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【レポート&インタビュー】上白石萌音主演『L♡DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』 

原作は1088万部突破の人気少女コミックで、’14年には剛力彩芽と山崎賢人で映画化され全国に“壁ドン”ブームを巻き起こした『L♡DK』がキャストを一新し再び映画化!

学校一のイケメンと秘密の同居生活を送るヒロインの前に彼氏の従兄弟が現れ、予測不可能な三角関係に発展していく超至近距離ラブストーリーだ。本作の公開を記念して、T・ジョイ博多での舞台挨拶にヒロイン・葵役の上白石萌音と、3人目の同居人で葵の彼氏・柊聖の従兄弟・玲苑役の横浜流星が登壇!

福岡に来たら必ず屋台に行くという上白石は「私は鹿児島出身ですが、福岡は人との距離が近くて大好きです。昨日も屋台で『どこから来たと?』って声をかけられました」、横浜は「僕はその間は寝ていたんですが(笑)、舞台挨拶が終わったら色々ご飯食べたいですね。福岡は美人が多い印象です」とそれぞれ福岡について話し、場内のファンを沸かせていた。そして2人の共演については「実は彼氏の柊聖と2人きりより、玲苑と2人きりのシーンの方が多いんですよね。何度も抱き上げてもらったりしました。横浜くんは細いのに力がおありで」(上白石)「いえいえ、プリン作りのために卵を早くとくシーンとか、次の日に筋肉痛になったから(笑)。萌音ちゃんは撮影中は僕が盛り上げ役だったと言ってくれるけど、本当にそうだったかな?」(横浜)「ずっと歌ってたよ。声量も今の4倍ぐらいあった(笑)。玲苑が憑依していたんだと思う。常にいけいけドンドンでいてくださって。私と彼氏役の杉野くんはマイペースで、一人そういう人がいてくれてありがたかったし、現場全体の士気がグッと上がっていたと思います」(上白石)「かき乱す役の玲苑は演じていて面白かったですね。やりがいがありました。ただ、嫌なやつになりすぎてもいけないし、原作を読むと不器用だけど可愛くて憎めないやつだったので、その加減は難しかったです。葵のことを認めないとか言いながら徐々に惹かれていくところも、繊細に丁寧に演じないといけないと思っていました」(横浜)とコメントし、終始和やかな雰囲気で舞台挨拶は終了。ラストには2人からのサインボールが客席にプレゼントされ、横浜からの「ばり好いとうよ!」という博多弁で締めくくられた。

そして、舞台挨拶後には主演の上白石萌音に改めてインタビューを実施! 自身にとって初挑戦だった恋愛映画のヒロイン役について、そして作品についてたっぷりと話してもらった。

—恋愛映画に初主演されていますが、心境を聞かせてください。

上白石:撮影までの間と撮影期間中は、「“可愛い”ってなんだろう?」って病的なまでに“可愛い”について考えていました。いろいろな作品を見る時も「どうやったら“可愛い”んだろう」って“可愛い”を探すようになっていて。先日、撮影中の日記を読んだのですが、“可愛くなる方法”とかを検索していました(笑)。自分のコンプレックスや自信のない部分をどうやって納得して葵としていられるか考えて。「ヒロインです!」と自信を持ってカメラ前に立つことは結局できなかったんですけど、少しでも観る方が集中できるようにちゃんとヒロインをしなきゃいけないというプレッシャーは凄くありました。今まで映画に出る時、「綺麗に映りたい」、「可愛く撮ってもらいたい」とか1回も思ったことがなくて。でも、やっぱりキラキラとした恋愛映画は“画としての美しさ”も大事なんだなと思いました。それを私がどこまでできているかはわかりませんが、監督とスタッフさんが一所懸命に綺麗に撮ってくださったと思うので、それには感謝しています(笑)。

 

—これまでの作品で見たことないような上白石さんの表情が多かったように思います。

上白石:ありがとうございます。でも、他の映画のヒロインだったらやらない顔もいっぱいしていると思います(笑)。そこは、もうなにも意識せずに今までの「どう映ってもいいから映画が良くなれば」というスタンスを大事にしていましたね。

 

—原作を読んだ時の感想を教えてください。

上白石:“全女子に送るラブレター”みたいな感じがしました。ページをめくるたびになにかが起きるし。見た目は輝かしい感じがしますが、実際に登場人物が抱えている問題はすっごくリアルでシビアで。そういうところに、この作品の魅力や支持される理由を感じました。将来について悩んだり、映画でも「誰が父親の仕事を継ぐか」という継承問題もあります。ちゃんと影の部分が影として描かれているなと凄く思って。これはみんな共感して、キュンキュンしながら知らず知らずのうちに将来を考えるような仕掛けになっているのかな、と思いました。実際に作者の渡辺あゆ先生にお会いして、「先生が葵なんだ」って思ったんですよね。先生も小柄な方で、でもなにに対しても純粋に喜んでキュンキュンされていて、そう思って描かれているわけじゃないと思うのですが、「あぁ、葵自身なんだな」って。なので、現場に先生がいらした時は、先生をずっと観察して「あ、今の動き、可愛い! 私もやろう」というものもありました。

 

—実写化するうえでハードルに感じていたことはなんでしょうか?

