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Fuku Spo – アビスパ福岡/ファビオ・ペッキア

ファビオ・ペッキア(Fabio PECCHIA)・監督

©avispa fukuoka

選手の能力を最大限に引き出すサッカー

アビスパの選手は私たちコーチングスタッフの考えたトレーニングメニューに対して、やる気を持って真面目に取り組んでくれています。最初は三国ケネディエブスなどを欠いてメンバー全員が揃っていなかったため、少ない選手でのトレーニングでしたが、今はほとんどの選手が揃って良いトレーニングができるようになりました。私が目指しているサッカーをチーム全員に浸透させるにはまだ時間がかかるかもしれませんが、みんなが真面目に取り組んでくれているので、早い時期に私の理想としているサッカーに近づけると思います。

イタリアサッカーと言えば、日本人は「カテナチオ(かんぬきの意で、ゴールにマギをかけるという守備的な戦術)」をイメージされると思いますが、私は違います。私は新体制発表会見などでも話しましたが、アグレッシブで見ていて楽しいサッカーをやりたいと思っています。それは、ラファエル・ベニテス監督の下でナポリやレアル・マドリーのアシスタントコーチを経験し、イタリアやスペイン、イングランドなどのサッカーに触れているので私はヨーロッパのサッカーを志向しています。プレーをしても攻撃な戦術の方が楽しいですからね。実際、選手時代の私はディフェンシブなサッカーをするよりも、アグレッシブに前を向いてゴールを奪いに行くサッカーが好きでした。それが私の監督スタイルに影響を与えていると思います。

私はアビスパにいる選手の能力を最大限引き出すサッカーをやりたいと考えていて、そのためのフォーメーションとして4バックを採用しています。先ほどアグレッシブなサッカーと言いましたが、その中でスピードがとても大事になります。このスピードが意味することは、攻撃で前に出て行く時のものだけではなく、守備の時のプレッシングのスピード、攻守の切り替えなどいろんな場面のスピードを指しています。そして、ポゼッションも大事になります。これはディフェンスのためでもありますし、相手の背後のスペースを狙う意味もあります。そのため、賢いポゼッションをしなくてはなりません。

 

アビスパスタイル=サポーターを楽しませる

私の考える「アビスパスタイル」とは、サポーターやファンを楽しませること。ポジティブなプレーを見せて、常に主導権をにぎるサッカーです。そして、勝つことが第一目標です。私たちは勝つために、日々のトレーニングを重ねています。これは世界のどんなクラブも勝利を第一目標にしていることですし、それがサポーターやファンを楽しませ、喜ばせることでもあります。勝つためにはいろんな方法があると思いますが、私たちは私たちの方法で勝利を目指します。それがアグレッシブなサッカーということです。高い位置からプレッシングして守備をスタートさせ、そこでボールを奪い、素早く攻撃につなげることが大事です。そうしたアグレッシブな守備はある程度できるようになってきましたので、そこからチャンスを数多く作り、ゴールを決めることが大事になります。そして勝つことが、目標であるJ1昇格につながります。

私はクラブを進化させるためにアビスパに来たのではなく、私の持っているメソッドや考えをクラブに加えることが目標です。その中で若手選手を大事にし、全ての選手のベストの力を引き出す。これが結果的にクラブの進化につながれば嬉しいのですが、そのためには時間がかかると思います。なぜなら、今はヨーロッパと日本という2つの文化を取り入れているからです。私がヨーロッパで学んだサッカーをアビスパに押し付けるのではなく、私が日本の文化やサッカーを学び、それに合わせたサッカーをすることでチームはより進化すると思います。技術面で日本のサッカーは素晴らしいですし、コーチングスタッフやクラブスタッフが一緒にコンセンサスをとって仕事を進めるのは素晴らしいと感じています。これは私がヨーロッパに戻っても伝えたいと思っていることです。

キャプテンの役割として大切なことはピッチの上ではもちろん、一番大事なことはロッカールームなどみんなが一緒にいる時の雰囲気を良くしたり、練習の時にチームメートを引っ張ったりすることです。それは私がキャプテンをしている時も意識していました。ピッチの中で正しいプレーを見せることも大事ですが、チームメートと質の高いコミュニケーションをとることが大事になります。そこをキャプテンの鈴木淳選手には期待していきます。監督の私が伝えた方が良いことと、キャプテンから伝えた方が良いことがあります。キャプテンや副キャプテンは、選手としてチームメートに伝えなければならないことはわかっていますから、それは彼らに任せます。

 

まずは新スタイルのアビスパをスタジアムで見てほしい

細かいことを私が説明するよりも、まずは新しいアビスパのサッカーを見てください。彼らのプレーを見れば、絶対に楽しめますから。そのためにもレベルファイブスタジアムや博多の森陸上競技場に足を運んで観戦してください。そして、サポーターやファンのみなさんの応援は、私や選手たちのエネルギーになりますので、これまで以上に熱い応援を期待しています。

 

編集部からのおまけ質問「行きつけのお店、教えてください!」

日本に来て卵焼きが好きになりました。魚料理も好きです。福岡は新鮮な魚が豊富なので嬉しいです。実は福岡で良いイタリアンの店を見つけたのですが、日本食をもっと食べ歩きたいと思っています。ラーメンはまだ食べていませんが、そのうち行きたいですね。

「勝つ」という言葉を最初に覚えましたが、最近覚えたのは「◯◯ね」です。コーチの久藤清一がいつも言葉の最後に「ね」をつけるので覚えました(笑)。それと「◯◯したら」という使い方も覚えました。これはイタリアにないイントネーションなので覚えて、よく真似をしていますね。博多弁はこれから覚えて行きたいと思います。

©avispa fukuoka

※シティ情報Fukuoka 2019年4月号本誌掲載