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福岡を熱くする7人の福岡な人 Special Interview

元気な街・福岡のおかげさまで創刊800号!
その元気な街に力を与えてくれるのが、
高い志を持ち、人々を幸せにする一流の仕事人たち。
各分野で仕事を通して人々を魅了する、
熱いプロフェッショナルたちをご紹介。

福岡を熱くする7人の福岡な人 Special Interview 01
フレンチ

ホテル日航福岡 総料理長
中橋 義幸 Yoshiyuki Nakahashi

Profile

奈良県出身。大阪ホテルプラザ、ホテル日航大阪を経て、ホテル日航福岡『レ・セレブリテ』料理長として平成元年赴任。平成10年より現職。翌年九州・沖縄サミット蔵相会議の昼食を担当。平成15年フランス料理最高称号、平成16年福岡市技能奨励賞を受賞。平成29年度厚生労働大臣表彰受賞。

魅力的な生産者との出会いが、ホテル日航福岡、自社農園へと発展。

師である故・久保田稔会長と歩んだ30年
糸島の自社農園が育むのは、人と文化

総料理長というものものしい肩書きに反して、フットワーク軽く活動する中橋総料理長。その片鱗は地縁も血縁もない福岡に初赴任した30年前から現していた。産地を知りたくて、生産者に会いに行った最初の人が糸島・久保田農園の久保田稔さんだった。当時から珍しいハーブを育てていた久保田さんは、シェフのリクエストに応えて野菜を育てくれるだけでなく、志を共にする生産者を紹介、料理人と生産者の和が広がる手助けまでしてくれた。その追い風を受けて、中橋さんは「ホテルは文化を発信する場所。地域に根ざして貢献することも大事」と、農業体験を通じた食育イベント「親子で楽しむ農園」を平成13年より年2回開催。遂には自社農園の夢を抱く。糸島の土に触れ、大地のパワーをいただく体験が大きかったそう。その手助けをしてくれたのも久保田さんだった。残念ながら久保田さんは今年2月に逝去されたが、2人の30年の歩みが自社農園「糸島ファーム」として形になり、人々が集い、各シーズン常時25種ほどの野菜が育つ。「ホテル日航福岡では新入社員研修をはじめ、月に3~4回各セクションのスタッフが畑に行きます。すると皆、生き生きした顔で戻ってくる。お客様に料理の説明をする時も、言葉のパワーが違います。一緒に畑に行くと、若手スタッフも僕とすぐ友だちに(笑)。人材育成もできる夢のある畑です」。

「僕はB級品もかわいくて仕方ないんです。いびつでも力強い味がある。それを僕たちはA級品に仕上げます!」総料理長の熱い言葉を裏打ちするのは、久保田会長(後列右)との長年の絆だ

8月1日(水)~9月30日(日) 「美食の祭典~糸島野菜とともに~」
自社農園「糸島ファーム」の新鮮採れたて野菜など糸島産の素材をふんだんに使用した料理を提供するグルメフェアを開催。7月31日(火)まで販売の前売券は、7000円の金券として使用できる他、1万3000円のコースを前売券2枚で利用できるなど、かなりお得になる魔法のチケットだ(使用期間’18年11月30日(金)まで)。
詳細はホームページを参照ください

8月1日(水)~9月30日(日)カフェレストラン『セリーナ』にて開催の『肉の祭典~2018~』ご予約の際に、「シティ情報ふくおかを見た!」で、15%OFF(平日限定)!

