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上毛町「伝え継ぐ里神楽 米舞の宇宙」

平らな丸い盆に、その年の新米を敷き詰め、それを一粒もこぼさず回転しながら舞い続けます。「米舞(こめまい)」または「盆舞(ぼんまい)」と呼ばれる神楽のひとつです。まずは米を敷き詰めた平たい盆を片手に持って回転。次に米を2枚の盆に分け両手に持って回転。さらに2枚の盆を手の甲で支えて回転。数えてみると回転はおよそ18回転。難度はさらにエスカレートして、最後は盆を持ったまま膝をついて回転。何度やっても軸をブラさず、途切れない集中力と体力が必要です。

宮本雄一さん(唐原神楽講)は、数ある豊前神楽に中でも指折りの米舞の名手です。「目が回ることはないです。邪心を払い、心を無にして集中しないと盆の中の米が泳ぎだします。」と話してくれました。

米と盆の流れに逆らわず、神、米、盆、自分…すべて均衡がとれたとき、小さな宇宙が誕生します。上毛町を含む福岡県東部から大分県北部までの旧豊前国には、古来から受け継がれている伝統神楽が数多く存在しています。

平成28年3月には京築7市町で伝承されている10の神楽団体が、さらに平成29年4月には、上毛町の3つの神楽団体を含む24団体が「豊前神楽」として国の重要無形民俗文化財に指定されました。

上毛町の神楽は米舞をはじめ、「大蛇退治」「松会」「湯立」など、いずれも観客を楽しませる多彩な演目に定評があります。それだけに舞手も日ごろのトレーニングは欠かさず、人並み以上の体力と運動能力、さらには笛や太鼓もこなす芸術的なセンスも必要なのです。上毛町の子どもたちはそんな大人の姿に憧れて、今日も神楽を見に来ているのです。

成恒神楽講(なりつねかぐらこう)
明治10年代に成恒神楽組が結成され、昭和10年頃まで活動したが、舞手不足により中断。昭和55年に地元有志により「成恒神楽保存会」を結成し復活しました。
友枝神楽講(ともえだかぐらこう)
明治20年代に広沢渡(松次郎)を師匠として東上八神社の氏子に伝承され神楽組を結成。地域のイベントにも積極的に参加しています。
唐原神楽講(とうばるかぐらこう)
明治30年代後半に中津市三光大字佐知の「佐知の佐助」こと広沢渡(松次郎)を師匠として、下唐原貴船神社氏子の若者たちにより組織されました。

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