トップに
戻る

【ふくおかアグリライフ】大地のチカラ「キウイフルーツ」

「ふくおかアグリライフ」では福岡の農業にフォーカス。

農作物の現場をフカボリする【大地のチカラ】

今回はビタミンCたっぷりの「キウイフルーツ」をピックアップしてお届けします!

 

 

みやま市の農家の宮本 篤さん。今回紹介してもらったのは「キウイフルーツ」。祖父の代から続く農家で、宮本さんが就農したのは8年前。現在はキウイ、みかん、すもも、ブルーベリーと4種の果樹を家族で生産している。

年間に約4tを収穫する宮本さんのキウイ畑。手がけているのは福岡県オリジナル品種の『甘うぃ』だ。約17度と糖度が高く酸味が少ない『甘うぃ』は、酸味に敏感な子供も喜んで食べるおいしさ。特にみやま市産のものは果実が大ぶりで甘く食べ応えもあるそうだ。

 

乾燥に弱いキウイフルーツの生産にスプリンクラーは必需品。木ではなく畑の土へ定期的に散水し、藁を敷くことで土の乾燥を防いでいる。

 

キウイの生産で大切なポイントは大きく2つ。ひとつはキウイの特徴として果実が大きければ大きいほど甘みが増しおいしくなるということ。だからなるべく実が大きくなるように育てることが大切だ。そのために大切な作業が間引きだ。実ではなく、つぼみができた段階で枝の根本から離れた分はすべて間引きする。なんと全体の1割程度しか残さないそうだ。残されたつぼみにはしっかりと養分が行き届き、一つ一つが大ぶりで糖度の高い果実に育っていく。一枝にだいたい3つ程度が実り、目いっぱい大きくなった10月上旬ごろが収穫の時期だ。

 

 

樹木ではなくツルの一種であるキウイフルーツの枝がまっすぐ伸びるようにワイヤーへ固定。実を大きく育ちやすくするためにかかせない作業だ。

 

もう一つのポイントは、実はキウイが樹になったままでは熟さないということ。樹から離れることでデンプン質が糖へと変化し甘みが増していく。そのために収穫後に甘みを出すために、一定期間貯蔵して熟させる必要がある。これを「追熟」と呼び、間引き同様キウイをおいしくするために欠かせない工程なのだそうだ。

 

キウイに大切なのが「追熟」。樹になったままでは熟さない性質のため、収穫後に一定期間貯蔵し、しっかりと甘みが引き出された状態で出荷する。「甘うぃ」の糖度17度はシャインマスカットとほぼ同じ。

 

「キウイはポイントをきちんと抑えれば生産しやすい果実。中でも『甘うぃ』はもっとたくさんの人においしさを知ってほしい品種です。今後は畑を広げて生産量を増やし、多くの方に食べてもらえるようにしたいですね」と宮本さん。『あまおう』同様、福岡のオリジナル品種として、広く県外にもそのおいしさが知れわたる日も近いかもしれない。

 

 

一つ一つを大きく糖度の高い果実にするために重要な作業が間引き。つぼみができた段階で、養分が届きにくい枝の根元から離れたものを中心に約9割を間引きする。

 

 

 

法人様・自治体様向け情報サイトはこちら