ホテル日航福岡

住所:福岡市博多区博多駅前2-18-25
電話番号:092-482-1111(代)
定休日:なし 駐車場:あり カード/可
https://www.hotelnikko-fukuoka.com/

福岡を熱くする7人の福岡な人 Special Interview 02
フレンチ

「ここにしかない料理」をひたすら追い求め続けたい

オテルグレージュ 総料理長
兵頭 賢馬 Kenma Hyodo

Profile

1978年生まれ。ホテル日航福岡『レ・セレブリテ』を経て2002年に渡仏。オーベルニュの一つ星、シャンパーニュの三つ星、パリのビストロを経て2005年に帰国。長野の会員制ホテル、福岡の『レザンドール』で経験を積み、2012年より現職。

旅の目的になる。そんな料理を届けたい。

このロケーションだからこそのフランス料理があるんです。

「ここに着任してすぐ、お客さまに叱られたことがあったんです。『これ、中洲でも食べられる料理やん』って。お客さまが求めていたのは、”このロケーションだからこそ楽しめるフランス料理”だったんですね。以来、この場所、この店、そしてもちろん自分だからこその料理を強く意識するようになりました」。

ホテル日航福岡の『レ・セレブリテ』からフランスの一つ星、三つ星レストランへ。数々の名店で腕を磨いてきたシェフにとって、それはある意味衝撃的な出来事だったのかもしれない。しかしどんな課題にも真摯に向き合い、「お客様にとってのベスト」を考え、その後もまっすぐに道を突き進んできた兵頭シェフは、2017年に「美食のワールドカップ」と呼ばれる「ボキューズ・ドール2017」のTEAMJAPANメンバーに、2018年には、「ダイナースクラブ フランス レストランウィーク」が選ぶ「次世代を担う16人のフォーカスシェフ」に選出され、総料理長着任から7年、アクセス的には決して恵まれているとは言えない同ホテルとレストランを、国内外の美食家にも高く評価される場所へと生まれ変わらせた。

「よく『独立しないの?』と聞かれるんですが、僕はホテルという場所が好きなんです。料理があり、滞在でき、パーティーや婚礼もできる。サービスの極みですよね。それにやっぱり、ホテルのフランス料理店には特別な思いがある。福岡では今、ホテルでフランス料理を楽しめる所が少なくなりましたが、僕はあえてそこに新しい風穴を開けたいと思っています」。

そんな兵頭シェフがここ数年、力を入れているのが後進の育成だ。

「厨房での指導はもちろん、共にコンクールに参加して刺激し合ったりも。その結果、九州・福岡から全国に知ってもらえる料理人がもっと出てきてくれたら嬉しいですね」。

そんなシェフが思い描く夢、そして今後の『オテルグレージュ』は…。

「ここを三つ星の場所に育てることです。と言うのも、ミシュランの星の定義とされているのが、一つ星は地域で愛される店。二つ星はその町を訪れたら必ず行くべき店。三つ星はそこへ行くこと自体が旅の目的になる店…。将来、チーム全員で掴みたい夢ですね」。

ホタテ貝のムース、トリュフなどを舌平目で包み、低温で蒸し煮にした『ソールボンファム』。フランスの古典料理を現代の解釈で驚きある一品に仕上げるスタイルは、兵頭シェフの真骨頂

日田の猟友会から仕入れた夏鹿のロースト。ソースは、鹿の骨から取ったダシをベースに作る『グランヴヌール』。クラシックな技法が、この一皿にも光る。トランペットやモリーユ茸など、春から夏にかけて美味しくなるキノコも一緒

ホテル内のレストラン『ロルキデ・ブランシュ』の店内からは海が一望できる。

HÔTEL GRÈGES(オテルグレージュ)

住所:福岡県宗像市神湊600
電話番号:0940-38-7700(代)
営業時間:[レストラン]11:00~OS14:30/17:00~OS20:00
(ディナーは完全予約制、予約受付10:00~19:00)
定休日:火曜 駐車場:あり カード/可

福岡を熱くする7人の福岡な人 Special Interview 03
イタリアン

九州の伝統工芸と人を食材をつなぐ気鋭の料理人

リストランテKubotsu 料理長
窪津 朋生 Tomoki Kubotsu

Profile

’83年福岡県出身。’03年ひらまつに入社し、代官山『リストランテASO』配属、’09年副料理長就任。’11年『リストランテASO天神』オープニングに携わり、’14年、料理長就任。’18年1月、自身の名を冠する新店『リストランテKubotsu』の料理長に就任。

