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【フクオカリノベ 2022 no.9】リノベを検討している人は要チェック!福岡県庁住宅計画課で聞いた“もらえる補助金”

世界的な情勢の不安によって、ここ数年、資材費、燃油高の高騰による輸送費などがかさみ、建築費の高騰が続いている。しかも、数年待てば落ち着く状況でもないため、リノベのタイミングに苦慮している人も多いかもしれない。今回は、賢くリノベを実現するために、リノベ関連の補助金について県庁の住宅計画課を直撃。施工前に押さえておきたい補助金制度について伺った。

 

リノベ人気が加速
理由と期待とは?

リノベの黎明期は、2013年度補正予算によって、国土交通省の「長期優良住宅化リフォーム推進事業」が始まった頃に遡る。国の政策に後押しされる形でリノベを手掛ける会社も増え、品質やデザイン性もアップ。じわりじわりと市民権を得るようになった。近年は新築よりも、むしろリノベの方がコスパや資産価値の面からも賢い選択、という前向きな理由からリノベを選ぶ人が増加。欧州と同じように、リノベが一つの文化になりつつある。

2020(令和2)年からは、さらに成長期を迎えている。国が「2050年カーボンニュートラル」を宣言したことから、住宅に対するテコ入れが加速しているのだ。その背景について、担当の高宮さんはこう話す。

【住宅計画課 高宮さん】
2008年入庁。空き家や中古物件の流通事業を担当後、今年度より省エネ・耐震など幅広い住宅政策に携わる。「事業者からも補助金の提案ができるよう、事業者向けセミナーも行なっていきます」

「新築の場合は、住宅メーカーを筆頭に省エネ住宅の普及が進んでいます。一方、既存の住宅については、省エネ化に対応しきれていないのが現実です。1980(昭和55)年の性能基準を満たしていない『無断熱』等の戸建て住宅は、全国に約3割もあるそうです。現行(2016年/平成28年)の省エネ基準を満たしている戸建て住宅は、わずか13%と少ないんですよ」(国土交通省の2019年の推計より)。

リノベに期待されているのは、廃棄物排出量や木材の伐採の削減だけではない。家の断熱性能が向上することによる電気使用量の低下など良質な住宅ストックの形成により、脱炭素社会が実現することも期待されているのだ。

 

物件購入前にやっておこう!

補助金を活用して
住宅の状況を診断
安心して中古物件に住もう

新築以上に、リノベの需要が高まっているとはいえ、まだまだ中古物件に不安を持っている人も少なくないだろう。そんな人こそ積極的に利用したいのが、「住まいの健康診断」。これは、福岡県が発起人となって設立された『住宅市場活性化協議会』の事務局である『(一財)福岡県建築住宅センター』によって実施される建物や設備配管などの調査。売却または購入予定の中古住宅(新築後1年以内の建物は実施不可)が対象で、5万5000円で基本的な診断を請け負ってくれる。

しかも、中古物件を取り扱う仲介業者が『(公社)福岡県宅地建物取引業協会』または『(公社)全日本不動産協会』の会員であれば、利用負担額は2万5000円~3万5000円(所有者の居住地によって変動)とさらに安くなる。徹底的に調べたい時は、オプションで耐震診断や床下侵入調査などもできるので、購入前に住まいの状況を把握し、長く住み続ける家へアップデートしよう。物件探しから始める人も、親族所有の物件を引き継ぐ人も、ぜひ押さえておきたいポイント。

 

リノベ計画中にやっておこう!

補助金の種類はさまざま
賢く選択しよう

脱炭素社会の実現のため、リノベに関する助成も増えている。2022年3月から全国的に実施されている「こども未来住宅支援事業」は、リフォームに対して最大30万円の補助金を交付している。子育て世代や、夫妻どちらかが39歳以下の若者夫婦世帯の場合は、最大60万円まで上限が引き上げられるため、該当世帯は有効活用しよう。ただ、この補助金は、事前に登録した施工業者しか申請することができないので、検討中の工務店が申請済み業者かどうか、確認しておきたい。

依頼した工務店が該当していなかった! という場合も、ご安心を。業者を問わず、施工内容が該当すれば助成が受けられる「既存戸建て住宅断熱改修費補助金」を福岡県が7月よりスタートさせた。こちらも断熱改修工事の実施に対する補助で、最大120万円(補助率3分の1)と補助額が大きい。「改修する部屋に居間または主たる居室を含むこと」「延べ床面積における補助対象面積の合計に占める最低限の割合以上を改修すること」などの規定はあるものの、工事規模が大きい場合は、満額申請も期待できる。他の助成金とは併用できない場合もあるので、一番恩恵の大きい制度がどれか、工務店と一緒に比較検討してみよう。

先に紹介した「住まいの健康診断」を条件に、福岡県が実施する『リノベde補助』の利用も可能。この補助金は、若年世帯や子育て世代が既存住宅を取得し、子育て仕様にリノベする際の工事や、親世代と子世代が近居・同居するためにリノベする際の工事に対して費用の一部が補助される。子育て対応改修と新しい生活様式対応改修の両方が必須で、任意の高齢化対応改修を加えると、最大55万円の補助がある。詳しくは『リノベde補助』を検索!

【住宅計画課 桑原さん】
2008年入庁。今年度より空き家や中古住宅の流通などの事業に従事。「福岡県は空き家の流通や支援が盛んです。ぜひお気軽にご相談してください」

このように、国や県、市町村の独自補助がある可能性は高い。担当の桑原さんは「安心して長く住める家にリノベする際、住まいの健康診断をはじめ、国や各自治体で推進されている制度や補助金を有効活用してほしい」と話している。

 

【問合せ】
福岡県 建築都市部 住宅計画課 住宅環境整備係
TEL:092-643-3734

 


詳しい内容は現在発売中の『フクオカリノベ2022 no.9』にて。

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