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福岡の暮らし。#7 座親さん・郷古さんの住まい

土地のエネルギーを感じる健やかな暮らしを実現

太宰府市出身の座親さんと東京で育った郷古さん。

ふたりのセンスが融合したすてきなご自宅を訪ねました。

 

太宰府は座親さんの地元。子どもの頃から慣れ親しんだ土地だったが、福岡市内の中学に通い始め、大学時代、社会人時代は福岡の市街地に近いエリアに暮らしていたという。「大学を卒業後はアパレルショップでバイヤー兼ディレクターをしていました。当時は半年から1年先を追いかけるような仕事で、最初の頃は楽しかったけれど、徐々に違和感を覚えるようになったのです。退社して独立するときに、その違和感を解消しようと、季節を感じられるところに住みたいと思うようになったんですよね」と、座親さん。

そんなときに思い出したのが、太宰府のこの部屋のこと。ご両親がいずれも住もうと考え建てた物件だったが、誰も住まないまま11年が過ぎていたという。「ここに住みたいといったら、最初は家族に反対されました。わざわざそんな田舎に住まなくてもいいんじゃないかって。けれど、実際に住んでみると、とても快適なんです。朝、四王寺山の方に日が昇るのが見えたり、夜の凛とした空気だったり。土地のエネルギーを凄く感じますね」。

そんな座親さんは、ここで暮らし始めてしばらく経った頃、後にご主人となる郷古隆洋さんと出会い、座親さんは福岡、郷古さんは東京にそれぞれショップを構えており、福岡と東京を行き来する生活を送っている。「太宰府はおおらかでいいですね。近くにJAの直売所があるのですが、野菜が安くて美味しいんです。食べることが福岡に帰ってくる楽しみになっています」と、郷古さんは嬉しそうに話してくれた。

 

 

それぞれの世界が交わりどこにもない絶妙な空間が生まれる

座親さんが一人暮らしだったころ、このリビングは、白や黒、スチールなどで統一された、シンプルで色味のない空間だったそう。「私はもともと、バウハウスなどのモダンなモノや北欧のデザインが好きでした。一方、彼はミッドセンチュリーや日本の古いモノが好きなんです。ミッドセンチュリーや日本のモノって、色のあるモノが多いんですよね。私自身も、色のあるモノは好きなんですけど、自分ではなかなか取り入れられずにいて。彼とお付き合いするようになってしばらく経った頃、突然、東京からとんでもない量の荷物が送られてきたことがありました。1つ、また1つと彼の好むテイストのモノが増えていく中で、自然に彼のエッセンスがミックスされ、私が理想としていたカタチにグンと近づいたんです。私一人ではできなかったスタイルの空間になりました。彼の世界と私の世界が交わるところが好きなんです」。

一方、広々としたリビングの一角には、2歳の息子さんのためのコーナーが設けられている。「彼も私も、いつ使うか分からないままに子どものモノを集めていたんです。子どもが生まれて、ついに使う時が来たんだなぁという感じなんです」。おもちゃで遊んだり、絵本を読んだり。ときには机が、電車の通るトンネルになっていたり。息子さんは自由な発想でさまざまなモノに触れている。

 

 

座親さんの愛用品

MONICA CASTIGLIONIのアクセサリー
Carmina Campusのバッグ
加山晴子さんの器
ジオ・ポンティのチェア

 

それぞれの世界観が交わり合う心地よいリビング

 

ふたりが集めてきたオブジェなどが並ぶ玄関

 

お気に入りのソファで本を読む座親さん

 

真っ赤なキッチンもしっかり馴染む

 

浴室には猫足のバスタブが

 

玄関からリビングまでのアプローチはギャラリーのよう

 

西洋と日本のモノが交わり合う

 

寝室には自然光が射し込む

 

目的をもってわざわざ訪れたい3つのショップとギャラリー

太宰府天満宮の参道から少し入った場所に今年1月からOPENした複合施設「ALBICOCCA」。

座親さんが運営している『VELVET THE SHOWROOM』と『Monica Castiglioni fukuoka』、郷古さんの『BATHHOUSE DAZAIFU』という注目の3つのショップが入居している。

座親さんは「DICE&DICE」から独立後、福岡・大名でアポイント制のサロン「VELVET THE SHOWROOM」を運営していた。「そろそろ移転しようと考えて福岡市内でも物件を探してみたものの、納得できる物件に出合えずにいました。この建物はかつて父が調剤薬局や診療所を営んでいたのですが、しばらく使っていなかったんです。私のお店だけでは広すぎるし、どうしようかと思って主人に相談したところ、『複数のお店を入れて、ゲストルームを作ったりすれば、その広さを活かせるんじゃない?』というアドバイスをもらって。日本初となる『Monica Castiglioni fukuoka』の直営店もさせて頂けることになり、私のお店と主人のショップに加えて、ギャラリースペースとゲストルーム(準備中)を設けることにしました」。

 

イタリアのジュエリーデザイナー、モニカ・カスティリオーニの日本初となる直営店「Monica Castiglioni fukuoka」

 

 

座親さんと郷古さんのショップは、取り扱っているアイテムのテイストはまったく異なるものの、目的を持って訪れ、ゆっくり時間をかけてモノと向き合うということは共通している。ゆっくりとした時間が流れるここ太宰府にショップを構えたことは、必然だったのかもしれない。

 

世界各地から集めたヴィンテージ雑貨やインテリアアイテムを揃える「BATHHOUSE」の2号店

 

 

いずれのショップもコロナウイルス感染拡大を受け現在休業中。オンラインショップは通常通り営業中。

shop information

ALBICOCCA

住所:太宰府市宰府2-7-6

電話:092-710-1255

※新型コロナウイルス感染拡大を受け現在休業中。オンラインショップは通常通り営業中


本記事は「シティ情報ふくおか5月号」より抜粋して掲載しております。掲載の内容は取材時のものです。取材日と記事公開日は異なる場合があり、取り扱いブランド、営業時間、定休日など取材時と異なる場合がありますので、事前に公式HPやお問い合わせにてご確認をお願いします。

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