九州にKubotsuあり、と言われる日まで走り続ける。

九州の四季を感じてほしいとの想いから、色とりどりの旬野菜が美しくお皿を彩る

「おもてなし」を尽くして興味はその先へ…
料理人のポテンシャル拡大中。

「人を家に招くのが好き。だからおもてなしの空間を作りたいという夢があったんです」。夢を叶える第一歩として『ひらまつ』の門を叩いた窪津朋生さん。創業者の平松宏之氏が尊敬するフェルナン・ポワン氏の「料理人よ、故郷に帰りなさい。その土地の市場へ行き、故郷の人のために料理を作りなさい」という言葉を体現すべく、生まれ故郷・福岡の『リストランテASO』立ち上げに尽力。’14年より料理長として地産地消にこだわったイタリア料理を発信し続ける。そして’18年年、、自身の名前を冠した新たな店作りに挑戦。JR九州のななつ星内装を手掛けた大川組子の木下氏によるエントランスの飾りやナプキンリング、博多織のメニューに唐津焼きの巨匠の皿が並ぶ『リストランテKubotsu』をオープンさせた。「一手間二手間三手間四手間、五に工夫」という平松氏の教えを守り、鹿児島や五島列島など、九州中の生産者の元を毎年訪ねて新鮮な食材を仕入れ、唐津焼きや九州ゆかりの職人たちの工芸品でお客を迎える。「九州の美味しい食材、ゆかりの伝統工芸品など、ここでしかできない店づくりと料理人の技術が、プロの料理人としての手間と工夫です」と、屈託のない笑顔を見せる窪津さん。「食に関心を持ってもらえれば、生産者の幸福にも繋がる」という信念の元、探究心をもって多くの生産者や工芸家と知り合い、「粋を集めた」この空間は、テーブルの上の総合芸術を楽しめる劇場だ。

新進気鋭の料理人でありながら、「僕より凄い料理人はたくさんいます!」と、決して自分を特別視しない窪津さんだが、彼には不思議な力がある。バーで偶然知り合った人のツテで博多織の職人さんに行き着く、縁を引きつける力。果敢に職人の仕事場を直接訪ね、話をするうちに「なんとかしてやろう!」と協力を取り付ける不思議な魅力。料理人の力を最大限に発揮し続ける窪津さんの創造力は、日々進化する。8月27日(月)~31日(金)には、安心院ファームなど大分の旬の野菜を主人公にしたスペシャル・ランチのフェアを開催予定で、どんなサプライズが待っているのか楽しみなイベントだ。「行きたいところ、やりたいことがいっぱいで、眠る暇がないくらい!でも常に新しいことをやっていきたいので、新しいメニューを作り続けて、いつの日か、Kubotsuの集大成を作りたいです!」

大川組子はナプキンリングやガラスの皿、エントランスなど、店のあらゆる場面で目にできる。メニューは博多織、テーブルを彩る飾り皿は十四代中里太郎右衛門氏の皿だ。贅沢な立地ながら、ラウンジや個室を備え、記念日やおもてなし、ウエディングパーティと、いろんなシーンで利用したい店

リストランテKubotsu

住所:福岡市中央区天神2-5-55 レソラ天神4階
電話番号:092-724-0600
営業時間:11:30~OS13:30(土曜、日祝日OS14:00)/
17:30~23:00(OS20:30)
定休日:なし ダイニング36席、サロン130席 カード/可
https://www.hiramatsurestaurant.jp/kubotsu/

福岡を熱くする7人の福岡な人 Special Interview 04
建築家

住宅業界に一石を投じる “脱テンプレート”の伝道師

サードカフェリビングスタイル 代表
桐谷 シゲル Shigeru Kiritani

Profile

1972年長崎県生まれ。一級建築士。大学卒業後、木造住宅メーカーやリフォーム&リノベーション会社を経て、2013年に独立し、建築×カフェがコンセプトの『3rd.Cafe』を開業。新築、中古、戸建て、マンションなど家づくり全般の相談が可能。

家づくりのスタイルを業界から変えていきたい!

