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福津市長 原﨑 智仁 インタビュー

本誌編集長が最近気になる市町村長を訪れ、本音でインタビューをしていく連載の第14弾。今回は、夏といえば「海」ということで、ここ数年注目度が高まっている、福岡のイーストコーストの中心地であり、素敵なカフェやショップが立ち並ぶ美しい海岸線がたくさんの人を魅了し続けるまち、「福津市」におじゃましてきました。
 
福岡県北部にある福津市といえば、真っ先に頭に思い浮かぶのは玄界灘の青い海と総延長22キロメートルにも及ぶ海岸線という人は多いのではないだろうか。白砂青松の美しい砂浜に代表される、玄海国定公園や津屋崎・福間海岸の自然環境はもちろん、そこで獲れる新鮮な海の幸をつかった絶品グルメ。さらには、国内外から多くの観光客が訪れる宮地嶽神社やユネスコの世界文化遺産に登録された新原(しんばる)・奴山(ぬやま)古墳群をはじめ、鮮度抜群の農産物や海産物を買い求めることができる『ふれあい広場ふくま』や『あんずの里市』…など、あげ出したらキリがないほど福津市には名所見所が満載なのだ。そんな魅力たっぷりの福津市は、福岡屈指の観光地として確固たる地位を築く一方、近年では、福岡市、北九州市といった大都市のちょうど中間に位置する立地条件から、自然豊かな暮らしと都市生活の両方が楽しめる移住・定住先としても知名度が急上昇。その人気ぶりは、全国の市区を対象にした住みやすさのランキングで九州ナンバーワンに輝いたことがあるほどで、今やその名は全国区になりつつあるのである。
 
今回はそんな注目度満点の福津市の市長に就任して2年半余りという、原﨑智仁市長を直撃取材。福津市のランドマーク『宮地嶽神社』のお膝元の人気店『四季酔亭・宮地館』で名物の鯛茶漬けに舌鼓を打ち、CMで人気アイドルグループ・嵐が訪れ、一躍有名になった宮地嶽神社参道「光の道」や漁師直送の海鮮食材の宝庫、津屋崎漁港のお魚センター『うみがめ』を巡りながら、故郷への熱い想いをたっぷりと語っていただきました。

昭和45年7月4日生まれ、福津市出身。福岡高校、早稲田大学政治経済学部卒。社会福祉法人「玄洋会」職員を経て、平成23年1月から平成29年1月まで福津市議会議員を務める。その間、議会広報調査特別委員会委員長、市民福祉委員会委員長を歴任。平成29年3月、福津市長就任。趣味はドライブ、特技はサックス、好きな食べ物は博多うどん、座右の銘は「下を向いていたら虹を見つけることはできない」、尊敬する人は福田恒存。写真は神々しい夕陽の景色で有名な「光の道」(宮地嶽神社参道)にて

インタビュアー:「令和」がはじまりました。これから福津市はどんな新時代を描いていくのでしょうか。

令和の新しい時代になり、市長の任期としては、今年の4月から3年目を迎えています。
 昨年は東洋経済新報社の「住みよさランキング」で九州ではナンバーワンになり、福津のまちが注目を集めました。そうして迎えた、3年目の決意としては、昨年の3月からすすめてきました「持続可能なまちづくり」をさらに押し進めていきたいということです。
 福津というまちはもともと持続可能なまちづくりに積極的に取り組んできた歴史があります。まずは福津といえば「美しい海」が地域の宝ですが、この宝物は地域の方々が民間主導による保全活動を30年以上ずっと続けてこられたことで守られてきたものです。これは全国に誇れる持続可能なまちづくりの土壌が福津に根付いているということの証であり、素晴らしい歴史なんです。さらに、その土壌を基盤にして、津屋崎エリアでは、全国に先駆けて、いち早く移住・定住促進や空き家対策を実施することで、持続可能なまちづくりにおけるソフト面での環境整備を行なってきました。ありがたいことに、関係各位の努力によって良い成果を上げています。
 そのような条件が揃ってきたおかげで、福津市は若い世代の人口が増えているという恵まれた現状があります。ただ若い世代が増えている今だからこそ、10年後、20年後の将来を見据えた持続可能なまちづくりが必要だと考え、その構想も盛り込んだ、新しい持続可能なまちづくりプロジェクトを昨年の3月からはじめたところです。
 そのプロジェクトの大きな目標のひとつが、国が進めている地方創生推進事業のひとつ「SDGs(持続可能な開発目標)未来都市」(以下参照)でした。この認定を受けるのは大変で非常に狭き門なのですが、二度目のチャレンジで、今年の7月にようやく認定していただくことができきました。

これからが福津市の新しい未来を育む「持続可能なまちづくり」の新時代の幕開けです。任期3年目の今年は、ぜひともこのプロジェクトを成功に導く一歩を切り拓き、日本全体が抱えている人口減少、少子・高齢化、過疎化という課題に対しての解決モデル都市として、この「福津方式」が地方創生のお手本のひとつになれるように全精力を注いでいく覚悟です!
 松林、干潟、福津に産卵にやってくるウミガメの保護、山林や農地など、福津の市民に根付いていた崇高なボランティア精神によってそのほとんどが再生に向かってきました。しかしやはり一番の課題は担い手不足なんです。その「人のリレー」を持続可能にするには、経済・社会・環境の中でも、経済を特に強化して、福津のファンや関係人口を増やし、ブランド力を高めていかなければならないと考えています。これが今の抱負です。

