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博多一幸舎の 店主・吉村 幸助が 博多の文化について 真剣に考える

〔最終回〕博多ラーメン職人 吉村 幸助

博多一幸舎 店主
吉村 幸助さん

福岡市生まれの44歳。2004年に、博多一幸舎を創業。小料理屋を営む母親の料理を食べて育ってきたせいか、子どもの頃から料理が好きでよくつくっていた。趣味は「味の研究」と根っからの職人気質。

ラーメン評論家
山路 力也さん

20年にわたり福岡のラーメンを食べ続けているラーメン評論家。「福岡チャーシューおにぎり化計画」を立ち上げるなど、福岡のラーメンを盛り上げるべく活動中。本誌でも「福岡ラーメン物語 のぼせもん。」を連載中。

形は違えど想いは同じ 博多を愛する匠との対談

山路
一年間続いた『匠対談』も今回が最終回なので、これまで聞き役に徹していた吉村さんにお話を伺おうと思います。一年終わってみていかがでしたか?

吉村
活躍されているフィールドはそれぞれ違いますが、皆さんの博多に対する熱い想いは変わらなかったですね。その想いが博多を魅力的な街にしているのだなとあらためて感じました。

山路
この対談を通じて吸収出来たことも多かったのではないですか。

吉村
博多人形師の松尾吉将さんは、人形を作るだけではなく博多人形の歴史を熟知されていたんです。僕も博多ラーメンを作るなら、技術だけではなく歴史や知識をもっと学ばなければと思いました。

山路
同じ飲食業同士だと、焼鳥『信秀本店』の大将(安岡英雄さん)との回が印象に残っています。

吉村
80歳でもまだ現役でお店に立たれていて、一つのことを突き詰めるという気迫に圧倒されました。僕はまだまだその域には達していないなと。もっと頑張らなければいけないですね。

山路
吉村さんは自分自身を「匠」だと思っていますか(笑)

吉村
「匠」ってかなり大きい存在ですよね(笑)。自分自身で匠と呼ぶものでもないと思いますので、いつの日かそう呼んでもらえるように精進し続けます。

博多ラーメンに革命を起こした「元祖泡系」のラーメンが、世界中でも人気を博している

技術を持った職人が作るそれが一幸舎のラーメン

山路
2004年の創業当時は、どんな想いでラーメンを作っていたんですか。

吉村
どこにも属さない味で、食べた人全てに美味いと言われる、福岡で一番美味しい豚骨ラーメンを作る、というのが当時も今も変わらない想いです。

山路
僕も一幸舎を初めて食べた時、他にない味だなと思いました。

吉村
そして味だけではなく、誰が来ても恥ずかしくない店にしようと思っていましたね。同業者からも「さすがだな」と言われるような店にしようと。

山路
その頃から職人としての想いは強かったということでしょうか。

吉村
初めは職人なんて考える暇もなく、ただがむしゃらにやり続けていただけです(笑)。店舗が増えていく中で、どうしても味の均一化や安定感を求めるようになり、一店舗の時の味とは変わってきた時期があったんです。今一度大切なものは何かと考えた時に、原点回帰と言いますか、やはり一幸舎のラーメンは職人が作るものなのだと再確認しました。

山路
職人でありながら店舗を増やしていくのは、どこかで矛盾や難しさもあると思うのですが。

吉村
それは今もずっと抱えている問題です。やはり自分のラーメンを福岡以外のたくさんの方にも食べて頂きたいという想いがありますが、自分の身体は一つしかないので、いかに僕のラーメンへの思いと技術を若い世代の店長たちに伝えていくのかが大切だと思います。

山路
店舗展開するラーメン店の多くが工場で炊いたスープを供給するのは、味を安定させるという意味ではとても重要だと思うのですが、一幸舎では今も各店でスープを骨から炊いていますよね。

吉村
正直、日によってブレもありますし、お客さまの入り方によっても変わります。しかし、それを美味しく安定させる技術を持っているのが真のラーメン職人。そういう人をもっと育てていくのが僕の仕事なのだと思っています。

山路
今日も取材前に総本店のスタッフに指導されていましたね。

吉村
この総本店は世界の全ての一幸舎の手本になる店ですので、スタッフにはより高い意識と技術が求められます。

山路
今回、総本店がリニューアルすると伺いましたが、どう変わるのですか。

吉村
創業した時の僕の思いを今一度しっかりと伝えていく場にしたいと思っています。一幸舎がこれまで培って来たものの集大成になるよう、私も現場に入って考え方や技術を伝えてい来ます。

山路
職人を育てていく場にするんですね。ラーメンも変わるのですか。

吉村
クリーミーな口あたりと骨味、そしてタレが一体になったスープと、小麦がしっかりと香る麺との組み合わせが、一幸舎の豚骨ラーメンなのですが、それをさらに磨き上げて総本店でしか食べられないものを作りたいと思っています。

山路
その店でなければ食べられないワクワク感こそラーメンの魅力だと思います。個人店ではなく店舗展開している一幸舎がそこに挑んでいるのは素晴らしいことだなと思います。

吉村
ありがとうございます。今回のリニューアルで総本店が今まで以上に地元博多の人に愛される味と店になるように、そして日本全国はもちろん世界の人たちにも博多のラーメン文化を伝えるために、これからも頑張っていきます。

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