新築はもちろん、リノベーション住宅のオーダーも多い。建築デザインにも傾倒し、豊富な引き出しからお客の好みに合わせた提案を行なう。得意ジャンルは和風モダンだそう

福岡では珍しい、工務店+カフェ。
桐谷さんの革新的な家づくりとは?

春日で話題のおしゃれカフェへ行くと、打ち合わせ中の桐谷さんの姿があった。ここ『3rd.Cafe』は、「カフェと建築の融合」をコンセプトに一級建築士の桐谷さんが開いたお店。家づくりを検討している人も、そうでない人も、みんなが自然と集まる人気スポットだ。
建築関係の仕事をしていた父親の背中を見て育った桐谷さん。中学時代から一級建築士を志し、マイホームは設計もディレクションもすべて自分でやるのが若い頃の目標だったそう。住宅メーカーに勤め、現場監督、設計、営業、資金計画、リフォームに至るまで、気付けば家づくりの全工程を一人で賄えるようになっていた。

また同時に、世の中の家づくりのスタイルに疑問を抱き始めたと語る。「家を建てる際、主導権を握るのは住宅メーカーとなることがほとんど。お客さんはそのレールにはめられ、一生モノの家が効率重視でテンプレート化されるんです。家づくりは、職人さんがゼロから手をかけるものなのに…勿体ない。もっと自由に、自分たちの好きな空間を作れるのだと、多くの人に気付いてほしいです」。固定化されていた家づくりの概念を変えるべく、桐谷さんは独立を決意。住宅会社の営業のプレッシャーがない空間で、人々が気軽に情報を仕入れられる場を提供したいと、’13年にカフェをオープンさせた。プロ向けの住宅専門誌やカタログを自由に閲覧できて、ショールームの要素も兼ねた寛ぎの場。このようなカフェを持つ工務店は、福岡では類を見ない。

ちなみに、桐谷さんが支持されるもう一つの理由に、「自分からは営業しないスタンス」がある。提案を押し付けたり、短期間でバタバタつくり上げるのはナンセンス。打ち合わせの頻度やスケジュール感は、お客側のペースに合わせる主義だそう。間取りもパターン化せず、まずは一人ひとりのライフスタイル、好み、リクエストを汲み取り、一緒に考え、桐谷さんが形にする。こうすることで、お客は”自分たちで作り上げた”という思いが生まれ、より愛着のある我が家を育めるのだ。家づくりの考え方もアプローチも、これまでの「当たり前」とはまったく違う。住む人にとって喜びと達成感を与える家づくりの在り方を、桐谷さんは身をもって提唱している。

コンクリートのモダンな広々空間にミッドセンチュリーの家具やインダストリアル風の照明を配した『3rd.Cafe』。店内の一角に住宅系の雑誌やカタログ、内装のパーツなどを多数展示し、自由に閲覧できる。カフェメニューでは、ふわふわのハワイアン風パンケーキ『しあわせの白いパンケーキ』(1620円)が女性に大人気!

3rd.Cafe

住所:春日市白水ヶ丘4-7 アミティときわ1階
電話番号:092-983-3093
営業時間:11:00~22:00(水曜~18:00、土曜、日祝日~24:00)
定休日:なし 60席 カード/可
http://www.thirdcafe.com/

福岡を熱くする7人の福岡な人 Special Interview 05
衣食住環コーディネータ

人と人とを結ぶこと それも家づくりのひとつだと考えています

マルベリーハウス 桑野組 副社長
桑野 啓子 Keiko Kuwano

Profile

短大卒業後、営業として企業に勤めるも、23歳の時、江戸時代から続いてきた「桑野組」の後継であるご主人との結婚を機に退職。3人の子供を育てながら桑野組の経理を担当。現在は副社長兼”衣食住環コーディネーター”として桑野組を支えている。