『宮地館』大将(写真左)自慢の福津名物『鯛茶漬け』を味わいながら、福津の未来への想いと愛情を熱心に語ってくれました

インタビュアー:その福津ブランドをつくり出しているのが、市長が就任当初から掲げている「対話によるまちづくり」だと思います。市長が理想とする「対話があるまち」とはいったいどんなまちなのでしょうか。

市議会議員になった当時の福津市は、ハード面は揃ってきていたけども、人口はまだ減っていました。その頃から私には、市民の参加、市民の声がもっと市政に反映されるべきだし、行政だけに頼るのではない、民間だけが担うのではない、互いにもっと枠を飛び越えて、ともに福津のファンを増やしていく、「オール福津」による市政を実現したいという思いがありました。その志が、市長に立候補した理由だったんです。
 その実現のために私の政治の柱に据えたのが「対話によるまちづくり」でした。実は市議会議員に立候補するときからこの対話というテーマを掲げていました。日本には聖徳太子の時代から「対話」という素晴らしい文化があったじゃないかと、それが近代になり欧米化していく中で対話の影が薄くなり、討論の文化が色濃くなってきてしまっているんじゃないかと。民間も行政もそれぞれの立場や枠組みを超えて、対話が生まれるまち。市民みんなが、いろいろな意見に耳を傾け、意見を交わすことを繰り返していけるまち。そういうまちこそ、持続可能なまちなのではないかと、私は信じています。

インタビュアー:最後に子育て世代を中心に人気が高まっている福津の魅力と未来像についてお聞かせください。

全国で一番元気が良い福岡市に近い環境にありながら、漁師さんや農家さんがたくさんいて、美しい自然環境を守っていける土壌があるということ。だからこそ、新鮮な食材が身近にあり、観光で寄るにも、住み暮らすにも、福津でしか体感できない「幸せの物差し」がしっかりあることが最大の魅力だと思うんです。
「綺麗な自然があって、温かい人もいて、世界遺産もあるまち」。そうやって福津ファンを増やしていくことで、子どもたちにこそ、そういったシヴィックプライドを持ってもらいたい。若い子が「福津が大好き」だと胸を張って世界に飛び出せる、グローカル人材が育つまちにしていくこと。それが私が描く福津の未来像なんです。ぜひ、みなさんも「福津ファン」になってください!

この日は津屋崎漁港で旬のサザエ、真鯛、イカを視察。原﨑市長自ら現地に出向いて、生産者と交流を深めながら福津市の「豊かな食文化」をトップセールスすることも珍しくない! 玄界灘の海の幸と、肥沃な大地が生み出すキャベツ、カリフラワー、ミニトマトなどの農産物。福津では新鮮食材を毎日手軽に楽しめる!

宮地嶽神社のお膝元でゆっくりと名物グルメづくしで、ひと休み!!

 宮地嶽神社の参道入口にある人気食事処。宮地嶽神社の社紋・三階松の型がついた名物「松ヶ枝餅」(白、ごま、よもぎ、抹茶などあり、テイクアウト可)をはじめ、福津名物『鯛茶漬け』、烏賊の活け造りやおまかせ会席などメニュー豊富。土産物もあり、食事はもちろん、お茶屋としての利用もできる。
福津市宮司元町2-1
0940-52-0176
定休日:水・木曜
駐車場:あり

行ってみたい!住んでみたい!福津市BEST3

福津市に行ったならぜひチェックしたいスポットをピックアップ。

福津市役所 http://city.fukutsu.lg.jp/

ふくつ観光協会「ふくつぶらり」 http://fukutsukankou.com/

世界文化遺産の新原(しんばる)・奴山(ぬやま)古墳群

世界遺産に登録された「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」のひとつである、国指定史跡「津屋崎古墳群」の一角を成す「新原・奴山古墳群」。宗像君一族の墓と考えられる5〜6世紀の前方後円墳5基を含む41基の古墳群が見学できる。

まさに「神々しい」光景は一生の感動体験!!

全国に鎮座する宮地嶽神社の総本宮である『宮地嶽神社』。参拝客は年間約400万人。まっすぐ宮地浜の海原に向かって一直線に延びている参道は、海辺のまちならでは。2月と10月の年に2回、その海へと続く参道の真ん中に夕陽が沈む光景は『光の道』と呼ばれ、一目見ようと毎年大勢の人で賑わいをみせる。

宮地嶽神社

福津市宮司元町7-1
0940-52-0016
http://www.miyajidake.or.jp/

玄界灘の新鮮な海の幸と、福津名物『鯛茶漬け』
大人気『福津めんべい 鯛茶漬味』は必食ですよ!!

福津名物といえば、玄界灘で獲れた活きの良い魚介類。まずは津屋崎漁港併設のお魚センター『うみがめ』をぜひ覗いてみよう。また、天然真鯛を使った『鯛茶漬け』も名物のひとつ。市内の飲食店が参加する「ふくつの鯛茶づけフェア」(毎年5〜6月開催)は毎年大好評。中でも今話題になっているのが、山口油屋福太郎の大ヒット商品『めんべい』と福津名物『鯛茶漬け』がコラボした『福津めんべい 鯛茶漬味』。ふくつ観光協会プロデュースのアンテナショップ『手みやげや ふくつ本舗』ほかで、市内限定発売中。ぜひ味わってみよう!
  • お魚センターうみがめ

    福津市津屋崎4-47-18
    0940-52-1939

  • 手みやげや ふくつ本舗

    福津市中央6-11-39
    0940-51-3181

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