ぼっこをしているすっぽんの姿も見られました。
繁殖管理も細やかに
そして、隣には繁殖用のすっぽんがいる水槽もありました。産卵期になると砂場へ移動し、そこで卵を産みます。職員さんたちは、有精卵と無精卵の比率を確認しながら、オスとメスの数を調整するなど、繁殖管理も細かく行われているそうです。
実際にすっぽんに触れてみました
最後に、出荷前の「泥抜き」を行う水槽へ。

ここでは松本さんが、実際にすっぽんを間近で見せてくださいました。さらに、実際に触らせてもらうこともできました。

すっぽんは英語で「Soft-shell turtle(柔らかい甲羅の亀)」といわれる通り、実際に触れてみると甲羅はやわらかく、不思議な感触でした。特に甲羅の周辺部分には、コラーゲンを多く含むゼラチン質が豊富だと教えていただきました。

オスとメスの見分け方は?
皆さんは、すっぽんのオスとメスの見分け方をご存じでしょうか?
ぱっと見ではほとんど違いがないように見えますが、一部に違いがあります。
ーーー答えは「シッポ」です!ーーー
シッポが甲羅からはっきり出ているのがオス、甲羅に収まるように隠れているのがメスだそうです!
知ってみると意外とわかりやすい見分け方でしたね!

オスとメス、どちらがおいしい?
基本的にはどちらもおいしいそうですが、それぞれに特徴があるそうです。
オス:身が引き締まっており、しっかりとした食感が特徴。
メス:脂がやや多く、料理によってはより濃厚な味わいになるそうです。
料亭などでは、料理に合わせてオスとメスを使い分けることもあるのだとか。
ちなみに、一番おいしい時期は「秋口」で、冬眠前に栄養を蓄えるため、特に味が良くなるそうです。
「安心院のすっぽん」は、安心院すっぽんセンター様の公式ホームページでも購入することができます。
【安心院すっぽんセンター公式HP】
【安心院すっぽんセンター公式通販サイト】
お歳暮用の商品やスープ、家庭用の切り身セットなども人気とのことでした。
※ふるさと納税の返礼品としても取り扱われており、すっぽんの切り身やスープなど全国から申し込み可能となっています。是非ご利用ください。
安心院に根付く「すっぽん」文化
安心院では、すっぽんは特別な高級食材というだけではなく、地域の暮らしや食文化の中に自然と息づいています。
たとえば、小学校の給食にすっぽん料理が登場することもあるそうで、子どもたちにとっても身近な存在として親しまれています。
また、「安心院すっぽんセンター」さんは、年に一度、安心院高校で「すっぽんのさばき方講座」を行っているそうです。実際に高校生たちがすっぽんをさばき、命をいただくことで、食の大切さを学ぶ、貴重な機会になっているとのことでした。

取材の最後には、松本さんにこれからの展望についてもお話を伺いました。
これまではあえて新しいことに取り組むのではなく、今の伝統をしっかり保ち、地元の人にも食べてもらう機会を大切にしてこられたそうです。しかし、これからは、新たな取り組みにも挑戦していきたいとのこと。
「現在は“精がつく食べ物”というイメージが強いですが、今後はコラーゲンの豊富さや美容面での魅力にも注目してもらえたらと思っています。
また、すっぽんを“かわいい生き物”として親しみを持ってもらえるような発信にも取り組んでいきたいです。
私たちだけで大きく変えられるものではないかもしれませんが、安心院という地域とすっぽん文化の魅力を広めるために、小さな積み重ねを続けながら、より多くの人に知ってもらえるよう取り組んでいきたいです。」
穏やかな言葉の中からも、地域の文化を未来へつないでいこうとする強い想いが伝わってきました。
私たち「安心院応援プロジェクト」メンバーも、この地域に根付くすっぽん文化やそこに込められた想いを、これからも発信していきたいと思います。
最後に
安心院の自然、温泉、そして人の手によって育てられるすっぽん。
そこには、地域の資源を活かしながら受け継がれてきた歴史と、多くの手間や工夫がありました。普段なかなか見ることのできない養殖の現場だからこそ、新しい発見もたくさんあります。
ぜひ一度、安心院を訪れていただき、受け継がれてきた「すっぽん文化」に触れてみていただきたいと思います。
※安心院のすっぽんを味わえる・購入できる場所
今回ご紹介した「安心院すっぽんセンター」様以外にも、安心院にはすっぽんを味わえる場所があります。今回は、その中からいくつかご紹介します。
① 里の駅小の岩の庄
切り身、冷凍商品、わりした、ストレートスープなどを販売しています。
【里の駅 小の岩の庄 公式ホームページ】
![]()
併設されたレストランでは、名物の「すっぽんうどん」も楽しめます。
②本家活宝 安心院亭
すっぽん鍋や唐揚げ、生き血など、本格的なすっぽん料理を味わえる専門店です。
【本家活宝 安心院亭 公式ページ】
③ 料亭やまさ旅館
落ち着いた料亭旅館の空間で、伝統あるすっぽん料理のコースをゆっくり楽しむことができます。
【料亭やまさ旅館 公式ページ】

施設情報
-
-
- 施設名:(有)安心院すっぽんセンター
- 所在地:大分県宇佐市安心院町下毛1014
- すっぽんの養殖、加工販売
-
■安心院応援プロジェクト

このたびアプライドグループで、大分県宇佐市安心院町の魅力を発信する「安心院応援プロジェクト」がスタートしました。
安心院は、豊かな自然や歴史的文化など、多くの魅力があふれる地域です。地域の方々の声や安心院のさまざまな魅力を取材し、コンテンツとして発信していきます。
安心院応援プロジェクトの取り組みに、ぜひご注目ください!!