上白石:なにが起こるかわからないのが人生ですけど、恋愛ものの真ん中に立つというのを想像していなかったんです。それだけはないと本当に思っていて。なので、そこの驚きと戸惑いが大きかったのはありますね。でも、作品に入っちゃうとその気持ちが助けてくれたんです。葵ってめちゃくちゃ人気がある学校のマドンナではないんですよね。「なんでこいつが」っていうセリフも結構あるんですけど、普通過ぎて「(イケメンの)彼女かな?」って疑われるレベルでもない子っていうのが大前提で。漫画ではめちゃくちゃ美少女に描かれているので、そこに私が捉われ過ぎていたんですけど、台本をじっくり読んで監督の演出を受けると、本当に平凡な目立たない子で自信もなくて「お願い、私を誰も見ないで」っていうタイプの女の子で、「あ、なんだ。私と一緒だ」と思って。そこで葵と結託できたというか。最後まで自信がなくてよかったって。そこに自信やあざとさ、思惑が生まれると葵ではなくなってしまうので。

 

—では、今日の舞台挨拶のようにキス寸前の映画のポスターがあちこちに貼られている状況というのは…。

上白石:もうもうもうもう…見られないです(笑)。私、最初に取材を始めた時、映画のチラシは恥ずかしくて裏返していました。でも、怖いもので慣れるんですよね。もう大丈夫なんですよ(笑)。それはもう2人との関係性もあるんだと思うんですけど、撮影からしばらく会ってないと、ポスターなどを見た時に柊聖と玲苑として見てしまうし、「お〜! 私なにやってんの!」って思うんですけど、今はちょっと一歩進んだ感じもあります。

 

—3人での空気感はいかがでしたか?

上白石:私、本当に心配だったんですよ、杉野さんと横浜さんは最初から仲が良いので。しかも、この映画の特殊な部分は、柊聖と付き合っているところから物語が始まるところで。心配で心配でしょうがなかったんですけど、会った瞬間に「あ、大丈夫だ」って思いました。最近のポリシー?じゃないけど、“人は顔”っていうのがあるんですよ。2人みたいにイケメンに対してだと語弊が生まれますが、人って人相に全部表れるじゃないですか。笑い方とか目の見方とか、それで人って全部わかると思っていて。2人の顔を初めて見た時にすっごく安心したんですよね、「2人とだったらこの高い壁をなんとか乗り越えられるかもしれない」って。その直感は間違っていなくて、本当に2人とも柔軟な人たちで、こんなどこの馬の骨かもしれない私を2人の仲の良い雰囲気に迎え入れてくれて(笑)。だから撮影の間はノンストレスで。なにやっていたか覚えてないくらい一緒にいる時間が自然で、みんなでお弁当を持ち寄って食べたりだとか、たまにふざけたりとか、真剣にシーンについて話し合ったりとか。自分の本心を出しても大丈夫だって安心できる人たちでした。今こうやってキャンペーンで回っている時間すらも終わってほしくないなって思うぐらい、この3人でいるのは居心地が良いです。

 

—お2人の意外な一面やギャップを感じた部分はありましたか?

上白石:杉野さんはド天然というか、斜め上をいく人なんですが、めちゃくちゃ頭が良くて常に考えていて。考えすぎて思考が変わっている。自分の世界を持っていますね。葵は柊聖に対して「なんでそう言ってくれないの?」ってヤキモキするんですけど、柊聖と違って杉野さんは思ったことをバッっと言ってくれます。「しんどい」とか「眠い」とか言ってくれるし、台本で「ここわからない」とか「どうしたらいいかな」とか、そういうのもスパーンと言ってくれますね、特に心を開いてからは。「そんなこと私に言っていいの?」ってことまで明け透けに話してくれるので、そういうところが凄く魅力だなって。背が高くてクールなイメージですけど、結構甘え上手だし、人と素敵に付き合う術を知っていて、それを天性としてやっている人だなって思いますね。横浜さんは物凄く気ぃ使いですね。でも、それが自然すぎて最初はそれが気を使っているんだってことに気づかなかったです。場の空気を読んで自分が今どういう風にいたらいいのかを考えて行動する人だなって思いました。相手の心を汲んで、嫌みなく支えられる人です。

 

—その杉野さん、横浜さんと撮影していきながら「こんな作品になるだろう」という想像はありましたか?

上白石:とにかく“胸キュン”と言われる動作、言葉のオンパレードのような感じがしていて。正直想像はついていなかったです。でも、完成した作品を見て、それだけではない、むしろそれがきっかけでその奥に深い部分、さっきも言った影の部分や本人たちが悩んでいる部分がある気がして。壁ドンの向こう側?(笑)を見た気がしました。本当にそれぞれの人生の分岐点が丁寧に描かれていて、それはきっと監督の作品への愛とリスペクトだと思いますし、私たちは監督がおっしゃることを完全に信じてやっていたのでそれは間違っていなかったんだなと今は思います。

©️「2019 L♡DK」製作委員会

■映画『L♡DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』公開中
http://www.l-dk.jp/

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