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【嘉麻市】瀬戸康史スペシャルインタビュー

from KAMA CITY SPECIAL INTERVIEW

嘉麻市出身 俳優 瀬戸康史(Seto Koji)

 

 

 

福岡で育ったから、
演じることへの壁がなかった

 

ー17歳で上京されましたが、どんな思いを胸に上京されましたか?
瀬戸:母親のすすめでオーディションを受けることになり、受けるからには頑張るじゃないですか。そうしたら、たまたま受かりました。志している人には申し訳ないですけど、当時は(芸能人に)なりたいとか、夢や野心はありませんでした。今ではこの世界に居て良かったなと思えるようになりました。

 

ー芸能界に入ってから、気持ちが変わっていったということですか?
瀬戸:そうですね。嘉麻市に住んでいる時は芸能界にまったく興味がなかったし、どんな世界か想像すらしていませんでした。その分、ギャップを感じることもなく、入ってみたらすごく楽しい世界でした。苦しいこともたくさんありますけど、表現することが自分に向いていると感じています。福岡って芸事に対して積極的じゃないですか(笑)。僕も保育園の発表会でお芝居や和太鼓などをやりました。だから演じることへの変な壁がなかったと思いま
す。それは福岡で育ったからでしょうね。

 

ー「俳優としてやっていける」と思った瞬間や作品はありますか?
瀬戸:いまだにないですよ。いつどうなるかわからない世界ですから、不安はありますね。僕なんかまだまだです。性格的に自信を持つタイプじゃないからこそ、頑張ろうと思えるんでしょうね。

 

 

 

芝居をしようと思って
芝居をすることはありません

 

ー仕事によって瀬戸康史の使い分けを意識されますか?
瀬戸:作品が伝えようとしていることを伝える意識はしますけど、芝居をしようと思って芝居をすることはありません。それは芝居だけでなく、すべての仕事に言えます。だから、意識的に俳優モードに切り替えるということはなく、自然にやっています。役を作るにあたっても、素の僕が真ん中にいて、そこからいろんな役に枝分かれしているイメージです。

 

 

上京後数ヵ月はホームシックでした

 

ー上京後、嘉麻市を思い出したり、ホームシックになったことはありますか?

瀬戸:上京して数ヵ月はずっとホームシックでした。親や友だちに電話して本当は「寂しい」とか愚痴とか言いたいんですけど、かっこ悪いので強がって、電話を切ってから泣くという日々が続いていました。上京後に嘉麻市になったので、稲築町の方がピンときます。もうすぐ東京の方が(住んでいる期間が)長くなるんですけど、それがちょっと嫌。やっぱり僕は福岡の人だし、福岡が好きなので、その期間が東京に抜かれるのがなんだかすごく嫌です。仕方のないことですけど、やっぱり好きですよ、地元が。帰っても何もすることはないですけどね(笑)。

 

ー稲築の思い出やよく行った場所を教えてください。
瀬戸:『A-B00K』って本屋さんの上にあるカラオケ屋さんにはよく行きました。もうなくなりましたが、その向かいにあった小さなお店のコーヒーゼリーを中学の頃に食べていました。帰ったらいつも行くのが父の友人がやっている焼肉屋さんです。それとスポーツプラザでサッカーをやっていたことも思い出です。福岡市内だと大名の古着屋さんに行っていましたね。

 

ー2016年には嘉麻市の名誉市民になられましたが、嘉麻市でやってみたい仕事はありますか?
瀬戸:何ですかね?何があるんだろう?僕にできることと言えば、表現に関わることなので、子どもたちと表現することの大切さや楽しさを一緒に見つける何かをできればいいですね。小学校や中学校など母校に行ければいいですね。教える立場はハードルが高いので、同じ目線でやる方がいいです。
福岡銀行のCMなどにも出ているせいか、福岡の人からは「はじめて会った気がせんねってよく言われます。それは嬉しいことですし、こうして福岡に携わる仕事ができるのは嬉しいです。ほかにも何か福岡に関わるお仕事も出来たらいいですね。僕、「福岡感があまりない」って言われるんですよ。結構アピールしているんですけど、だからもっと福岡感を出したいんですよ。

 

 

役者としても、人問としても、
変化、成長していきたい

 

―今年のテーマは「変」ということですが、どんな意味を込めましたか?

瀬戸:毎年そうなんですけど、役者としても一人の人間としても変化、成長していきたいと思っています。もちろん、絶対に曲げられない部分とか、曲がらない部分はありますけど。

ー変えたい部分があるんですか?
瀬戸:良い意味でも悪い意味でも、頑固ですね。1回こうと思うと、それを曲げられなくなるんですよ。柔軟な発想が生まれなかったり、ちょっと見方を変えたりしなきゃいけないなと思います。まだ子どもだなと思います(笑)。

 

ー2020年5月にシアターコクーンで舞台『母を逃がす』の出演が決まっています。ほかにはどんな展開がありますか?
瀬戸:それ以外に言えることはまだありませんが、今年は忙しくなりそうです。いろんな瀬戸康史の一面を見ていただけるんじゃないでしょうか?

 

ー『母を逃がす』は同じ福岡出身の松尾スズキさんの作品なのでやりやすさみたいなものはありますか?
瀬戸:脚本は松尾さんですが演出は違う方なのでどうなるかわかりませんが嬉しさはありますし、エネルギーみたいなものを感じます。それに三吉(彩花)さんや山下リオさんといった顔なじみの方が一緒なので安心感もあります。脚本を読んだだけじゃどうなるのかわかりませんが、この舞台でこれまで知らなかった自分が見えてくるんじゃないかなと思います。

 

PROFILE

1988年5月18日生まれ。嘉麻市(旧稲築町)出身で、ワタナベエンターテインメント所属。近年ではドラマ『透明なゆりかご』や連続テレビ小説『まんぷく』(共にNHK)に出演して大きな話題を集めた。2019年放送『ルパンの娘』(フジテレビ)で演じた桜庭和馬役が絶賛される。映画ではカンヌ国際映画祭コンペティション部門受賞作『寝ても覚めても』(滝口竜介監督)などに出演。舞台『関数ドミノ』に出演し、文化庁芸術祭演劇部門新人賞を受賞。2020年5月にシアターコクーン(東京)での舞台『母を逃がす』の出演が決定している。さらにTBS 2020年4月期火曜ドラマ『私の家政夫ナギサさん」に田所優太役で出演する。

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