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Fuku Spo – アビスパ福岡/三門 雄大

三門 雄大(Mikado Yuta)
ミッドフィルダー・背番号 7

自動昇格できず悔しいが、しっかりと戦えたシーズン。

チームでJ1自動昇格を目指し、個人的にも今季がスタートする時に「ぶっちぎりで優勝して昇格したい」という目標を掲げていました。簡単に達成できないと思っていましたが、そんななか、前半戦は難しい試合を勝利につなげて目標だった勝ち点42をお上回り、首位で折り返すことができました。後半戦は勝ち点を思うように伸ばすことができず、6試合未勝利などもあり、自動昇格できなかった悔しさがあります。でも、後半戦に怪我人や出場停止の選手が多く出たなかで、4位でJ1昇格プレーオフに進出したことを考えると、しっかりと戦えたシーズンだったと思います。

個人的にもやれることはやったと思います。多くの選手と話し合い、練習から「こうしよう」と呼びかけてチームのために戦ってきたと胸を張って言えます。キャプテンとしてできる限りの事はしたので、そこに関して悔いはありません。

 

 

 怒られて変わったが、僕は性格的に怒れない

挫折の多いサッカー人生だと思います。小さい頃は、埼玉出身なので浦和レッズや大宮アルディージャのジュニアユースセレクションに参加しても一次すら通りませんでした。高校で流経大柏に行った当初、「こんなに上手い選手がいるんだ」と思い、親に「サッカーを辞めて埼玉の高校に編入する」と言ったこともあります。あの時、1ヶ月くらい部活を休ませてもらい、その間に仲間やコーチが「一緒にやろう」と言ってくれて戻りました。

他にもいろんな挫折がありましたが、ひとつあげるなら大学時代に2歳上の糸数昌太さんに言われたことですね。あの頃は、僕や糸数さんを含めて4人くらいで同じポジションを争っていて、なかなか試合に出られませんでした。若かったこともあり、それで僕は腐っていたんです。そんな時の紅白戦でいつもと違うポジションに入った僕は不満げにプレーしていました。それを見た糸数さんからプレー中に「そんなことなら辞めろ。ピッチから出て行け」と怒られました。実は糸数さんが下級生だった頃に腐っていた時期があり、それで後悔したらしいんです。だから「お前にそうなってほしくない」と真剣に言われました。当時、僕が糸数さんの立場だったら、そこまで言えないと思います。怒られただけじゃなく、期待もされていることがそこでわかったので、そこから僕は変わり、チームのためにできる事がプレー以外にもいろいろあると考えられるようになりました。高校の頃もキャプテンだったのでチームのことを考えてはいましたが、あの時、糸数さんが真剣に怒ってくれなかったらそのまま僕は腐っていて、ここまでサッカーを続けていなかったかもしれません。本当に僕のことを考えて怒ってくれているのが伝わりましたから。それが嬉しかったし、悔しさ半分、嬉しさ半分でボロボロ泣きました(笑)。今でも糸数さんとは連絡を取り合っていますし、人間性の部分ではいつまでも超えられれないのかなと思います。それがサッカー人生の中で一番変わった出来事ですね。

今、年齢的に怒る立場になったと思いますが、僕は性格的に怒れないですね。相手の話を聞いたうえで、「でも、こうやった方がいいでしょ?」というタイプなので。ガツンと言った方がいい時もあると思いますが…。なかなか試合に出れないと選手は不満を持ちますが、今のアビスパはシーズンが進むにつれて、ひとつにまとまってきました。不満を持ちそうな時に、チーム全員で手助けしてうまくチームの円に戻すことができたと思います。だから、2017年はいいチームだったと思います。(岩下)敬輔はいつも怒っているような感じですが、周りを見て考えながら強く言ってますよ。「強く言い過ぎたからミカ(三門)フォローしておいて」って言われることもあります(笑)。僕にないことを彼がやってくれているので助けてもらっています。城後は試合出場時間が今年は少なくなりましたが、練習で手を抜くことは一切ありません。一所懸命にやっている姿は、僕にとって刺激になります。3人の立場は違いますが、同級生として一緒になって戦えたことをうれしく思いますよ。

 

 

湘南戦の雰囲気を忘れない。ともにアビスパを強くしましょう!

今年1年、僕らの掲げた目標を信じて熱く後押ししていただき、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。自動昇格はできませんでしたが、サポーターのみなさんのおかげで最後まで戦い抜くことができたと思います。僕たち選手だけじゃなく、スタジアムが一体となって勝利をつかみとった第40節・湘南戦は忘れられない試合になりました。ああいう雰囲気をまた作り出せるように、僕たちはこれからも一所懸命に戦います!サポーターの方とともにアビスパが強くなれるように頑張っていきたいと思います。引き続き、応援をよろしくお願いいたします!

 

※シティ情報Fukuoka 2018年1月号本誌掲載

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