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Fuku Spo – 福岡ソフトバンクホークス/工藤 公康

工藤 公康(Kudo Kimiyasu)監督・背番号 81

©SoftBank HAWKS

勝ちたい!という選手の強い思いが日本一への後押しに

ホークスファンの皆さん、いつも応援ありがとうございます! いよいよ2019年のリーグ戦が始まります。何年この世界に身を置いていても、やはり開幕前はワクワク、ドキドキするものです。昨シーズンは日本一にこそなりましたが、やはりリーグ優勝を逃した悔しさの方が大きい。長いシーズンを考えるとリーグ優勝の重みは何物にも代えがたく、そこは選手も同じだと思います。リーグ優勝できなかった悔しさが、日本シリーズの結果につながったのかなと思っています。 

選手たちにとっては9月の終盤くらいから最後の1カ月間にかけて、体力的に本当にキツかったはずです。そんな中でも、僕には彼らの「勝ちたい!」という強い想いが伝わってきました。僕が監督をやった4年間の中でも、勝利への想いは昨シーズンが最も強かったんじゃないかな。体力的には厳しかったけれど、気力はとても充実していた。本当によく戦ってくれました。

 

能力の高いルーキーが入団!若手の懸命な姿がチーム全体のいい刺激に

今年の春季キャンプは4人の新人(甲斐野央選手、杉山一樹選手、板東湧梧選手、奥村政稔選手)がA組に参加しました。これは僕が監督になって初めてのこと。そのくらい高い能力の子たちがプロの世界で生き残るために必死でくらいついてくる姿は、今いる先発陣にもリリーフ陣にもいい刺激になってくれています。
 
新人の中でも一番年上の奥村君はいいキャラで、若い子ともすぐ打ち解けて 逆にイジられてるくらい(笑)。それでも走る時や投げる時は常に全力で、いいムードを作ってくれていました。何しろホークスのキャンプはかなり厳しいので、若い子たちはおそらくついてくるのがやっと。1日1日を一所懸命という中で、よく壊れないでついてきたと思います。しっかり結果も残しているし、本当に先が楽しみです。

僕のルーキー時代と比べてですか?いやもう彼らは身体も大きいし、能力もポテンシャルも高い。僕が入った頃とは比べちゃいけないくらいです(笑)。僕は選手の能力は冷静に見極めるタイプですから、仮に今の僕が監督として新人の頃の自分を見ても「使えねえなあ」と思ったでしょう。(当時の監督の)広岡さんがなぜ使ってくれたか分からないですが、今のホークスのA組には入れていませんね(笑)。

 

勇気を持って盗塁、走塁にチャレンジ!失敗も学びにして成長を

今シーズンのホークスのテーマは盗塁と走塁。選手には超積極的にトライしてもらいたいと思っています。チャレンジ精神はいろんな意味にとらえられますけど、要は「勇気」。打つことも投げることも走ることも、失敗を恐れず勇気を出してチャレンジすることが基本。失敗してこその学びもあるので、どんどん失敗の中から学び、成長してほしいですね。

自分で自分を見つめるだけではなく、まわりから自分がどう見えているかを聞いてみると意外と面白い答えが返ってきます。プロ野球っていうのは、結果的にはお客さんに見てもらう中で高いパフォーマンスを発揮しなくちゃならない。だから、自分をしっかり見つめることと同じくらい、自分がまわりからどう見えているのかを問うことも大事だと思います。

 

走る今年のホークス、本多コーチの激アツな指導にも期待!

盗塁、走塁という点で考えると、新しくコーチ陣に加わった本多君にも期待するところは大きいですね。彼は基本的に明るい。時には怒ることもありますが、それは選手たちのためであり、勝つためであり。どんな場面でもしっかりと前を向いているところがいい。彼の持ち味をどんどん出して、のびのび指導してもらったら選手の力も引き出せると思います。

僕が監督になって今シーズンで5年目。1年として同じシーズンはなく、監督として難しいと感じることは山ほどあります。プレーをするのは選手たちですし、思い描いた通りになることも決して多いわけではありません。ただ、そういう中で選手たちの想いも汲みながらバランスを取って、チームとしてうまく回していける策を考えないといけないんですね。試合をしながら育てる選手もいますし、一方で競争という世界だから2軍に落とさなきゃいけない選手も出てくる。そういう点も踏まえて、いかにチーム全体のモチベーションを落とさないようにするかは難しいところではあります。何年やってもなかなか答えは出ませんね。

 

『WE=KYUSHU』九州のファンの応援を力にいいスタートダッシュを!

ホークスが福岡を拠点にして、今年で30周年。ホークスは『WE=KYUSHU』をひとつのスローガンに戦います。毎年、宮崎でキャンプをしていますが、週末ともなると地元の方はもちろん九州各県からファンの方が応援に来てくださる。熱いホークス愛を感じます。常にファンの方に見られていると選手もモチベーションが高くなるし、カッコ悪いとこなんて見せられませんから(笑)緊張感が違う。そういう中で毎年1カ月間しっかり準備ができるのはありがたいことです。

九州中の熱いファンの皆さんの応援に応えて、今年はリーグ優勝を奪い返すことが最大の目標。新スローガン『奪sh!』には、走るチームにしていきたいという想いと、リーグ優勝を奪い返すんだ、という強い想いを込めています。まずは3月29日、30日、31日のライオンズさんとの開幕三連戦に勝って、いいスタートダッシュを決めたいところ。チーム一丸となって頑張りますので、今シーズンも熱い応援をよろしくお願いいたします! 

 

編集部からオマケの質問!「工藤監督の好物や趣味を教えて!」

焼肉が好きなので福岡でも焼肉屋によく行きます。最近は娘から「水炊きも食べなさい!」と言われるので水炊きも好きですね。趣味は映画鑑賞。最近良かった作品は『ボヘミアンラプソディー』。クイーンはちょうど僕らの世代なんですよ。映画は俳優さんも良かったよね。

©SoftBank HAWKS

※シティ情報Fukuoka 2019年4月号本誌掲載

 

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