DIYのワークショップも不定期開催。事務所の敷地内にDIYハウスを設置し、スツールやテーブル、フォトフレームなどを販売するほかオーダーも受け付けている

人々が集まり、繋がる場所を提供していきたい。

家は住むためだけでなく人生を楽しむための場所

福岡市早良区干隈に本社を置く「マルベリーハウス 桑野組」。戸建て住宅、マンション、商業施設の施工まで、幅広く手がける同社だが、近年は事務所2階のショールームを様々なイベント、ワークショップに活用し、様々な人を結びつけている。その中心となっているのが桑野啓子さんだ。

「主人と結婚するまで、建築業界についてはほぼ知らなかったんです(笑)。当時はまだまだ”男社会”という感じでしたし、現場は男性にお任せし、私は皆さんの仕事が円滑に回るためのサポート役を担っていました」。

それでも、少しずつお客様の対応や現場同行などを通して、家づくりの中心に身を置くことになる啓子さん。ある日、担当したお客様の声で「家づくり」のさらなる面白さに目覚める。

「これまでは、こんな広さでこんな間取りにしたいから、この土地を買いたい、という方が多かったように思うんです。そんな中、あるお客様が、『習い事ができる環境があるか』、『地域の方とのつながりがあるか』 を基準に土地を探していらして。その時、『家は住むためだけのものじゃなく、人生を豊かにするものなんだ』と思ったんです。

“人生を豊かにする家”でまず頭に浮かんだのは「人が健やかに暮らせる家」。新婚旅行で訪れたスウェーデンの、冬でも家全体が一定の温度に保たれている家は、安心・安全かつ快適で桑野さんを驚かせた。が、その後桑野組では「WB通気断熱工法」を導入し、ここ日本でも「夏は涼しく、冬暖かい家」を実現させた。その心地よさを体感してもらうために作ったのがショールームであり、ここは次第に様々な人がつながる場に。

「すると衣食住だけでなく、周りの環境(コミュニティ)を楽しめることも、家づくりの大切な要素だと気付くんです。それを考えるのが楽しくて、以降、私の肩書きは、”衣食住環コーディネーター”(笑)。家を建てることはできないけれど、母、妻、建築会社社員、いろんな立場から、お客様と一緒によりよい家づくりを考えていきたい。そしてこの取り組みを、次の世代にも繋いでいきたいですね」。

[左]事務所2階のショールーム。料理教室、講演会やワークショップなど多目的に使える。この空間を参考にリビングをオーダーする人も多いとか。[右]2016年より、ショールームを使って月2回のペースで開催している料理教室。もともとはママ友達として知り合った八百屋育ちの料理研究家・永利裕子さんにレッスンを依頼。毎回、季節の素材を使ったシンプルなのに絶品の料理が紹介されるとあって、子育て中のママに大好評

マルベリーハウス 桑野組

住所:福岡市早良区干隈4-20-9
電話番号: 092-861-7126
http://www.kuwanogumi.com/

福岡を熱くする7人の福岡な人 Special Interview 06
キリム輸入・販売

人と人の繋がりを育みトルコと九州の「縁」を結ぶ

ゲリシゥムマーブル&カーペット 代表
エンシジ ムラート Ensici Murat

Profile

1976年トルコ生まれ。結婚を機に2003年に福岡へ移住。現在は西区今宿の自宅兼事務所を拠点に、母国トルコからキリムやキリム小物を直輸入し、九州各地のギャラリーなどで展示会「トルコのキリム展~MURATコレクション~」を年25回ほど行なう。

日本とトルコの架け橋になる、そのために

住空間を華やかにするキリム。トルコの職人が手作業で製作し、柄やサイズなどすべて一点もの。ムラートさんは現地の工房を転々としながら、約1ヵ月半かけて買い付けを行なう

キリムの魅力を伝えるムラートさん。 唯一無二の存在と言われる理由は?

