【福岡麺本2025】「おかえり」の一杯。ザ・博多ラーメン。/ 博多玉

博多玉
-「おかえり」の一杯。ザ・博多ラーメン-
様々な系譜の店々が席捲するラーメン業界。そんな中、2014年に創業した『博多玉』は一貫して昔ながらのザ・博多ラーメンを追求し続けている。いつでも、誰でも「おかえり」と迎えてくれる、「ふつう」の美味しさこそが今、尊い。
正解はない。だからチャレンジし続ける!
人気のトップ3は『半熟味玉子ラーメン』『辛玉ラーメン』『黒玉ラーメン』。いずれ劣らぬインパクトを感じる美味しさだ。しかし、『博多玉』の大黒柱は、ごくごくふつうの『ラーメン』である。

「ふつうの美味しさって、何なんでしょうね」。取材中、店主のダマさんこと児玉皓さんがふとつぶやいた。強烈な刺激があるわけじゃない。SNSでバズるような派手さもない。しかし、当たり前のようにいつもの店にあって、誰が、いつ、どんな時に行って食べても、当たり前に美味しい。そんな、日常にとけ込むような「ふつう」の一杯を「博多玉」は守っている。
注文すると分かるはずだ。模様のかすれたラーメン丼に白濁した豚骨スープ、細麺の上にはネギとチャーシューが色を添える。素朴な見た目は「これぞ、ザ・博多ラーメン」。最近は見た目で客を圧倒するようなラーメンも多い中、この自然体の佇まいにはホッとさせられる。
食べてみると、もッとよく分かる。豚骨スープもタレも、自家製麺の細さや食感も、奇をてらったところがまるでない。声高な主張は何ひとつないけれど、きちんとたしかに「美味しい」。思わず替え玉をしているし、もうひと口…と言いながらスープを飲み干すことだって珍しくないのだ。

「そう、小さい頃から食べてきた町の博多ラーメンですよね。ごくふつうの豚骨ラーメンなんですけど、この”ふつう”っていうのがま難しいわけですよ」とダマさん。
こだわりや主張が表に立ち過ぎてはいけない。かといって同じことをただ繰り返してもいけない。「ふつう」の美味しさを守れるのは、作り手に迷いがないからだ。
「店を始めて11年、僕の中に核となるレシピはしっかりとあるんです。ただ、スープを仕込む水の量や火加減を変えるタイミング、製麺の加水率…と常に何かを変えるチャレンジをし続けています。”ふつう”のラーメンとは言っても、今日の味が100%の美味しさだとしたら、それ以上にもっと美味しい一杯ができるはずだと、いつも思っていますから」。
ダマさんのチャレンジは、傍から見ているだけでは分からないだろう。しょっちゅう食べているファンほど気づきにくいのかもしれない。
「それがいいんです。それだけうちのラーメンがお客さんの日常にとけ込んでいるっていう証だから。ただ、久々に帰省して食べに来てくれたお客さんが『あれ、味変わった?』って気づいてくれるとそれはそれで嬉しくて。美味しい博多ラーメンとは何だろうっていうのは僕の一生の課題。この前、たまたまラッドウィンプスの『正解』って曲を耳にした時、まさにこれだと思ったんですよ。採点基準は自分、答えはない、みたいな。だからチャレンジし続けます」。

店が開くと続々と客が訪れる。顔馴染みの常連さん。忙しい仕事の合間に立ち寄るビジネスマン。ラーメン好きな学生たちやメニューを選ぶ姿も初々しいカップル。空腹でやって来る塾帰りの子どもたちに、食べ盛りの子どもを連れた家族。誰もが安心して暖簾をくぐり、満足そうに店を後にする。なんて幸せな光景だろう!『博多玉』の日常は、今日もこうして、みんなのふつうの日常と重なっている。
| 【所】福岡市南区大橋1-14-8 【☎】090-4722-5328 【営】11:00〜15:00/18:00~24:00※スープがなくなり次第終了 【休】日曜(月曜が祝日の場合は日・月連休) 【席】14席(テーブル8席、カウンター6席) 【P】なし カード/不可 QRコード決済/可 【Instagram】@hakatadama |
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