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「黄砂、PM2.5について」 街のお医者さんに聞きましたvol.4 『もりや耳鼻咽喉科』守谷先生

 「黄砂」「PM2.5」という言葉をメディアでもよく見たり聞いたりする季節になりました。例年この時期になりますとくしゃみや鼻水、鼻づまり、眼の痒みなどの花粉症の症状にお悩みの方々が多く来院されますが、風邪をひいているわけではないのにのどの強い痛みや咳き込みも訴える方も来院されます。これらは黄砂やPM2.5の影響と考えられます。あたたくなるこの時期、5月頃までは黄砂とPM2.5が増える時期になりますのでご注意ください。

「春は黄砂もPM2.5も多い」

 黄砂とは中国内陸部の砂漠の砂のことです。この砂が中国から日本に向けて吹く偏西風に乗って2月から5月に運ばれてきます。日本にやってくるまでに中国の工業地帯を通過するなどして大気汚染物質PM2.5や細菌・真菌などさまざまなものが付着します。
 PM2.5は大気中に浮遊する2.5マイクロメートル以下の微粒子です。PM2.5は工業施設から発生する粉塵、自動車の排気ガス、家庭での調理やストーブ、自然界での火山灰などですので日本国内でも発生することから1年中計測されますが、中国からの大気汚染物質が黄砂に付着するなどして大量にやってきて黄砂同様春に濃度がグンと上昇します。

「花粉症を悪化させます」

 黄砂とPM2.5が多くなる時期はスギ花粉・ヒノキ花粉の飛散する時期と一致するので花粉症状が悪化します。鼻汁やくしゃみ、目のかゆみなどの花粉症状が悪化し、のどの強い痛みや咳がでます。

「花粉症を悪化させる以外にリスクの高い様々な病気になることも」

 黄砂の粒子はスギ花粉・ヒノキ花粉に比べると随分小さく、PM2.5は更に小さいため、花粉に比べて末梢の気管や肺に簡単に到達してしまいます。

・呼吸器系への影響としては、気管支炎や肺炎を発症また悪化させ、気管支喘息を発症また悪化させます。
・循環器系への影響としては、血管に入り炎症反応を起こし狭心症や脳梗塞を発症させる恐れがあります。
・肌への影響としては、黄砂に含まれるカビ・ダニ・ホコリなどが原因でアトピー性皮膚炎を発症また悪化させ、粒子の刺激で肌荒れがひどくなります。

「対策は?」

 とにもかくにも体に取り込まないことが大切です。

毎日の花粉情報、黄砂情報、PM2.5情報に注意しましょう。

多いと予想される日は可能ならばできるだけ外出をさけましょう。洗濯物は室内干しにしましょう。

屋外ではマスクを使用しましょう。黄砂やPM2.5は粒子が小さいので一般のマスクでは通過してしまいますがPM2.5対応のマスクが有用です。顔に密着するようにきちんと着用しましょう。

 家に入るときはしっかり払い落として入りましょう。帰宅してすぐの洗顔とうがいが有効です。

部屋には空気清浄機を使用しましょう。PM2.5対応の機種を選びましょう。

以上の5つのことに注意して、この季節を乗り越えましょう!

もりや耳鼻咽喉科 院長 守谷啓司先生
日本耳鼻咽喉科専門医、補聴器相談医。福岡市南区生まれ。山口大学医学部卒、山口大学院医学研究科博士課程修了。平成10年10月にもりや耳鼻咽喉科を開院。地域の各医療機関と密に連携して治療にあたっている。ホームページにてブログも更新中。
※ふくおかナビでは、守谷先生から隔月、健康や医療に関するお話を掲載していきます※

『もりや耳鼻咽喉科』
◇◇◇Hospital Data◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
[診療科目]耳鼻咽喉科
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