トップに
戻る

【福岡の企業】『保のゼロ』の科学的根拠と開発秘話<TAMOTSU Group>

TAMOTSU Groupの想い

福岡で唯一無二の商品を作っている会社《TAMOTSU グループ》会長による連載企画。『保のゼロ』の科学的根拠と開発秘話についてお話をうかがいました。

世の中の役に立つ新しい物をつくることが、
私が長年携わっている“開発”という仕事です。

山下会長はSDGsという言葉もなかったずっと以前から、自然環境のことを念頭に置いた仕事を続けている

 

『保のゼロ』の元となる『HBセラミックス』

《TAMOTSU Group》が開発・販売を手がけているのは、故人の尊厳を守り地球環境の保全に貢献する独創的な2つの商品。強消臭・強脱臭効果や腐敗抑制効果がありドライアイスの代わりに棺に入れることができ、 CO2の削減にも寄与する『保のゼロ』と、日本初の特許製品・金具類及び金釘無しの木製棺『LABO棺』だ。

《TAMOTSU Group》を牽引する山下会長に、今回はグループ名にもつながる『保のゼロ』のメカニズムについてうかがった。「『保のゼロ』は私が会社員時代に関わっていたセラミックス技術を基盤に開発したものです。ファインセラミックスは簡単に言えば磁器のこと。陶石などを焼成してつくり、肉眼ではわかりませんが、非常に小さな孔がたくさんある多孔質構造となっています。多孔質構造に消臭や脱臭の効果があることはかなり以前から知られていて、浄水器や空気清浄機に取りつけるカートリッジも同じような構造ですね。私たちは、新素材『HBセラミックス』を開発して『保のゼロ』をつくりあげました」。

『HBセラミックス』の科学的な構造

『HBセラミックス』は土壌と鉱石に含まれる有効成分を取り出した炭素化セラミックスを高温の真空炭化炉(約 1200度)により“蜂の巣構造化”させた天然セラミックス。蜂の巣状の壁の中は微細な無数の孔を持つ多孔質構造だが、それまでにあった素材とは一線を画す。「一般的に有害物質はプラスイオン。様々な鉱物を焼成させた『HBセラミックス』はマイナスイオンを発生し、プラスイオンをつかまえて吸着することができます。浄水器は水圧、空気清浄機は風圧によって有害物質を強制的に吸着させていますが、『HBセラミックス』を使った『保のゼロ』は置いておくだけで半径6 ~ 9m の範囲で効果があるのです。また、吸着した後、鉱物の配合によって発生する超微弱電流で、有害物質を分解して無害化することができます。つまり、何も交換する必要がなく半永久的な効果を持っているのです」。

その性能は高く評価され、温泉施設でのレジオネラ菌の抑制や、湖の水を浄化するプロジェクトにも使われてきた。また、神社・仏閣の宝物庫、東京都(3区2市)の災害備蓄用品としても採用されている。ペット業界からの問合せも多いそうだ。様々な可能性を持つ『保のゼロ」だが、一番の目的は故人の尊厳を守るためという山下代表の想いが変わることはない。「父を見送る時、棺の中に詰められたドライアイスで遺体が冷たくかたくなっていることを知ったのが『保のゼロ』を開発したきっかけなのですから…」。また、火葬時に焼却することで、 CO2・ダイオキシン類の発生を大幅に削減し地球環境の改善にも貢献している。

 

 

無限の組合せの中から実験で答えを導き出す

それまでなかった機能を持つ『HBセラミックス』。開発の過程にはどんなご苦労があったのだろうか?「原料に何を使うのか、配合はどうするのか。どうすれば超微弱電流を発生させることができるのか。焼成温度によって孔の密度は変わりますが適温は何度なのか。イメージはあっても初めから答えがあるわけではありません。すべてを試行錯誤から導き出していきましたが、とても地道な作業でした。鉱物など自然のものを利用しながら実験を繰り返してひとつの物をつくりあげていくことは、科学の原点だと言えますね。世の中の役に立つ新しい物をつくることが、私が長年携わっている“開発”という仕事なのです」。『HBセラミックス』の一粒の大きさはソフトボールくらいの大きさから始まり、次にピンポン玉くらいの大きさだったが、現在は直径0.5mm 長さ1 ~ 4mmの鉛筆の芯のようなペレット状。より使いやすいようにさらに進化している。

 

1社で取扱うのは唯一無二の 1商品

『保のゼロ』に次ぐ『 LABO棺』が生まれたのも、故人の尊厳を守りたいという想いから。火葬中に飛び交う釘類を排除し、遺体を傷つけることがないように考えられた棺だ。LABOは“研究”に由来する言葉であり、研究に必要なのは真面目で地道なこと。ここにも、物づくりに真摯に取組み続けていることを伝えたいという山下代表の想いが込められている。

人の尊厳を大切にする心と地球環境への配慮を、地道なものづくりの精神でカタチにしている《TAMOTSU Group》は、 1つの会社で取扱う商品は1点としているとのこと。1つの商品だけで長く会社を維持するのは難しいことだが『保のゼロ』は既に30年。 唯一無二の物に終わりはない。

 

aaa

 


お話しくださったのは、
TAMOTSU Group 会長 山下健治さん
鹿児島県出身。半導体の製造をはじめ各種産業に欠かせないファインセラミックスに関する研究開発に従事後、独立。
1989年にご遺体保全と環境保全に配慮した商品『保のゼロ』を取扱う《株式会社TAMOTSU》を、2018年に金具類及び金釘無し棺《LABO棺》を取扱う《株式会社e・LABO》を設立。

【今月の格言】

理想のリーダーとは…
ほがらかな人柄が良い、
子どもから大人まで親しまれる
人柄が良い。
そこには沢山の人や情報が集まり
素晴らしい環境となる。
情報は一番身近な資金であり、
財産となる

 

TAMOTSU Group
株式会社TAMOTSU

[所] 福岡市中央区大名2-9-29
[TEL] 092-406-2318
[HP] https://www.tamotsu.work/
[Instagram] @tamotsu_2022

《TAMOTSU Group》は2つの商品に特化してよりよい世界を目指しています。
『保のゼロ』

清らかな空気の中でお見送りを
非常に小さな無数の穴を持つHBセラミックスが化学物質を吸着し、棺に入れるだけの簡単な作業で故人様を守る。売上の一部は植林など地球の環境保全活動に貢献

『LABO棺』

天想
天翔

金具類および金釘無し棺
『LABO棺』天九(てんきゅう)シリーズは『天翔』『天想』その他数種類が用意されている。間伐材を使用することで森林環境の改善にも取組んでいる

法人様・自治体様向け情報サイトはこちら