トルコ北部にある、黒海沿岸の港湾都市・ゾングルダックで生まれたムラートさん。幼い頃から村で育ち、大学時代は学業の傍ら、伝統工芸の杖を販売するために各地方を回っていたそうだ。「ふるさとへの愛着が強く、故郷を大事にしたい一心でしたね。それは今も変わりません」。卒業後、世界中から観光客が集まる五つ星ホテルで働き、コミュニケーションスキルを磨いた。大理石会社からヘッドハンティングされ、製品工程や品質の管理、セールスマーケティングに従事。’01年にマルタ共和国に渡り、そこで妻の寛子さんと出会い、結婚を機に日本へ移住。「すべては”縁”が繋いだ運命的なこと」と微笑む。

こうして福岡にやってきたムラートさんは、トルコの伝統織物・キリムを多くの人に伝えたいと、現地から直接仕入れ、九州を拠点に販売をスタート。彼のユニークなところが、実店舗を持たずに展示販売や訪問販売のみで輪を広げていること。その理由を尋ねると、「店舗を構えてずっと同じ場所にいると、伝わる人が限られるかなって。九州各地のお客さんのもとへ自分から会いに行くことでキリムの輪が広がりますし、少なくとも年1~2回は遠方のお客さんに会えるのも私の喜びです」とニッコリ。かつて、故郷で杖を販売して回っていたあの頃と、”直接会って、関係性を築く販売スタイル”は変わらない。

トルコの伝統工芸・キリムの歴史は古く、紀元前に遊牧民の暮らしの中で生まれた織物だ。羊やヤギなどの毛を天然素材で染め、自然や動物をモチーフにした幾何学的な柄も興味深い。ムラートさんはこのキリムのルーツとともに、現地の歴史、暮らし、文化も掘り下げて紹介している。その思いは、「日本とトルコの架け橋になりたいんです」という一言に尽きる。
創業15周年を迎える今年、ムラートさんにとって新たな挑戦が始まった。紀元前1200年頃からの歴史を持つ伝統工芸品「エルペックベズ」を販売しだしたのだ。故郷への社会貢献となるようにと、機織りの製作は現地の障がい者を起用し、地元の人に活躍の場を与え、地域活性化を支援。トルコで古くから紡がれ続けているこれらの織物を、自らの足で、手で、言葉で、遠く離れた九州の地にしっかりと繋いでいる。

[左]オフホワイトのテーブルクロスやバッグは、新展開となるエルペックベズの商品。ムラートさんが着用しているストールも、肌触りが気持ちいいエルペックベズのものだ。次回の展示会『トルコのエルペックベズとキリム展』は、8月1日(水)~5日(日)の5日間、『ギャラリーエス・ピオーネ』(福岡市早良区藤崎1-2-212階)にて開催されるので乞うご期待!

株式会社ゲリシゥムマーブル&カーペット
(Gelisim Marble&Carpet)

住所:福岡市西区今宿東1-14-2
電話番号:092-806-3049
http://www.muratcollection.jp/

福岡を熱くする7人の福岡な人 Special Interview 07
薬膳料理研究家

人の心とカラダを変える 薬膳料理研究家・国際薬膳師

薬膳ハウス 金木犀 代表
甲木 里枝 Satoe Katsuki

Profile

1979年福岡県生まれ。国際薬膳師。大学院卒業後、法律系公務員として12年勤務するも、自身の体調不良をきっかけに一念発起して薬膳料理家に転身。福岡市中央区にて料理教室「薬膳ハウス金木犀」を主宰している。

薬膳料理を通して 皆様の心身の健康にお役に立ちたい!!

