【舞台挨拶レポート】映画『線は、僕を描く。』小泉徳宏監督×横浜流星×砥上裕將
10月21日より公開の“水墨画×青春”をテーマに描いた『線は、僕を描く。』の舞台挨拶がアミュプラザ博多9階のT・ジョイ博多にて行なわれた。映画上映後、『カノジョは嘘を愛しすぎてる』(’13)や『ちはやふる』(’16~)シリーズなどの小泉徳宏監督と主演を務めた横浜流星が登壇。さらに福岡出身の原作者であり、水墨画家の砥上裕將がサプライズで登場するなど、作品に対する熱い思いを語り合った!
―まずは、主演の横浜さんから観客の皆さんのご挨拶をお願いします。
横浜:本日はお越しいただきありがとうございます。青山霜介役を演じました横浜流星です。福岡に来れて、本当に嬉しいです。短い間ですが、楽しんでいってください!
監督:監督を務めました小泉徳宏です。コロナの間をぬって、博多に来ることができて嬉しいです。本日はよろしくお願いします。
砥上:原作者兼小説家、水墨画家の砥上裕將です。よろしくお願いします。
ー横浜さん、福岡は久しぶりでしょうか?
横浜:そうですね、もう何年ぶりでしょう(笑)。舞台挨拶や舞台をした時に来させてもらったのが最後なので、本当に久しぶりですね。
ーズバリ! 福岡のここが良いなと思うところは!
横浜:ごはんが美味しい!
ー原作者である砥上さんご自身がこの作品を観た感想は?
砥上:本当に言葉にならないくらい感動しました。“観ればわかる”といった感じです。一瞬でした。
ーそんな評価を受けて横浜さん、いかがでしょうか。
横浜:生みの親からそんな風に言って頂けるのは僕ら嬉しいです。ね、監督。
監督:そうですね。“観ればわかる”ってその通りで、小説の中でも名セリフですよね。
砥上:そうなんです。だから作品を観終わってずっと言いたかったんです(笑)。
ー映画化が決定したとき、どんな気持ちでしたか?
砥上:監督の目の前で本当に言い辛いのですが、「本当にやるの?」っていう(笑)。いくつもの障壁があることが容易に想像できましたし、撮影で技術的にも難しい部分があると思っていたので、これをやる人は大したもんだなあと思っていました。
ーでも、カタチになりましたね。監督。
監督:そうですね。最初に砥上先生にお会いしたとき、水墨画の手ほどきをしていただきました。映画の中で横浜さんと清原さんのふたりが一緒に筆を持つシーンがあるのですが、そういうシーンも実際に砥上先生に指導して頂いていた中で生まれたシーンなんです。
砥上:水墨画を教えるためによく使う方法(一緒に筆を持つ)です。共に筆を取ることで、言葉以外のものを伝えられると思います。
ー横浜さんにも直接手ほどきされたそうですが、いっしょに筆を持った感覚はどうでしたか?
砥上:指先まで力がしっかりと伝わる良い手でした(笑)。
《映画鑑賞直後のファンの方々からの質問コーナー》
Q:撮影で大変だったことは何ですか?
横浜:やはり水墨画のシーンですね。霜介の部屋で一心不乱に描いてるシーンは、集中力を使い過ぎて、だんだん意識が遠のいてどこかにいきそうになりました(笑)。結果、そのシーンは監督の編集の力もあり、すごく素敵なシーンにしてくださったので感謝です。
監督:横浜さんが話してくれたシーンは音楽にのせて筆が進んでいくようなシーンなのですが、そのイメージを現場に伝えるのが難しかったです。「大丈夫、大丈夫」と言い続けて撮るのが大変でした。監督の仕事としてはよくないかもしれないんですが…(笑)。次からはもっと頑張ります(笑)。
Q:日本だけに留まらず世界に広まってほしいと思う作品だったのですが、今後どういう人たちに観てほしいですか?
横浜:水墨画の生まれは中国だとお聞きしたので、まずは中国の方に見てもらいたいのはもちろんですが、実は先日パリへ行ってきて、パリの映画館の支配人に「この作品を上映してほしい」って話をしました。本当に国を越えてたくさんの人に見てもらいたいです。
監督:実はフランスって水墨画に興味のあるお国柄なんです。水墨画を監修されている小林東雲先生が、海外で多くの水墨画を披露した経験をお持ちの方で「どの国が一番いいでしょうか」と相談した際に「フランスがいちばん適当だ。」と仰っていたんです。さすがは芸術の国、アートに対して興味を持ってくれる国だと思うので、もしフランスで上映される機会があればたくさんの方に観ていただけるんじゃないかと思います。そして、中国はもちろん、アジア全域の方に観ていただきたいなと思っています。
砥上:“青春×水墨画”って今まで結びつかなかったものなので、一生懸命に生きようとするひとたちに観ていただきたいです。
ー作中で湖山先生が霜介に「水墨画は君の生きる力になると思うよ。」と語りかけるシーンがありますが、皆さんが生きる活力や、生かされてると感じることは?
横浜:仕事をしている上で生きられていると感じるのは、僕に携わっている方々やこうして作品を観に来てくださった方々、ファンの方々のおかげだと思っているので、本当に日々感謝しながら生きています。僕らの仕事って本当に地味で大変作業なんですが、チームのおかげで、皆さんのおかげで乗り越えられています。
ー最後に来場してくださった方々へメッセージをどうぞ!
横浜:今日は大阪、そして福岡とやって来たのですが、舞台挨拶はなかなか地方で出来ないことが多かったので、コロナが少し落ち着いて、実際にこうしてたくさんの方の顔を見てお礼が言えるのが本当に嬉しいです。今皆さんが作品を通して感じたことをどうか周りの方に伝えていただいて、皆さんの力でこの作品を大きくしていってもらえると嬉しいです。皆さん、本日は本当にありがとうございました!