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「耳の聞こえと耳なりについて」 街のお医者さんの聞きましたvol.6 『もりや耳鼻咽喉科』守谷先生

最近聞こえが悪い気がする、音は聞こえるのに会話が聞き取れない、みんなが笑っているので一緒に笑ってはみたものの…なんで?こんな思いをされたことはありませんか?

聞く力(聴覚)は、人が周りのものを感知するための感覚(五感)(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)のうちの一つでとても大切なもののひとつです。

人はお母さんのおなかの中で既にお母さんのからだの音や声、お母さんの体の外の音を聞いています。そして生まれた瞬間からも引き続き周囲の音を一生懸命に聞き成長します。突然の大きな音に無意識に反応し泣き出し、しばらくすると目や頭を音のする方へ動かすようになります。こどもが言葉を覚えコミュニケーションを得ることが出来るのは主に聞く力によるもので、1才に始まり3才までに急速に言葉を獲得していきます。このように、私たちは生を受けてから耳を休ませることなく、ずっと昼も夜も周囲のすべての音を絶え間なく聞き続けます。

20~40歳代までは聞こえの変化を自覚することはそれほどありませんが、緩やかに変化をはじめ、50歳代ころには耳の聞こえ方の変化を感じ始める人が多いようです。年齢とともに多かれ少なかれ聞こえの問題が現れるのは人であればみんな同じですが、ただ、聞こえにくくなってくる時期と聞き取りにくさの程度には、大きな個人差があるのが特徴です。

①聞こえに少し不自由を感じ始めたら

「まだまだ自分は大丈夫」とがんばりすぎずに、一度気軽に耳鼻咽喉科で耳の診察を受けることをお勧めします。とくに片方の耳だけに聞こえの不自由さを感じている場合は注意してください。病気が潜んでいる可能性があります。鼓膜を塞ぐほどの大きな耳垢・中耳炎・内耳や脳の病気があるかもしれません。耳の聞こえの年令変化は左右変わらず同じように進みます。
病気がないことを確認したあとは、聞こえは人それぞれなのですから、日常生活に不便を感じるようであれば補聴器をつけることも選択枝です。

②補聴器を積極的に考えましょう

 最近の補聴器の進歩はめざましいものがあります。性能だけでなくデザイン面でも随分と優れてきています。いろいろな形のものがあり耳の中に入り込んでしまう超小型のものもあります。積極的に器具をつけて聞こえの不便さが軽減され生活の質が向上している方も多くおられます。

③若い人も要注意

「私はまだ若いから大丈夫!」と思っていませんか?でも違うんです。ヘッドホンやイヤホンでいつでもどこでも気軽に音楽を楽しめるようになりましたが、音を聴き続けることにより内耳が痛み難聴になると言われています。やっかいなのは徐々に進むために自覚しにくいということです。

現代の医療では残念ながら慢性的な耳の聞こえの悪さを回復させる薬はまだありません。まずは聴く力を落とさないため、大音量で聴かない・長時間連続して聴かないなどの心がけが大切です。

④耳鳴り

耳の現象で多くの方がお持ちの症状の一つに耳鳴りがあります。キーン、ピー、シャーと始終音が鳴り続け、自分にしか聞こえない音なので、そのきつさがなかなか人にはわかってもらえない不快な症状です。気になる方は一度耳鼻咽喉科医に相談しましょう。まずは鳴っている原因や対処法をきちんと理解することが大切です。

耳鳴りの音を完全に消し去る薬や治療法はまだ確立されていないのが現状ですが、医者ときちんと治療の目標を決めてあせらずじっくりと取り組みましょう。いくつかの薬を組み合わせて不快な症状を軽くさせたり、サウンドジェネレーターや補聴器を用いてきつさを緩和させる音響療法が開発され進歩しています。

もりや耳鼻咽喉科 院長 守谷啓司先生
日本耳鼻咽喉科専門医、補聴器相談医。福岡市南区生まれ。山口大学医学部卒、山口大学院医学研究科博士課程修了。平成10年10月にもりや耳鼻咽喉科を開院。地域の各医療機関と密に連携して治療にあたっている。ホームページにてブログも更新中。
※ふくおかナビでは、守谷先生から隔月、健康や医療に関するお話を掲載しております※

『もりや耳鼻咽喉科』
◇◇◇Hospital Data◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
[診療科目]耳鼻咽喉科
[所]福岡市南区中尾2-3-25 サンライズ恵比寿2階
[☏]092-554-7833
[HP]http://moriya-jibi.com
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