座学後は、4品の料理をつくってみんなでおしゃべりしながら食べる甲木さんのレッスン。通いやすいチケット制で単発参加もOK

人の心とカラダを変える 不思議な力を持つ、おいしい薬膳料理

「夏は「心(臓)」を労わるために、トマトやスイカなどの赤い食材、ゴーヤやグレープフルーツなど苦みのある食材を食べてくださいね」。と朗らかな顔でにっこり笑う甲木さん。大名の近くにある「サウスガーデン」で、月に4回、薬膳料理を教えている。前職は、公務員だった。当時は忙しく仕事をこなし、家に帰れば育児や家事が待っている日々。「心もカラダもいっぱいいっぱいになったんです。次第に体調への影響が強くなってきて腰が痛み始めました」。そんな甲木さんを変えた一冊の本がある。それが、薬膳料理の本だった。「友だちが遊びに来たときに、おやつをつまみながらみんなで作ったんです。まるで、料理の実験のように。家族でご飯を食べるときにレシピに加えようと軽い気持ちで作り始めました」。毎日ではないにせよ、漢方と並行して薬膳を取り入れるようになってからしばらくして甲木さんの身体に、変化が起きた。手術以外では治らないと言われあきらめていた腰の痛みが、徐々にラクになってきたという。「今振り返れば、気・血・水の流れが良くなったんだと思うんです。イライラもなくなって、心も落ち着いたし。肌のツヤも次第に良くなってきて、透明感も出てきました。そうそう、吹き出物ができてもすぐ治るようになったんです。薬膳を通して肌に栄養が行き渡った、まさにそんな感じです」。

一昨年の12月には「薬膳ハウス金木犀」という料理教室も開校した。「多くの人が抱える『疲れやすさ』や『イライラ』などカラダと心の不調は、薬膳料理を『食べること』で解消されるんじゃないかって思ったんです。かつてのわたしのように」。甲木さんとお話をした中で印象に残っている話がもうひとつある。それは、最近お酒が少し弱くなり、寝落ちをするようになったと心配していたご主人のことだ。「僕は健康だ、大丈夫!」と頑なに言い張っていたご主人だったが、六味地黄丸という肝・腎を労わる漢方を飲ませ続けたところ「自分からカラダに意識を向けるようになったんです。カラダが元気になったことで心が自然と変わったようです」。まさに、薬膳料理がもたらした幸せなエピソード!心とカラダを心配しているみなさん、薬膳料理は注目のキーワードになるかも!

食材が持つ効能を知り、目的を持って食材を選べば、スーパーの食材でも薬膳料理を作ることができると話す甲木さん。料理の実演の前に、薬膳について座学指導。季節ごとに摂るべき食材や、体質改善に良い素材など、食生活に役立つ知識を得られる

薬膳ハウス 金木犀(きんもくせい)

住所:福岡市中央区警固1-6-56 サウスガーデン6階
レンタルキッチン「養生文化館」
電話番号:092-738-8666
http://kinmokusei-y.com

ホテル日航福岡

住所:福岡市博多区博多駅前2-18-25
電話番号:092-482-1111(代)
定休日:なし 駐車場:あり カード/可
https://www.hotelnikko-fukuoka.com/

HOTEL GREGES(オテルグレージュ)

住所:福岡県宗像市神湊600
電話番号:0940-38-7700(代)
営業時間:[レストラン]11:00?OS14:30/17:00?OS20:00
(ディナーは完全予約制、予約受付10:00?19:00)
定休日:火曜 駐車場:あり カード/可

リストランテKubotsu

住所:福岡市中央区天神2-5-55 レソラ天神4階
電話番号:092-724-0600
営業時間:11:30~OS13:30(土曜、日祝日OS14:00)/
17:30~23:00(OS20:30)
定休日:なし ダイニング36席、サロン130席 カード/可
https://www.hiramatsurestaurant.jp/kubotsu/

3rd.Cafe

住所:春日市白水ヶ丘4-7 アミティときわ1階
電話番号:092-983-3093
営業時間:11:00~22:00(水曜~18:00、土曜、日祝日~24:00)
定休日:なし 60席 カード/可
http://www.thirdcafe.com/

マルベリーハウス 桑野組

住所:福岡市早良区干隈4-20-9
電話番号: 092-861-7126
http://www.kuwanogumi.com/

株式会社ゲリシゥムマーブル&カーペット
(Gelisim Marble&Carpet)

住所:福岡市西区今宿東1-14-2
電話番号:092-806-3049
http://www.muratcollection.jp/

薬膳ハウス 金木犀(きんもくせい)

住所:福岡市中央区警固1-6-56 サウスガーデン6階
レンタルキッチン「養生文化館」
電話番号:092-738-8666
http://kinmokusei-y.com

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