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【ローカル企業とSDGs】30年先の未来のために今、何ができるのか。まなざしは未来を向いている。『株式会社 未来工房』

木をつかう責任として自然に負荷をかけない

日本の木材、特に九州の木で家をつくり続けて24年の未来工房。「日本はそれぞれの地域で気候や文化を知っていてこそ、長く住まう家ができます」と、取締役の金原望さんは語る。

【金原 望さん】2004年3月、九州大学文学部卒業。広告代理店勤務後、2006年5月、株式会社未来工房入社。住み心地の良い無垢の木の家づくりに携わる中、林業の課題を知る。何気ない日常の大切さと、日本の山、環境を含めた工務店の役割を考え、経営企画、広報、人事採用、いろいろな分野で発信している

「戦後の経済成長とともに、今まで当たり前に木だった家や暮らしの道具がコンクリートやプラスチックに置き換わり、木に触れる機会が減ってきました。それは悪いことではありませんが、小さい頃から木に触れることで五感を養ってほしいという思いで『やかまし村のギャラリー』を’19年につくりました」。

未来工房の家づくりも体感できて、展示会などイベント開催できる貸しスペースも。また、幼稚園の帰りのご近所さんが訪れて、絵本をよんだり、木のおもちゃで遊んだりする姿も。

「子どもが走り回っても、木の床だと足音がやわらかいんです。コンサートホールの壁や天井も木。木が音を包みこんでくれるので、無意識レベルで不快に感じないのでしょうね。年輪など木目も自然の有機物なので1/fのゆらぎなんです。人工的な縞模様は目がチカチカしますが、風や川のせせらぎのように、木目は心地良く感じられます」。

居心地のいい家、そして長く住める家をつくることは、未来工房が大切にしていること。そのため、家の設計から施工、メンテナンスまで、お客さまと長い付き合いになるのだそう。まさにSDGsの考え方だけれど、その企業理念は今に始まったことではないのだそう。

「木の家をつくる者の責任として、日本の森林を守っていくことが大切です。山林を手入れすることで土砂災害が減りますし、森が豊かであれば、川を通して森の栄養は海に流れ、海が豊かになるという循環も忘れてはいけないですね。家をつくるのに樹齢50~60年の樹木をつかいますが、切り出す人は、植林した人の次の世代です。そのくらい林業は長いサイクルの仕事なんです。それを一般の消費者に伝えることは難しいですが、山の木をつかって家をつくる者の責任と考えています。10~15年前から木工教室、DIY教室などを開き、林業従事者のことを知ってもらうためにも、実際に山林に行って伐採のワークショップも開催しています。これも、企業活動が環境と社会に負荷を与えるものであったはならない、という理念に基づくものです」。

株式会社 未来工房 久留米本社/展示場

住所:久留米市津福本町731
TEL:0942-32-4612
https://www.mirai-kohboh.co.jp

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