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〈カウンター酒場〉永らく

未知なる食材との出合いに心躍る!炉端焼きで全国味巡りを疑似体験。

「お客様の表情や、どんな人たちでどんなシチュエーションなのかを感じ、それに合わせた接客、心配りを計れるのがカウンターの醍醐味ですね」と話す店主・糸永康宏さんが営む『永らく』は、’17年9月に大名にオープンしたカウンター式の炉端焼き店。

絶妙な焼き加減に仕上げられた食材から順番に次々とカウンターに並ぶ。そのライヴ感をシャッターチャンスとばかりに撮影する人も多いとか。

食通にも知られる地元の人気炉端焼き店『雷橋』に立ち上げから参加していた糸永さんは、佐竹大将と共にまだ見ぬ食材を求めて全国津々浦々を旅しており、それが糸永さんのルーツだと話す。「大将からは常々『もっと旅せないかんばい!』と言われていました。各地で出合った食材の重みを一つひとつ感じながら、旅で見つけてきたものをこの店で表現したいんです」と、目を爛々と輝かせながら話す糸永さんからは食材への深い愛情が感じられる。

洋食だとポタージュにしたりもするバターナッツや、通常は茹でて食べるのが一般的なひしの実も、ココでは焼いて提供。「焼けるものはなんでも焼いてみよう」という好奇心とチャレンジャー精神で火にかけて、「これは美味しい!」と新たな魅力を発見した食材も多い。最初に注文したい『野菜盛り2人前』は、熊本の赤ナスや佐賀のレンコン、大分のしいたけ、青森の山芋、京都の万願寺唐辛子、宮崎のズッキーニなど、その時に美味しい産地の多様な野菜がふんだんに揃って8種1080円(1人前は5種648円)とリーズナブル。

パッと見でこれらの野菜の名前が出てくる人はそういないはず。味の想像がつかない食材が盛りだくさん。食材そのものの味を楽しもう!

「北海道から配送してもらっている食材など正直コストもかかっているんですが、『美味しいものを届けたい』という気持ちが優先なので」と、食材への想いと客の満足度がなにより優先。

『特大にしん開き』1080円(半身648円)。札幌で見つけてきた市場にある干物屋から取り寄せるというにしんは、とにかく油ののり方が凄い。「ホッケにはない油ののり方で、焼く際には気をつけていないと燃えちゃうんですよ」とのこと。
『岩魚の骨酒』は一合972円(穴子は864円)。岩魚は名古屋に立ち寄った際に知り合った人に連れて行ってもらった店で出合ったという。事前に3時間ほど岩魚に火を通して乾燥させる「焼き枯らし」がポイント。

炉端焼きというシンプルな調理法なだけに、焼くタイミングやカットする厚さなどで食材本来の味を最大限引き出し、「こんなに美味しいんだ!」と客を感動させてくれる。炉端焼きの奥深さと、全国の野菜や干物などの“味力”を存分に感じられる店だ。

 

〈シティ情報Fukuoka 12月号掲載店。バックナンバーは↓こちらから!

永らく

住所   福岡市中央区大名1-8-25 杉の宮マンション1階奥
TEL   092-738-3438
営業時間   17:00〜24:00
定休/日曜・不定休   席数/15席   P/なし
カード/不可   喫煙/可

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